第二百十五話 チュータ達その後
ユータとドーラが遺跡の異世界で暴れた後、3ヶ月が過ぎた頃。
「あ、チュータ、どうしたろう?」
邸で朝食を食べている時にふと思い出したドーラ。
「ちゅうた・・・おいしそうなタコだったよね?」
記憶の仕方が困った方向なユータ
「まぁな、だめだぞ?仲間なんだからね?」
仲間じゃなきゃどーしていたのかドーラ?
「何の話?美味しそうね?」
ローラは厨房班にまじってるので、ここにいる。
美味しそうな話には目がないので混じってきた。
「ちげーよ、食ったらイケナイ方の話だよ」
「なんだつまらない。おかわりいる?」
「「うんおねがい!!」」
ドーラとユータはお茶碗を渡した。
朝からがっつり米の飯である。
朝食後、ドーラとユータは遺跡に転移した。
地下通路を通り抜け異世界に出て、チュータの村まで飛んでいく。
前回、この星が地球より小さいことがわかったので、安心して飛んでいける。他に文明もない様子なので安心してマッハ超えでも良いし。衝撃波で街を破壊とか無いからね!
マッハ5くらいで巡航したらすぐ着いてしまった、というか通り過ぎてしまった。
「ついでだから周囲を見ていこう」ドーラ
さすがである。
まぁ最初にあった街以外に人類はあまりいなさそうだったのでダイジョブだろうと思っていたドーラ。
この世界はマソがかなり薄いのでここいらにも魔獣も見えない。猛獣はかなりデカくて強いものはそこそこいる。美味いかどうかはわからない。
猛獣くらいならあの3人で行けるけど、一応強そうなのは狩っておく。
で、やはり人間の村どころか森に立ち入ってる形跡も見えなかった。
で、チュータの村に戻る。
畑には腰蓑達が働いているのが見える。
チュータとあの3人はどこなのだろう?と、ドーラはサーチしてみる。
「あ、チュータと3人、森に居るぜ?」
「狩り?」
「多分なー」
シュン!
転位で行ってみた。
上空に出て、どこに居るか見てみる。
すぐわかった。
チュータは自分で大きくなれていた。
ユータの世界のシロクマの倍くらいのデカイクマと闘っていた。
6本の足でクマを締め付けていた。クマ、てもあし・・前足も後ろ足も出ず!!
見ているとクマはそのうち口から泡を吹いて倒れた。
フルメタルアーマーの3人はすぐにクマを捌き始めた。
「やるなぁ!皆!」
ドータとユータは側に降りる。
「ちゅー!!」
「「「ちわっす!」」」
チュータ、ドーラを見て嬉しそうだ。
自分をこんなに強くしてくれたのがドーラだからだろう。
自分の師匠とか思ってるのかも知れない!
「そっか、ストレージを付けていなかったね」
と、3人の甲冑を見てユータが気づき、「ほい!」と、3人の甲冑にストレージ機能を付けてあげた。
「丼吉、甚平、神田の人、甲冑にストレージ機能つけたから、得物仕舞えるよ。腐らないから。あと、甲冑に持ち主認識機能付けるからね。他の人は着られないから」
よい、と、ユータはその機能を付けた。別に掛け声いらないけどね!
甲冑は魔石を原料に作られている。空気中のマソを集めて甲冑に取り込んで魔力を保存している。
「「「お?」」」
と、3人は認識機能を感じたようだ。
「丼吉、そのクマを、ストレージに入れ!って念じてみて」ユータ
「・・すとれーじにはいれっつ!!」
シュン!消えた。
「んじゃ、次は、ストレージから今の得物のクマ出てこい、ってやってみて」
「・・今のクマ、出てこいっつ!!」
シュン!
「「「・・・・おおおおおーーー!!!」」」
「これは・・便利なの?」
「多分、しまったまま持っていけるんじゃねーかな?」
「おう、なら便利だな、腐らないってたし・・」
変な語尾が無くなっている!良いことだ!!
ドーラはチュータとチューチュー話をしている。
「みな、どう?甲冑使えている?」
「はい、猛獣はだいたい一人でやっつけられます!」
「こう、パンチ食らわせて?」
「俺はこう、ぼこぼこぼこってやってえいやってケリ入れて」
「うんうん!いいね!あと、剣を使っても威力は出るからね!」
・・・・そーゆーのは先に言ってほしかった(3人)
でもそのおかげで徒手で闘えるように成ったのだからいいことだ!
剣、無かったし?
ドーラはチュータの魔石が少しだけ魔力が減っていたので補充してやった。
この世界のマソはまだ低いので、補充が間に合わないのだろう。
でもマソが薄いおかげで魔獣があまりいないのが救いだ。
魔法を使えず、剣もさほどうまくないこの世界の者達。魔獣を相手にするには厳しいだろう。
それから少しチュータ達の狩りに付き合った。ドーラとユータは見てただけだけど。
で、途中からユータは3人に剣をあげた。ストレージにはいっていた、どっかから拾ってきた剣だ。多分、以前どっかの奴等を成敗したときに、もったいないって仕舞っていたのだろう。拾いグセなのか、しまっちゃうオジさんっぽいからなのか?
3人は最初こそぎこちなかったが、そのうち剣を使えるように成ってきた。ユータが指導していたので。
で、狩りの効率もあがり、3人とチュータのストレージにそこそこの獲物が貯まったので、村に戻る。
ユータが皆を転移させた。
「いつもは空を飛んできてるので、やっぱ転位はらくですなー」丼吉
「ああ、ひとに運んでもらってるから余計な!」甚平
「楽過ぎるのも堕落しちゃうぜ?」神田
「神田、イイこと言うな」ドーラ。
「チュータは転移使えるけど、魔力消費激しいのであまり使わせたらいざと言う時に使えなくなるからな。あとあとのことまで考えて行動するのがいいな」ドーラ
「「「ういっす!」」」
「ちゅー!」
村は結構活気があった。
鍛冶場とか工房などでも作業しているらしく、気持ちの良い音が響いている。
焼き物や炭の窯の煙突からは煙が立ち上っている。
ザッパーンという音は、川に投網でも投げ入れたのか。
「皆分担して、うまくやってるようだな」ドーラ
「ええ、皆自分の得意なこと、できることを率先してやっています。自分のやってることの成果が見えるってのがいいですね!」
今までこいつらはどんなに頑張ってもその成果を盗まれてきていたのだ。だから余計今の生活が嬉しいのだろう。
村にはドーラとユータが作っていない大きめの建物があった。
「あれは?」
「あれは食堂です。皆で使えるようにデカイのを作りました」
「すげーな?大工もいたのか?」
「ええ、奴隷並でしたが、作業をやらされてましたからね!上の奴等はさぼってばかしだっだけど、その分俺らが仕事を全部覚えていって。」
ほうほう、んじゃ、今頃街の奴等、面白いだろうな?wwと、思うユータとドーラ。
あ、と、ユータはまた思い出した。
で、街の上空になんか気配?残骸?がまだあったので、魔法で消した。
別に確認する必要ないし、許す気もなかったし。
悪意は伝染する。悪意を持つ者を存在させてはけない。これはユータ達の世界を守る根底だ。
目の届く所では、それを徹底する。しなければならない。
食堂に案内された。食事をしましょう、と誘われたのだ。
この街の、というか、この世界の食事をまだしたことがなかったドーラとユータ。
期待はしないが、楽しみではあった。彼等が頑張って作ってる食事なのだから。
どんなのが出てくるのだろうか?
酢ダコとか出てきたらどうしよう?




