第二百二十一話 日本で 平和な一日
それから学校を出て、学校の駅付近で食事をする。
この駅は久しぶりだった。
学校に通っていた時はいつも駅の立ち食いが多かったけど、今日はめったによらなかった洋食屋に寄る。
自宅の駅前商店街の洋食屋も美味しい。けど、ここのはもっと、なんというか、雑?カレーに目玉焼きどん!とか、ウインナーどん!とか、ころっけどん!とか、のっけましたが何か?って。
学生相手が多いんだろう、値段が安め。うどん2杯くらいで食べられる。
スパゲティも、パスタは先に茹でて冷蔵庫にしまってあるのを使ってます!みたいな。具材は先にきってまぜてあるのをタッパーに入れてあって、それをひとつかみ入れてます!みたいな。
なので出てくるまでが早い!
値段と早さで勝負!みたいなお店。
こういうわかりやすいお店は生徒には好かれる。
ボクらの学校の生徒たちはカッコつけはほぼいない。スタバ行くくらいなら学校の食堂やコンビニコーヒーでいいのだ。旨くもないのに高いかね出すのが無駄に思える者達ばかりだった。
いろいろ堪能し、満足して店を出てから電車に乗って家の駅に向かう。
転位でもよかったが、久々に電車にのってみたかった。
「懐かしいな」ドーラ
「うん。なんか、ずっとむかしみたいに思える」ユータ
「だなぁ」
卒業してから、それだけ中身が濃い時間を過ごしたのだろう。
それまでも時間を倍にして使って、特に向こうの世界では濃い時間を過ごしたユータだったが、それさえも凌駕する濃密な時間を、卒業後今まで過ごしてきた。
駅に着いた。家とは逆側に出て、道場に向かう。
道場には練習生が来て自主練していた。
今、イチの道場には真面目な者達しかいない。
なので、真面目に練習しようとする者達にはとても良い環境になっている。
更に、魔石からのマソも悪影響がないとわかったので、大きめの魔石をいくつか道場の隅に埋め込んである。
気を回しながら訓練している訓練生には効果は出ているはずだ。
今来ているのは、ドーラとユータが来たときから居るのが2人。あとから入ってきたのが2人。先輩の2人があとの人に教えてあげていた。
ドーラは先輩の2名に稽古をつけてあげる。
それと、
「おまえら2人、よくなってきたんで今日から実戦訓練をはじめよう」ドーラ
実戦?×4
「ユータ、バリアよろしく」
「おっけー!」
と言い終わった時にはもう見学の2名から内側にバリアが張られた。見えないけどっつ!!
2人に気をまとわせることを教える。少々時間かかったが、さすが最初からいる者達。感覚でわかってきている。
突きや蹴りの素振りしてみても
「あー、なるほど、わかる・・・」
と、魔力が乗っかってるのがわかるようす。
「んじゃ、俺を蹴ってみ。全力で」ドーラ
少し怯んだが、1人が一歩前に出て、ぴょんと跳ねたと思ったら回し蹴りを・・
ずごっ!!
ドーラは腹で受け止めた。が、その両足は床からうごいていない。
蹴った本人は、かなりのエネルギーが乗った蹴りだとわかっていた。なので、ドーラはやられはしないが、受けるとぶっとぶくらいはすると思っていた。
「うん、すごくなってるな!」ドーラ
ジト目で見る蹴った本人。
「いや、エネルギーを吸収したから動かなかったんだって。お前らもそのうちできるようになるから!」ドーラ
物理エネルギーを気に変えて吸収したようだ。
爆破エネルギーを吸収してしまうようなもの。
なっとくいかなそうな2人を外に出して、ブロック5段を突かせた。
あっさり砕く2人。
納得言った顔。
だが、
あれ?、やっぱドーラはすごいんだな。と別件納得。
なかなか良くなったんで、ご褒美としてユータのストレージにあった魔獣を焼いてごちそうした。
でかいんで、外で捌いて、かまど作ってじっくり焼いた。
最初そのデカさと魔獣の見た目に驚いていたが、肉になって、焼いてうまそうな匂いがし始めたら、もう肉としか認識しないようだった。うまいからね!!
4人はうまいうまいと、さすが若い子。魔獣の4分の1程度を食べきってしまった。1人数キロ食べた?すごいね?どこに入るのか?は、しらない。
食べ終わって、皆と別れてドーラとユータは家に戻る。
父さん母さんが帰ってきていて、母さんが夕食を作ってくれていた。
ビーフシチューの匂いだ!
ドーラももうよだれを垂らしている。
うちのご飯はうまいのだ。
このユータの家の街、社会は
別に特に濃密というわけではない。
多分、毎日が繰り返しの日常なのだろう。
でも、
それが、
そういうここが、
ユータとドーラにとって
居るだけで癒しになっている
こういう幸せは、最も気づきにくい幸せなのだろう




