表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/12

夜明けに咲く幻想 — 第6章

夜の街。街灯の明かりが映る路地に、不意にざわめきが走った。建物の隙間から、影のような存在がうごめく。


「また…妖怪?」陽菜は息を呑む。


「そうみたいだね」狐太は手を組み、軽く足を踏み鳴らす。「でも大丈夫。君も動けるだろ?」


陽菜は深呼吸して、手のひらに力を込めた。心臓の鼓動が早まる。昨夜の小夜との経験、水丸との水辺の事件、狐太との出会い…。すべてが今、自分を突き動かす。


影がゆらりと動き、街路灯の光に反射して目が光った。小さな物音が連続し、建物の陰からいくつもの影が現れる。


「陽菜、後ろを気をつけて」狐太が声をかける。


「わ、わかった…!」陽菜は慎重に動く。感覚を研ぎ澄まし、夜の空気の揺れを感じ取る。手を伸ばすと、淡い光が指先からほのかに広がり、影たちが一瞬ひるんだ。


「よし、まずは冷静に」陽菜は心の中で自分に言い聞かせる。


水丸も水面から現れ、水の波紋で妖怪たちの動きを制御する。「慎重に…でも、急いで」


狐太は軽やかに飛び跳ね、陽菜を守りながら影に幻術をかける。「ここからは僕の番だ」


陽菜の光が少しずつ影を追い詰める。小さな力だが、確かに効果がある。仲間との連携で、街路地の影は静かに後退していった。


「できた…」陽菜は息を整える。胸が熱く、手のひらの力が少しずつ安定してきた。


「悪くないじゃないか、人間」狐太が笑い、水丸も微笑む。「少しずつ慣れてきたね」


街灯の明かりに照らされ、三人の影が長く伸びる。恐怖と緊張の中で、陽菜は初めて自分の力を制御できた喜びを感じていた。


「…私、もっと強くなる」陽菜の声は夜に溶け、街の闇に新しい希望の光を灯した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