第二百六話 ギルド支部訪問
ドーラとユータは当然近場から回っていこうとした。
高空で地図の複製を見て、
「ドーラ、遠くからにしない?」ユータ
「いいけど、なぜ?」ドーラ
「普通の冒険者だとそこまで行くの大変だよね?」
「わかった。んじゃ一番行くの面倒くさそうなところからにしよう!」
「おー!」
少々地図を検討。
ゲスザンスとゴーミの間くらいの北の山脈の麓の小さな村にきめた。
「なぜこんな小さなところに?」
「魔獣がでるんだろ?」
「なるほど!」
転位で現地上空に出る。
「まじちっちゃい村だな?」ドーラ
「家が数えられるよ?」ユータ
「23軒あるが、牛小屋とかもあるかもしれないから、も少し少ないだろうな」
なるほど。
村の真ん中を通る唯一の通りに降りる。
「あれま?飛んで来なさるとはさては天狗様だな?」通行人老婆。
「いや、ドラゴン様だ」ドーラ
「あひゃー、生きてるうちに人に化けたドラゴン様を拝めるとは!ありがたやありがたや!!」
しゃがんで拝み始めた老婆。
「ばーさん、何しとんね?」似たようによぼよぼ爺様が現れた。
「何突っ立っとるんじゃい罰当たりめ!!しゃがんで拝みんしゃい!」
どこの人なんだろう?
「いやいや、そこな老人達。俺はどこにでも居るようなボス級ドラゴンだ。そこまで崇拝しないでいいぞ?」
「ひゃあああ!ボス級とな!!ここらを飛んでるドラゴンじゃ100匹寄っても太刀打ち出来ないくらいじゃ!なんとまあ!ほんにありがたやありがたや!!」
「ほうほう、そこまでありがたいお方とな?んじゃわしも拝むしかあるまい。ありがたいありがたい!!」
「お?大ジイさんや、どうした?」
「おう、中ジイさん、ショウジイさん、ちょうどよい、拝んでいきなされ。わし達は幸運じゃ、死ぬ前に拝めるのだからのう!じつはな・・・これこれこう、というわけじゃ」
「ほう、ありがたいありがたい!」
「わしもじゃ。ありがたやありがたや!」
わしも。
わしもじゃ。
とどんどん増えてきた。
「あー、何?ここって老人村なの?」ユータ
「あ?おぬしは?ドラ神様の御子様かい?」
ドーラ、神様になったね!
「うん、そんなとこかな!御子と言うよりは男なので御太郎ってとこかな?」
「ほう、そりゃありがたいありがたい!」
「ありがたやありがたや!」
「ありがたいありがたい!」
「ありがたやありがたや!」
「ありがたいありがたい!」
「ありがたやありがたや!」
「ありがたいありがたい!」
「・・・・ドーラさんとユータさん?何してんすか?」ドラゴニアの冒険者ムッチ
「おう!元気そうだな?ここって老人村なの?」
「んなわけないでしょ?一家に2人くらいの老人、どこの家にでもいるっしょ?」
そうなの?
「知らないー、うちはいないし。いなかに行けば老人多いんじゃない?」ユータ
「ここはいなかだしな」
「そゆんと違うと思います。ほら、ムータン?あの者達も一家に2名位老人装備しているでしょ?」
装備?
「まぁそうだな。そういうことか」ドーラ
そういう言い回しだとドーラが理解しやすいのかな?
「いつもだと畑を手伝ってるんですけど、最近雨が多かったのでぬかるんでるんで、危ないんで畑に出ないんですよ。若い人は皆畑に出てますんで、老人が目立つだけです」
なるほど!
「ときに、ムッチも一人だけなの?」
「ええ、だいたい小さいとこは一人だけですね。そのうち増えるんじゃないですか?」
「どうやって?」
「冒険者が来て繁盛すれば、良さげな冒険者を雇って?」
定番だな!
「なんか困ってると事とか無い?」
「あー、資金が不足ですねー。まだ冒険者居ないからいいっすけど、買い取り資金があまりというか無くって。」
「え?支給されないの?」
「ギルド用の家買ったら終わっちゃいました。」
なんか少なすぎない?
「大金貨でいいか?」
「どーやって両替するんですか!このどいなかで!よかったら銀貨1000枚くらいいただけたらありがたいです。」
んじゃ、ユータ、銀貨何枚ある?え?千枚あるの?・・ありがと。
ムッチはユータから銀貨の入った袋を渡された。
ムッチにギルドの家に案内された。
「うん、家!!」
「まるっきり家!!」
「そーっす。ここには家しか無いですからねー。いんです家で」
ユータとドーラを家に招き入れて茶と茶菓子(干し肉、干し果物)を出してくれた。
話を聞くと、近くの森に、たまーにクマとかの猛獣がでるそうな。
そのためにギルドだという。
「治安だけなんですよ。冒険者来ても、ここの森だと、せいぜい10名くらいしか養えないでしょう」ムッチ
「はぁ、、まじ、村っつ!!なんだなぁ・・」
「ですねー。他の村や街にも遠いし」
店は雑貨屋しかないらしい。飯は自分でするしかないと。
何気に結構すごいよね?




