第二百十話 ゴーミ巡回? モーニン、マッポー
ゲスザンスから戻った翌朝、朝食を皆と同じ時間に食べていたドーラとユータ。
2人をチラチラ見ていく者が居る。
(なんだろう?)ドーラ
(ボクらが朝早く食べてるから?)ユータ
(ねぼすけってイメージあるのかな?)
(事実)
(・・・・)
「ねぇ、ドーラ、またなんか問題おきたの?」
厨房班の子が声を掛けてきた。
「何もないけど、なぜ?」ドーラ
「早起きしているからなんかあったのかな?って気になる人多いみたい」
・・・・・
「・・俺ら、ねぼすけって思われている?」ドーラ
「・・・というか、時間あまり関係ないでしょ?」
「「そーですね」」
(うまくフォローしてくれたねぇ、いい子だねぇ!)ユータ
(うむ、侮りがたし!)ドーラ
「今日はゴーミに新しく出来始めているギルドを見て回りにいくだけ。数が多いから早めに出ようっていうこと。」ユータ
「なんだ、そうなんだ。安心したよ。気をつけてね!」
「おう!」
「うん、ありがと!」
とりあえずお互い納得できたのでおk。
この程度の意思疎通でもしておくほうがいい。
なんか聞かれたら、取るに足りないことでも「知った」と「知らない」では全く違うのだ。
ーー
ゴーミ北方、西側。
やはり小さな村。だけど、バラック度合いがゲスザンスより見た目からしてマシ。
丸太小屋みたいになっている。頑丈なバラック?
ゲスザンスのは掘っ立て小屋程度のが多かった。
その中に土魔法で作ったらしき建物が1軒。
あれだな、とユータもドーラも思ったので、そこの前に転位。
扉には、ギルド支所、と書かれた板が打ってある。
ガチャ、からんからん!
「ちーす!」
・・・
誰も居ないね?
「こんにちはー」ユータが大きな声で呼んで見る。
「おーい!・・・やっほー!!」
シュン!
「やあ!ごめんごめん!」
と転位で現れた、中間の街でよく見た冒険者。ジョニーと仲の良い、、、むにー?まにー?
「・・・・モーニンだ。いいけど、まにーだけはいやかな?」
「ごめんね?名前覚えるの苦手で」ユータ
うん、ユータは変なことは覚えてるけど、フツーのこと覚えるの苦手だよな?
(ユータ、ねえもーにんこっちむいてっはずかしがらーなーいでぇー、って覚えりゃ良いんだよ)ドーラ
(・・・あああ!あのカバの妖怪のやつ!)ユータ
・・酷すぎだよな?
「聞いている。見回ってくれてるんだって?」モーニン
「おう?もう知ってるんだ?」
「昨晩念話で回覧板?」
・・まぁ、なんとなく判るからいいけど。
「そっか連絡取り合ってるんだ」ドーラ
「・・・つーか、いつもは雑談?一人で作業してても暇だしさー」
なるほど・・・?
「んじゃ、行き来とかも?」
「おう、さっきは皆と朝飯食ってた。」
・・・・俺ら巡回意味ネーナ?
「あれだね、能力を使いこなしているよね!」ユータ
「ああ、ユータの世界でスマホ使いこなしているねーちゃん達みたいだな?」ドーラ
「・・・あれ、スマホのほんの一部だけだよ?他は何も知らない子ばかりだよ?」
そーなの?
先進国と呼ばれる国で、PC使えない子が一番多いのが日本だったかな?スマホ、タブレットの普及しすぎの結果。ホントは全く違うモノと言って良いのだけど、使ってみないとわからないしね!
