夜明けに咲く幻想 — 第7章
夜の川沿い、街の水路が異様にざわめいていた。水面に映る街灯は、波紋に揺られた光で乱れている。
「おかしい…水の流れが…」水丸が眉をひそめる。
「何かが起きてるの?」陽菜は不安げに尋ねる。
「うん…大きな妖怪が潜んでいる。街に被害が出る前に抑えないと」水丸の声は普段よりも鋭い。
狐太は軽く息を吐き、陽菜の肩を軽く叩く。「ほら、君も準備はできてるだろ?」
陽菜は頷き、手のひらに力を集める。街を守る覚悟が、胸の奥で確かに芽生えていた。
水丸はゆっくりと川に身を沈める。水の波紋が彼の周囲で光を帯び、妖怪たちを押し返すように広がる。
「みんな、後ろを任せたよ」
狐太は俊敏に影を飛び越え、陽菜を守りながら妖怪を攪乱する。「行くぞ!」
街路地に妖怪が現れる。黒い影が複数、建物の影から襲いかかる。
陽菜は迷わず光を放ち、影を追い詰める。小夜も姿を現し、淡い光で妖怪を浄化する。
「一緒なら、怖くない」陽菜の声に小夜は頷いた。
「ええ…あなたとなら」
水丸は川の水を自在に操り、影たちの進行を防ぐ。仲間三人の連携で、妖怪たちは徐々に後退した。
「やった…」陽菜の胸に達成感が満ちる。
狐太が笑みを浮かべ、「まだまだ序の口さ」と軽口を叩く。
水丸は水面に映る街灯を見上げ、静かに呟く。
「街を守るって、こういうことか…」
陽菜は夜空を見上げ、深く息を吸った。
「私…もっと強くなる。みんなと一緒に」
街の夜に、確かな絆と希望が生まれた。
恐怖や不安もあったが、仲間と共に戦うことで、夜は少しだけ優しく見えた。




