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夜明けに咲く幻想 — 第11章

夜空が不気味に揺れる。街灯の光も波打ち、路地や川沿いの影がねじれるように動いた。陽菜は仲間のそばで立ち止まり、深呼吸をする。


「…ここが、境界なのか」水丸の声は低く、緊張に震えていた。


「この街と、妖怪の世界の境目…全部が不安定になってる」小夜は指先に光を集め、目を伏せる。


狐太は影を飛び回りながら、鋭い目で周囲を見渡す。「くそ…こいつら、これまでで一番手強い」


路地の奥から、巨大な黒い影が現れた。形を持たず、音もなく、街全体に圧迫感を放つ。陽菜の胸は高鳴り、恐怖が一気に襲う。


「…私、負けない!」陽菜は叫び、手のひらに光を宿す。

小夜、水丸、狐太も同時に力を集める。


影は形を変え、四人に襲いかかる。光と水、幻術と浄化の力が交錯し、街の空気は震える。


陽菜の中で、幼馴染を守れなかった過去と向き合う記憶が蘇る。しかし今は違う。仲間がいる。仲間と共に立ち向かう自分がいる。


「みんな…絶対に守る!」陽菜の光が一段と強くなり、影の圧力を押し返す。


狐太が影をかく乱し、水丸が水路から波紋を放つ。小夜が浄化の光で後方を守る。

四人の力が完全に重なった瞬間、影は形を崩し、夜空に溶けていった。


「…終わったのか?」水丸が息をつきながら呟く。


陽菜は胸の鼓動を感じながら、静かに頷く。

「…でも、これで終わりじゃない。街も私たちも、まだ続いていく」


揺れる世界の境界で、仲間と共に戦った経験は、陽菜の胸に深い確信を刻んだ。

「私たちなら、どんな夜でも乗り越えられる」


夜風に揺れる街灯の下で、四人の影が重なり合い、揺らぐ街を守る光となった。


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