【賢者編】サブストーリー〜性格診断テスト〜リーダーの素質 #2-2
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◆はじめに──シルより
これはサイドストーリー、お母様目線のお話よッ。基本的にメインストーリーだけで完結するようになっているから、興味があれば読みなさいッ。
大きな進展はしないけれど、科学的な用語や解説、面白い発見のようなものがメインよッ。だから、少しだけ科学リテラシーが必要になるわッ。
あとは、アナタたちの世界に重きが置かれているものだから、ちょっとだけリッカ目線よりも理解しやすいかもしれないわねッ。
でもまぁ、作品をコンプリートしたい人と、心理学などを学びたい人以外はやめておきなさいッ。お金と時間のムダよッ!
◆本編
(これは、夢か?
──あぁそうじゃ。これを楽しみにしてたのじゃ! ウォォオオオー、こんな伏線があったのか! ヤバいのぅ。誰じゃこんなけしからん作品を作ったのは! 最高じゃ。こんなハッピーエンドを観たかったんじゃ! No地鳴らしエンドとでも言うのかのー……)
と、近ごろでは“明晰夢”をトレーニングすれば見れるようになるのではないか? なんてゆう文献を漁ってしまった結果がこれじゃ[1, 2]。ある意味で二次創作である。が、これは夢。安心じゃ!
それにしても、昨日は夜遅く(6:00 am)まで進撃してしまったもんだから、そのままコタツで寝落ちしてしまった。至福じゃ。
──と、レム睡眠の愉悦に浸っていると、物音? 声? みたいなノイズで目が覚めた。……といえるほど覚醒できず、睡眠慣性が続く──。
「おはようございまーす」
やっぱり何か聞こえた……。仕方ないので、ゆっくり這い出て、目を無理やり見開く(推定0.5mmほど)。ぼんやりとシルエットが浮かび上がるような気がする。
まぁ、なんとなく察しがつく──。と、すごい勢いで頭に何か入ってきた! Gか! Gなのか‼︎
(お母様、おはよう)
頭の中に響く声。それは聞き慣れた相棒の声だと悟ったのは、もっと後のことだった。
「……お゛はよ゛ぉ、立花よ……」
と、あいさつするが、うまく声がでない。──これじゃあ、伝説の三忍、もしくは信じて止まない一般男性と呼ばれてしまうではないか。もちろん、白鳥を背負ってもいないし、そんなに人情に厚い方でもない。心外じゃ。
「早速なんですが賢者様、どうして私と同じ姓なんですか……?」
立花にとってはもっともな質問じゃな。……ただ、一回格好つけただけに、もう言いづらい。あそこまで演出を凝って、雄弁に大義名分を並べて言い放っただけに、心中穏やか、とはいかない。
なんだか、考えれば考えるほど、言い難くなってきた。──ァァァアアー、嫌じゃ嫌じゃ嫌じゃー! もう絶対言わないもんねー、と反芻のすえ決意を固める。を、やんわり表現することとする──。
「……ん。……少し待っておれ……。顔洗ってくる……」
ヤバい。目が冴えた! よし、大丈夫。うまくいってるはずじゃ。
──自然に、そう自然に手を机に突いて、いかん! 手汗が……。そうじゃ、あくまで自然に拭き取りながら、膝で立って、右足を前に……。そのまま立ち上がっ──るには脚を引きつけるのが自然か、前に揃えるのが自然か……イップス! そう叫びたかったが堪えた。危ないのじゃぁ。
歩き出せたはいいものの、右手と右足が一緒に出てしもうた……なぜか、頭の中でシルのアドバイスが聞こえるような気もするが、まずは息を整えよう。フゥ──。
洗面所のレバーハンドルをお湯にして、上に押し上げる。──ジャー、と音がして“水”が出る。少し待とう──。
温かくなったのを指の腹で確認したら、そのまま頭を突っ込む。ついでに顔も洗う。目を瞑っていたからわからなかったが、洗面器の中にシルがおった。
「お母様、ご機嫌よう。
お先に失礼しているわッ」
目が合うと、ビショビショになったシルがそう言ってきた。
「すまん、シル。そんなところにおったんじゃな」
「大丈夫よ。むしろお母様の聖水を浴びれるのは、ご褒美だものッ!」
こう、たまにシルは気持ち悪いことを言いよる。でも、ワシはこんなシルが好きだったりする。──当時は……のように回想に耽るのはババくさいのでやめた。
それにしても、シルの髪の毛は美しい。色はブロンドだが、少し白みがかっているのだ。ゆえに、水に濡れるとルカちゃん人形(宝町と宝物がメーカー名の由来らしい)のように輝くから、ついつい愛でてしまうわけじゃ。──よく昔は……と追憶してしまうのはババくさいのでやめた。
シルの服もビチョビチョになっているが、本人は「丁度、ウォッシュ加工したかったのよッ」と強がっていて可愛らしい。
一緒にタオルドライして、ドライヤーで乾かす。最近は内巻きがトレンドだとどこかのネットニュースで読んだため、ロールブラシを使ってブローしていく。本当はコテで巻きたいが、立花を待たせすぎもよくないなぁと思って、適度なところで切り上げる。
シルも一緒に乾かして、さぁ戻るかの──。
『お母様、リッカにはまだあのことを言わないつもりなのよね?』そうウィスパーボイスで訊かれる。
『うむ』とワシも小声で返す。
『そういえばリッカ、自分の性格が気になっているみたいだったわよッ』と、くすぐったい。
軽く頷いて、脳内で「GJ!」と叫ぶ──。
「お待たせしたのう。
──さて、ワシの姓の話だったか、おぬしはどう思っておるんじゃ?」
「え? ……んー、親戚とか?」
『当たらずと雖も遠からずねッ』
「当たらずと雖も遠からず、といったとこじゃな。まぁそんなもんじゃ。
それも含めて、おぬしの性格でも調べてみるとするかのう」
「……性格?」
「そうじゃ。性格はある程度遺伝するからのう。正確に遺伝率を求めるのはほとんど無理ゲーじゃが、おおまかに全体の50%は遺伝と考えていい。すなわち、ワシと性格が似ていれば、それは親族かどうかを顕すひとつの指標になるじゃろて」
「なるほど……」
「では早速、調べてみるかの。
シルもやるじゃろ?」
「やるわッ!」
といったシルは、ワシの内巻きから出てきよった。枝毛にでも引っかかっていたのかの?
でもま、シルのおかげでなんとか誤魔化せたじゃろうて。やっぱり、日頃の行いかのう! ムフフフフ──。
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参考文献
[1]Stumbrys, T., Erlacher, D., Schädlich, M., & Schredl, M. (2012). Induction of lucid dreams: A systematic review of evidence. Consciousness and cognition, 21(3), 1456-1475.
[2]Aspy, D. J. (2020). Findings from the international lucid dream induction study. Frontiers in Psychology, 11, 521520.