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第二百十八話 マッハとセレーネと 2


「ちーす!部屋あるー?」

宿に入って帳場で訊く。

「4人部屋ですか?部屋2つですか?」帳場に来た店員

「部屋2つ!一番いい部屋くれな!」ドーラ

「え?安いんでいいわよ」とセレーネ

でもドーラもユータも無視。


部屋を確保したので、そのまま一階食堂で晩飯。

給仕に、「ここで一番うまいものって何?」と訊き、その子豚の丸焼きを中心に、スープとか焼き飯とか炒めものとか揚げ物とか注文した。


が、食べていて致命的なことに気づいた。

バカ食いがいない。マッハとセレーネは食い気に関してなぜか品が良いのだ。


そして昔バカ食いしていたドーラとユータも、魔力安定したので、食うことは食うけど、食わなくっても1年ぐらい生きちゃいますよ?ってほどになっちゃってる。


魔力を食って生きられる程。勿論物理的に食べ物食べれば血肉になりエネルギーになるのでそれはそれで楽だ。

けど、マソ食っているほうが肉体的には楽。モノを食べるより肉体的負担が極端に少ない。なので、美味しいもの以外は興味で食べるとかだけだ。無理して食べる必要もない。ただ、雰囲気で食べることは多い。特に冒険者で移動中とかは、焚き火を起こし料理する、のが醍醐味。

つまり

ダンマスに近づいていってしまっている。ダンマスは「食事は趣味」で、その物理的存在のために食事は必要ないのだ。マソだけたまに補充すればいい。人間がジュースを飲んだり菓子を食べたりするのと・・いや、タバコを吸うのと似ている。全く必要ないのだが、嗜好で吸う。ダンマスにも食事など全く必要ないが、嗜好で食べるのみ。


ユータもそれに近づいており、なぜかドーラもそうなりつつある。


が、食おうとすれば食えないこともない。

なので、もったいないのでユータとドーラは食べきった。

ま、美味しかったからいいね!!


その後デザートで果物の切り身の盛り合わせを貰って食べていたら、みのさんが来た。


「おう!元気かー!」みの

「元気そうだなー!」ドーラ

「ひさしぶりですー」ユータ


「紹介する、こっちはダンジョン仲間のミノ。俺がダンジョンに居た時、最下層ボスやってた。一番強かったんじゃないかな?」ドーラ

「お前を除けばなー」ミノ

あっはっはっはっは!×2


うむそのツボがよくわからん?


「で、こっちがドラゴニアの仲間マッハと、同盟国の人魚王国の重鎮、国内唯一の商業施設の支配人であり、マッハの嫁さんだ。ちなみにマッハは地上のほうの支配人だ。」ドーラ


