夜明けに咲く幻想 — 第12章
夜が明け始める。街の空が薄いオレンジに染まり、夜の闇はゆっくりと退いていった。
陽菜は仲間と共に、静かな街角に立つ。昨夜の戦いで街は少し傷ついたが、確かな光が残っていた。
「…やっと、夜が終わるんだね」陽菜の声は穏やかで、しかし力強かった。
小夜は笑みを浮かべ、淡い光を指先から放つ。「陽菜、あなたと一緒なら怖くなかった」
狐太は肩をすくめ、くすっと笑う。「ふふ、まさか人間がここまでやるとは思わなかったな」
水丸は川面を見つめ、静かに波紋を広げる。「街も、水も、少しだけ元気になった気がする」
陽菜は深呼吸し、仲間たちの顔を見渡した。涙が頬を伝うが、それは悲しみではなく、達成感と感謝の涙だった。
「私…守れたんだ」
「そうだよ、みんなで守った」小夜がそっと陽菜の手を握る。
街の空気は穏やかで、遠くから子どもたちの笑い声が聞こえてくる。
陽菜は目を細め、胸の奥に生まれた温かさを感じた。
「夜がどんなに長くても、私たちなら乗り越えられる」
「ええ、これからもずっと」狐太が微笑む。
「そして街も、私たちも…」水丸が頷く。
太陽が街を照らす瞬間、影と光が交わり、夜の終わりと新しい朝が訪れる。
陽菜は深く息を吸い、仲間と共に歩き出した。夜の幻想は終わりを告げたが、絆と勇気は永遠に輝き続ける。
街はまだ眠り、しかし確かに、希望の光が街角を照らしていた。




