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おじさんも時には厳しくなり、周りの空気を壊します

この作品の舞台は価値観が現代と違います。

side リア


研究所に向かおうとする私に元気のかたまりの様な声が掛かる


「リア先輩おはようございます。今日もよろしくお願いします」


「チェルシーちゃんおはよ。随分と元気がいいわねー」


「だって、周りを気にしないで歩けるなんて久しぶりですから」


今のチェルシーちゃんは道を歩く人の目にはマジックガールズのチェルシー・ポンじゃなく猿人族の娘にしか写っていないだもんねー。


「そうだよね…アイドルは大変なんだよね」


「でも今の僕はただの実習生ですから。イ・コージさん答えを見つけましたかね?」


「答えは分からないけどーイ・コージさんが今どうなっているかは予想がつくよー」

 

「どうゆう事ですか?」


「絶対に爽やかな挨拶なんて、できる状態にはなってないと思うんだー」


side チェルシー


研究室に入るとリア先輩が言っていた事が理解できました。

イ・コージさんはメモや道具に囲まれたまま机に突っ伏して眠ってるんだもん。


「もうイ・コージさん、またベットに寝ないでー。風邪をひいたらどうするんですかー」


「あっ、もう少しで完成しますのでお待ち下さ……リアさんでしたか、おはようございます」


「もう夢の中でもお仕事をしないで下さいよー。早く顔を洗って来て下さいー」


お仕事の夢は、僕も見るんだよなー。

大きいコンサートの前とか見ちゃうんだよね。

でもリア先輩は愚痴を言ってるけど、どこか楽しそう。


「チェルシーちゃん驚いたでしょ。イ・コージさんは新しい仕事が入った日は何時もこうなんだよー」


「なんかイ・コージさんとリア先輩って夫婦みたいですねっ!」


でも羨ましくはない。

だって僕もクリス様を起こせる日が来るんだから……でもまだまだ先の話だから、少しだけ羨ましいかも。


「なっ、なっ、何を言ってるのー。馬鹿な事を言ってないで机を片づけてっ」


(そんなに慌てなくもいいのに。メモに書いてある爆発×とか硬化×ってなんだろ?)



side イ・コージ



なんでしょう、顔を洗って帰って来たらリアさんが慌てていました。


「イ・コージさん、新しい道具は完成したんですか?僕楽しみで昨日あまり寝れなかったんですよ」


チェルシーさん、期待に応えれなくて、心苦しいんですけども


「そんなに簡単にはできませんよ。特に今回は責任が重いんですから」



「えー、つまんないの。メモの爆発×とか硬化×って何ですか?」


「それは採掘に爆発は使わない、作業着に硬化は使わないの意味ですよ」


「爆発魔法は使わないんですか?僕はそれが一番手っ取り早い感じがするんだけどなー」


チェルシーさん、確かに手っ取り早いですよ。

でもね


「確かに最初は魔石に爆発の魔法を付与しようと思いました。でもやめました、何でか分かりますか?これは実習の一部ですよ」


「お金が掛かるからですか…違いますよね。リア先輩助けて下さいー」


「チェルシーちゃん、きちんと自分で考えなさいー。マジックアイティムは便利なだけじゃ駄目なんだからねー」


リアさんはまるでお姉さんみたいな言い方で、チェルシーさんを諭しています。


「もし、爆発を付与した魔石が誤爆したらどうします?死人がでちゃいますよ」


「でも僕は取り扱いをきちんとすれば問題はないと思います」


「チェルシーさん、クリスさんが誤爆で亡くなっても問題ないって言えますか?」


知らず知らずのうちに言葉がきつくなったのか、チェルシーさんが黙ってしまいました。

いじめたつもりはないんですけども、気まずいです。


「昔と言ってもほんの少し前までは私も頼まれた依頼をこなせばいいって思ってたんですよ。でも便利な力は危険な力にもなるんです」


偉そうに言ってますけど、私は戦争の片棒を担がされる所だったんですから。

チェルシーさん、おじさんのお説教は愛情の裏返しなんですよ…

だからクリスさんにいじめれたとか言わないで下さいね。


「イ・コージさんは開発をして失敗や後悔した事があるんですか?」


「私はデュクセンの生まれなんですけどね……もう2度とデュクセンには戻れないんですよ。あんな後悔は誰にも味わって欲しくないんです」


自分が造った道具が悪用されたり、人に追われて相手を殺めたり、そんな経験は誰にもして欲しくありません。


side リア


イ・コージ

元デュクセン魔法研究所の所員。

ゴブリン操作魔法を悪用される事を恐れ逃亡し、廃城に籠城。

またその時に追っ手を数人を殺害する。

その罪によりイ・コージは討伐され死刑囚となる。

私は最初イ・コージの助手を命じられた時に聞いた話と実際に会った時の印象の違いに戸惑った。

イ・コージ、いやイ・コージさんは愚直なまでに仕事をこなしていく。

まるで贖罪をするかの様に。

そして自分の健康を省みない。

私の心配も知らずに。


イ・コージさんは他人の不幸を極端に嫌う。

そして自分が幸せになる事も避けているみたいだ。


最初はイ・コージの魔法能力だけに興味があったから引き受けた助手の仕事。

私は能力だけじゃなくイ・コージさんの仕事に対する考え方にも興味ができて正式に助手に立候補した。

そして今は


「イ・コージさん。私の可愛い後輩をいじめたんですから、きちんと答えを出して下さいねー。でも徹夜は禁止ですからねー」


「リアさん、それじゃ間に合わないんですって。理論が完成したら、きちんと睡眠をとりますから」


年下の部下である私に徹夜仕事を禁じれて慌てふためくイ・コージさんと接している時間が楽しくて仕方がない。


「駄目ですー。理論が完成してもテストだ何だ徹夜するじゃないですかー。私が健康を考えて作ったお料理が意味ないじゃないですかー」


最近、貴方は部下なんだからとか、貴方の方が年下なんだからとか言えずに慌てふためくイ・コージさんが可愛く思える時がある。

前書きはリアに人殺しと分かっていて惹かれるのはおかしいんじゃないとか言われそうなので、盗賊や奴隷が普通にいる世界です

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