「へぇ?何やってるんだい?」ミノ

「宿です」セレーネ

「おう仲間だな!この宿はおれんとこなんだ!、おまえは?」

とマッハに訊く。

「俺のところも地上の宿です。」

「ほう、2人ともそれぞれ宿やってるんだ、仲間だなー!」

なんか、ミノにははまったようである。


で、マッハとセレーネが結婚したばかりだと聞き

「めでたいじゃないか!」

と、その晩は宿の食堂でミノが


「今晩は俺の奢りだ!この2人に祝福してくれいっ!!」ミノ

おーっ!!!!×全員

冒険者もいるし商人もいるし、ダンジョン側の街や中間の街に行って一旗揚げようと思ってるまだ何者でもない者も多くいる。

30人くらいが、とっかえひっかえマッハとセレーネのところに来てはお祝いを良い、マッハに酒を注いだ。セレーネには遠慮して少し注いだ。


基本、こっちの世界の善良な者達は、お祝い事は好きなのだ。それだけで幸せを感じられるだろう?見ず知らずのものだろうが、祝い事は祝い事なのだ、めでたいのだ。

今日祝われる側のマッハとセレーネは、もしいつか、祝う側になったら喜んで祝うだろう。今日のことを思い出して。



翌日は砦の中を少々見学してから領都になってる森の中の街に向かう。新街道の馬車に乗って。

太い街道の内側は速い馬車が通るようになっている。今はこの街道を通る駅馬車はみな高速用になっているのでばんばん飛ばす。道が良いから馬車は跳ねない。

馬車自体にブレーキが付いており、御者が操作する。急な飛び出しで馬たちが突然止まっても、馬車がウマにのしかかることはない。


マッハも驚いていた。

「街道も、馬車も、いつの間にこんなになっていたんだ?」

「私は知らないけど、これは新しいのね?」

「ああ、最新だろ。昔は街道もでこぼこで馬車も歩くよりは速いけど、セレーネ達がのんびり泳ぐより遅かったぞ」

「・・ほんとにのんびりだったのねぇ」


「ま、必要なところだけは少しずつ変わっていくよ」ドーラ

「必要なければ変えないでいいけどね。」ユータ

「必要無いのに変えるのはバカだろ」ドーラ

あっはっはっは!!×2 どっかの世界で心当たりがあるので大笑いな2人。


昼には領都に着いた。以前より掛かる時間が大幅に少なくなった。鈍行乗り継ぎと直通特急位の差、だろうか?


領都をぶらついて食事や茶をして、領都をあとにする。今度は空に登る。

かなり昇り、向こうに荒れ地が見えるくらいになった。

「逆をみてみ?」とドーラに言われ、2人が見ると海が見えた。


「海じゃない!行ってみたい!!」セレーネ。

さすが人魚である!!


海まで空を飛んでいく。



大洋に面する海。南の海ではない。なのでサンゴとかいない。砂浜は砂の浜。色は灰色。海は遠浅ではなく、少し先に海流が来ているので深くなっている。当然、人魚国の海よりもかなり冷たい。


「あ、れ?・・海?」セレーネ

「海だぞ」ドーラ

「これ、俺達のところと全然違いますね?」マッハ


「人魚国のところが特別なんだよ」ユータ

「そうだ。こういう海が世界の海の大半だぞ。氷の海とかもあるしな」ドーラ


うっひゃー!とマッハとセレーネは鳥肌をたてる。

人魚王国の島の裏側の外洋は、外洋でも温かい海だしリーフの手前なので穏やかなのだ。海流はそこそこあるけど。



入る?と目で訊く。

・・・うし、と決心したマッハ。


「んじゃボクも!・・・でもセレーネいるのでフルチンだめだからー、海パンにチェーンぢ!!じゅわっち!」

右手を高く掲げて魔法で着替えて海パンになるユータ。

ほれ、マッハも!と促すユータ。


「・・・かいぱんにーちぇーんじ」と小声で呟くマッハ。恥ずかしがると余計恥ずかしい感じになるよね?!!


一応準備体操してから

「れっつらごーん!!」だだだだだだ、ばしゃばしゃばしゃばしゃばしゃばしゃばしゃ

どばどばどばどばずぼん!!ぶくぶくぶくぶく・・・・


ほどなく、

ぶっふぁああーーーー!!

浮かび上がる2人。


「いきなり!!」

「うん、落とし穴みたいだね!!」


そうです、遠浅以外はだいたいこんなもん。いきなり深くなります、で、海流あるので流されます!海流が冷たいこと多いです。ふつーそのまま流されて冷たいんでしんじゃいます。気をつけるように!!


ユータとマッハは魔法で身体強化して難なく泳ぎ始める。冷たい海でも慣れ始め泳ぎ始められれば、どうにか保つものだ。強化しているしね!!

小一時間遊んで浜に戻ってきた2人。


「どうだった?」セレーネ

「つめってぇ!!しかも流れがきついわ!なんか悪意あるんじゃね?くらいに厳しい!!」マッハ

「だよねー、でも大半の海はこんなもんだよ」ユータ


「俺らんとこ、天国だな?」マッハ

「そうみたいね」

「セレーネも泳ぐ?」

「・・・やめとく」

「それが正解だとおもいます」マッハ


「今度は氷の海を見に行こうな!」ドーラ

「「・・・・」」マッハ、セレーネ

「だから、見に行くだけだって!!」

「あ、そうか。ならいいわ」

「うん、見るだけなら、まぁ」


「泳いでもいいよ?」ユータ

「・・行ってみて決める」マッハ、根性あるな?!!!


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