身に覚えのない疑いはきつい
マジックガールズの2人目が登場します
side エリーゼ
俺の部屋にコージの助手が訪ねて来た。
「よお、ピンクもじゃ。何のようだ?」
「ピンクもじゃって言わないで下さいー。私の名前はリア・クローゼです。……コージさんって昔から人を避けていたんですかー?」
ピンクもじゃは、可愛いもんで、俺がコージと呼び捨てにするもんだから、呼び方をイ・コージさんからコージさんに変えやがった。
「あいつは昔からクソまじめで、他人と話すより勉強や研究に時間を割いていたからな。まともに話をしていたのは、高校と大学を通じて俺の他は4、5人ぐらいじゃないか」
「そ、その中には女性の方はいたんですかー?いえコージさん、女性が苦手なみたいですから」
「女か?1人だけいたな。名前は忘れたけども、妙にあいつに懐いてるのがいたぜ。まっ男としてじゃなく兄弟みたいな感じだったけどな」
「コージさん、そんな話してくれた事ないですよー」
「誰でも話したくない事があるんだよ」
あんな事になりゃ思い出したくもないだろうさ
side イ・コージ
通常業務へと戻ったある日の事。
「イ・コージさん、明日メンバーのキャロルが見学に来たいって言ってるんですけども良いでしょうか?」
ええっと……
(リアさん、キャロルさんって誰でしたっけ?)
(キャロル・リーチェ、今のマジックガールズのメンバーで猿人族の娘ですよー)
「えーと、そのキャロルさんも実習希望ですか?それなら新しいバングルが必要になりますよね」
「すいません、僕もまだ詳しくは聞いてないんですけども。イ・コージさんの話をしたらどうしても会ってみたいって」
「頼みたい依頼でもあるんですかね?」
それ以外はないと思いますし。
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次の日
「イ・コージさんおはようございます。さっキャロル入って」
チェルシーさんに促されて入ってきたの大人しそうな顔をした黒髪でロングヘアーの女の子、あれの娘がキャロル・リーチェさんなんですね。
でもリーチェさんは私を見て涙ぐんでます。
そんな怖い顔をしていないと思うんですが…
「パパだ……パパ、キャロルずっと会いたかったんだよ」
パパ?ここにいる男性は私だけですよね?
えっ?
なんでリーチェさんは私に抱きついて泣いてるんですか?
「あのリーチェさん、おじさんをからかうのは止しましょうよ」
リアさんから不機嫌オーラが噴出されていますし。
「パパはキャロルの事を分からないの?」
「私は結婚していませんし、第一娘なんていませんよ」
く、空気が重いです。
それにリアさんやチェルシーさんの目線が冷た過ぎます。
「ここはコージさんの過去を知っている人に聞くのが一番ですよねー」
私の過去を知っている人って……
エリーゼ先輩が来たら私が弱るだけですよ
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イ・コージです。
ただ今自分の研究室で正座をさせられて尋問を受けている最中です。
「それでキャロルだっけ。お前何歳なんだ?」
「こ、今年で17才です」
リーチェさんは、先輩の迫力に怯えています。
「17か…ならコージが20歳の時か。コージお前20の時に身に覚えはないのか?」
「それは先輩も知ってるじゃないですか?私はあの頃も良くて友達、恋人は無理って言われてたじゃないですか」
「だよな。んでキャロルはなんでコージが父親だと思ったんだ?」
「髪の色と絵姿です。ママが大事にしていた絵姿にパパ…イ・コージさんが写っていて私と同じ黒髪はイ・コージさんだけでしたから。私のママは若い時にデュクセンの魔法大学に留学していましたから」
ルーンランドから来た留学生で私と一緒に絵姿に写っている女性と言えば…嫌な予感がします。
「確かに魔法大学には俺もコージも在学していたけどな。コージはモテなかったからな。母親の名前は何て言うんだ」
「母の名前はマリーです。マリー・リーチェです」
当たりました。
リーチェさんが私の娘だった方がどれだけ気楽だったでしょうね。
(先輩、やばいですよ。
多分リーチェさん父親が分かったんですけども、まずいです)
(コージ、父親って誰なんだよ)
(リーチェさんの父親はアレキスですよ。アレキス・アポロードだと思います)
(マジか?確かにそれはまずいな)
(所長に報告しますか?場合によってはリーチェさんは保護対象にしないと)
「コージさん、こそこそと何を話してるんですかー?男ならきちんと責任をとらないと駄目ですよー」
リアさんの目もまずい事になっています。
「リーチェさん、お母さんはご健在ですか?」
「いえ、3年前に亡くなりました。亡くなる時に何かあったらデュクセンにいるイ・コージっていう人を頼りなさいって言いました。だからてっきりイ・コージさんが私のパパだと思ったんですけど違うんですよね…」
マリー、とんでもない贈り物をしてくれましたね。
女性キャラは増えるけどハーレムになる要素がゼロです