ユータはパソコン派?。ドーラもスマホは面倒くさいと、ユータのパソコンを使う。
「それ、皆?それとも一部の者達だけ?集まるのって。」ドーラ
「ああ、中にはまだ転位が旨くない者もいる。飛んでの移動だと朝晩集まるのはちょっとな。だから、安全確認兼ねて10日置きに集まることにした。」
「そだねー、そのくらいがちょうどいいよね、鬱憤貯まって吐き出すんでしょ?で、飲んで発散してまた頑張るって。」ユ
「どこの社畜の集団?」ド
「・・・え?うちの国、ブラック?」ユ
「ちげーよ・・と、思いたい?」ド
モーニン、さっきから何言っているんだろう?って目で2人を見ている。
「あー、、あれだ、できるだけ早く複数人体勢にして、かわりばんこに休んで島にでも篭ってくれ」ドーラ
篭もる?何しに?とイマイチ理解できないけど、休めってことだよな?と思ったモーニン
「ああ、皆にも言っておく。そうだよな。こっち来てわかったけど、こっちの者達のペースに入ると・・なんか精神的にアレに傾く?」
「汚染されそうなんでしょ?」ユータ
さすがそういう世界から来た少年である!(今はもう見た目青年期突入w)
「ああ、そうか、精神汚染か、、精神異常耐性を常に掛けとかないと危険だな。それも皆に注意しておく。」
「そうだね。で、休暇を多めにしてドラゴニアに戻れば、その時に自分がどのくらい汚染されているかわかるから、休暇中に戻せるよ?」
「なるほど、休暇は大切なんだなぁ」
(タイピスト注:若い頃(30代〜)は休みをとっては海外に行って精神補正していましたw航空券安かったし)
で、ドーラは地図を広げ、一応モーニンに確認とった。
で、曖昧な所が3箇所あったので、そこだけ見回ることにした。
「んじゃまたね!」ユータ
「ありがとなー!」ドーラ
シュン!
最初の所。上空。
小さめの街になっている。
海の近く。森はない。
「あれか、海のダンジョンの魔獣を狩る冒険者向けなのかな?」ドーラ
ユータがサーチすると、たしかに海に魔獣の気配がある。
「あまり狩っちゃうと、海からゴンザールに入ることできちゃうんじゃない?」
「そうだなー、そこんとこも話しておこう。」
シュン!
街に見えた最も新しく立派な5階建て。
多分これだろうと思って下りたら、そうだった。扉にはドラゴニア・ゴンザール冒険者ギルドナンターラ支部と書いてある。
「ナンターラの街ですか」ユータ
「ゴーミらしくていいな?」
がちゃ、きぃー、じゃらんじゃらんじゃらん!!
・・・おもわず拝んじゃいそうな音ですか?(ユータ)
神社からかっぱらってきたのかよ?みたいな?(ドーラ)
「あー、お二人、来てくれたんですか。聞いてます。」
と、釣竿を抱えて外に出ようとしていた冒険者。彼も中間の街に居た。
「うん、いまいち確証ないってんで一応。」
「ああ、街の名前だろうなぁ、、ココ以外に、カンダーラ、ソんダーラ、ゴンダワーラとかあるんでねー」
(重い〜ごんだわら?試練のみーちーをー?)ドーラ
(いつの時代のっ!!!)ユータ
ここじゃなんだから、と、その冒険者マッポーに促されて磯に。
コンクリ?みたいに固められた磯の一部。
「これ、釣り用に作ったんですよ。いいでしょ!」
「・・・・釣り三昧?」ユータ
「そうですねぇ、、朝晩事務所で、その間はここですねぇ」
「昼間って、釣れないんじゃないの?」
「あー、ここはそんなでもないかな?難しい方が楽しいしね!」
さすがベテラン冒険者!?
竿をセットしてから、お茶セットを出して用意してお茶を淹れてくれた。茶菓子も、
「これダンジョン側の街で買ってきてるんですよ。無くなったらすぐ補充に行って。」
ここにも使いこなし派が!!
地図を出して、モーニンが確証無かった箇所をマッポーに確認してもらった。
皆連絡とれているという。
他の2箇所も海側だそうだ。名前も似ている街と村。
魔獣狩りすぎ注意だけお願いした。一応、休暇のことも言っておいた。
「あまり街の者と接触無いんで、今のところはダイジョぬでしょうけど、定期的に休んで戻ることにします」
とのこと。返事の中に少しだけ不安要素が・・・。
夕方、釣果の刺し身をごちそうになって、ドーラとユータはドラゴニアに飛行で戻った。
夜景を見ながらのんびり高速でw飛ぶ。会話しながら。
「すごいね?皆ちゃんと連携とっていたんだねぇ!」
「おう、、安心だなー。」
そう、ドーラやユータの仕事が無くなっていくことは、皆がその分できるようになっているということ。
ドーラはようやく先が見えるように成ってきたかな?とはじめて思った。




