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第九話 ユータの洞窟と入り口の穴の理由


昔々のその世界


その世界は崩壊に瀕していた。

どこに逃げようとしても、世界の崩壊なので、逃げ場など無い。

だが、その男だけはどうにかしようとあがいていた。

異色の魔道士と呼ばれた男。

年齢もわからす、どこから来たのかもわからず、魔力の強さ、多さ、種類・属性なども全くわからず。

ただ、なんでもできるのではないか?できないことは無いのではないか?と噂されるくらいだった。



世界崩壊を真っ先に発見したのは、この男と唯一仲の良かった男。

各地のダンジョン異変を調査し、自然現象の異変を調査し、生態系の異変を調査し、その結果を異色の魔道士に持って帰る時に、ピンときた。というか、啓示を受けたように「世界の崩壊」という言葉が、それらの事象の総合にピッタリと当てはまった。

そのことを魔道士に言う。

魔道士は友人の持ってきた調査結果を精査し、、

「ああ、お前の言うまま、だな、、」と肯定した。


それから魔道士とその友人は検討し

「異世界に逃げる」

しかないと結論を出し

「では、どうやれば異世界に行けるか?どれだけの者たちを逃げさせられるか?」

を検討した。



勿論最初は崩壊の原因・理由を探ろうとした。原因がわかれば防ぐことは可能かもしれないという希望で。

しかし、

時間がない。

防げるかもしれない、という裏付けがまったくない想像だけで、その残された時間を使って良いのか?

では、異世界通路を作るための可能性と時間は?

を検討し、異世界へ逃げる通路もしくは方法を先にするほうが可能性が高いと判断した。



魔道士は、最も良い場所をダンジョンの中に探し出し、通路を作っていった。

その際に、彼、その頃には「世界の半分以上の魔力をも持つ、”底なし魔力”」と呼ばれはじめていた魔道士の魔力の大半を使い切った。今まで隠遁していたのが表に出た途端異名が付くくらいに魔力を使いまくったのだ。

彼は最後に、異世界とのゲートになる穴、を作った。



それが済んで、落ち着いたので、周囲を見る余裕ができた。

周囲は平和だった。平和になっていた。ダンジョンから大量の魔獣の脅威もなくなり、おかしくなった生態系も元通りになり、噴火や洪水や地震や津波などもなくなり、、、


魔道士とその友人は、真の原因を知った。

だが、生涯口にはしなかった。

そして、いざというときに備えて、その異世界への通路をそのままにしておいた。

彼らの死後、それを知る者はいない。


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