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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
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忍者に魅イラレテ

作者: そして誰かいなくなった

「忍者のように気配を薄めたい」

毎年、初詣でそう願いつづけていた。


認めよう、私は中2病だったと、

大学生までそうだったと。


中学2年生の頃に、忍者とは出会った。映画館のスクリーンで。

いろんな飛び道具が出てきて、ド派手なアクションが見処なのだろうけど、私が気に入ったは、足音を殺し気配を薄め正面から敵を封殺するシーンだ。

余りにも、シュールでもしかしたらネタ枠だったのかもしれない。だけど、間違いなく圧倒された。


それから、私は足音を殺して歩く練習を始めた。

まずは太っていたので痩せるところからだった。ランニングからはじめ、中学を卒業する頃には一般まで体型を戻せた。

高校からようやく練習をはじめられた。

忍者の練習は誰にも見られてはいけない。余りにも挙動不審だったから。

大学生になったら、一人暮らしにもなったのでそれ以降は忍者グッズを買い、忍者同好会を作り、忍者の格好も練習もできるようになった。忍者仲間は、体術や飛び道具推しが多くて、気配を消すのに魅力を感じる人は余りにいなかった。


大学2年生も後半になった。

ここ最近、人に驚かれることが多くなった。

ようやく、高校から続けていた特訓の成果が出てきたのだろう。困ったのは、教授が出席を声で確認する際だ。返事をはっきりしているのだが必ず2回訪ねられることが多くなった。

そんな苦労もあったが努力が実って誇らしげな気持ちの方が大きかった。


新たな年がきた。その年は、猫年だった。

いつも通りの願い事をした。


新年を迎えて初めての授業日


なぜか誰も私のことに気づかないし、話しかけてもこない。自動ドアが反応しないこともあった。

そして、私が話しかけても誰も反応しないことに気づいた。


ふと、空腹を感じていないことに気づいた。尿意を感じていないことに気づいた。睡眠欲がないことが気づいた。


そして、身体の感覚がないことに気づいた。

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