第二百一話 触りまくり禁止!!
東の方に飛んでる最中
「ドーラ、さっきの連中、なんもおかしいそぶりじゃなかったよね?姿がアレなだけで」
「おう、でも一昨日?見た時は鉱山内だったかな?鉱山奴隷にでもされたかな?とか思ってなー」
「素材取りに行ってたんだねー」
「だなー」
お?
飛んでる方向の先に煙。山火事っぽい。
ヤマカジ、それは山に住んいる者達のカジュアルファッションである。嘘です。
などとユータが思っていると、
「あれ、ドラゴンのブレスな」
さすがドーラ、ドラゴンのこt・・・
「ドラゴンいるんね?」ユータ
「おう、ちっこいな」
そりゃドーラに比べりゃ。
「大きく成れるのかも?」
「ないんじゃね?魔力多くないみたいだぞ」
あ、ほんとだ・・
ちょっと目を凝らさないと魔力見えない。ダンマスほどになると意識しなくともみえちゃうんだろうけど・・
ひゅーん!とボクラはそのドラのところに飛んでいく。
(おーい!何怒ってんだよー)ドーラが念話でそのドラゴンに話しかける。ドラ語?なんかわかるけど?ボクの言語能力なのかな?
あんぎゃーー!!!
(おーい、少し落ち着けー!!)
あんぎゃーーーーー!!!
シュン!
どっこん!!
ずずーーん!
・・・・・
ドーラ?
「少し落ち着かせた」ドーラ
後ろに回ってアタマに蹴り入れて気絶させるのを落ち着かせると言いませんけど?
「まぁ、結果オーライ?」
・・・
ドラゴンから逃げ回っていた4人。目的のムータンの者達だった。
偶然だね?いや!お約束だっつ!!!
「おめーら、何したんだ?」
ボクらは彼等のとこに降りていった。
「ドーラさんとユータンさん、ありがとうございましたー!助かったー!!!まじやばかったですー、シクシクシクシク!!」
「いや演技はいいから。何やったんだ?とっとと白状しなさい」
「寝ているドラゴンがきれいだったから触ってみたら動かないし、登ってみても起きないんでいいかなーってのぼって触りまくってたら、襟首にすっごくきれいな鱗があったので、なでまくったらいきなり!!」
「な!いきなり起きて!」
「おう、いきなり怒り出したんです!」
「怖かった。触ってただけですよ?なでただけだし・・」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・ばか?」」
へ?
「逆鱗ってのがあってだな、」
「「「「おう!あれがっ!!」」」」
「知ってるの?」
「そりゃーなー?」と4人。
「・・・気づかなかったの?」ユータ
「言われるまで忘れてました」リーダーっぽい奴
こくこく頷く他3人。
「まー、そんなもんか」
「そうなの?」
「いや俺らはわかるだろうけど。この世界にずっと居ればわかるだろうけど」
「ああ、日常的にそういうのじゃなかったからね」
「まぁな、いきなりお話の世界での生活!みたいなもんだからなー」
「仕方がないね!」
「でもな、その仕方がないね!で死ぬんだぞ?わかってんのかおまえら?」
「「「「ういーっす、今回よーくわかりましたー」」」」
・・・・・
「・・・・・もふってないよね?」ユータ
へ?
「相手の許可なしに、モフ☆モフな獣人をモフ☆モフしたりしていないよね?」
・・・・・・・・・・・・・汗を滝のように流す4人
「怒らないから正直にいいなさい?」ニコッとしてこめかみに青筋たててドーラが訊く。
「まじ?怒らない?」
「おう、とっとと言え」
「・・前の街で、思わずねこ獣人を皆でモフりまくったら、衛兵に追われて逃げてきました・・・」
てめえら・・・・
「・・・・やたらめったら触りまくるんじゃんーよ・・・」
ういっす・・・×4
ちょっとまて、全部処理してやるから。
と、ドーラはドラゴンに回復掛けて起こして、
「こいつらが逆鱗触って悪かった。もうさせないんで許してやってくれ。」と、ドーラが頼んだ。
ドラゴンはさすがにドーラの言うことはわかった。というか、あれだ、、まぁそういうことで。
ドラゴンはコクコク頷くと、すぐにすんごい速度で飛んで行ってしまった。
「かわいそうに・・」ユータ。ドラゴンの恐怖感が手に取るようにわかった。極悪非道なドーラ?
「ちげーよ、俺は別に威圧とかしてねーよ?」
うん、抑えてもいなかったけどね?
で、それからボクらはその4人を連れて件の街に跳んだ。
衛兵の詰め所に行く。
「おーい、隊長いるかー?」ドーラ
「誰?」兵隊
「ドラゴニアのドーラだ。知らん者いたらこの世界のモグリだよな?」
なぜかここでも言葉で威圧かますドーラ。もうチンピラ並?
何かわらないけど、と思いつつも隊長を呼びに外に行く兵士。
ほどなく他の詰め所か本部から来たのであろう隊長。汗流してぜーぜー言っている。
「ぜーぜーぜー、、来るんんなら先に念話とかくださいよ、、うえっ!ぜーぜー、、ちょ、まって、ぜーぜー」
ドーラは兵隊に「水もってこい」って言い、持ってこさせて隊長に飲ませる。
そのうち落ち着く隊長。
「おまえ、会った事、ないよな?」ドーラ
「ええ、でも通達来てますから隊長連中なら皆知ってますよ?」
ミカロユス、できることはちゃんとやってるんだなー。と感心するドーラ。
「で、こいつら、数日前かなんかに街のねこ人をモフりまくって逃げた奴等だ」
「え?そんなことあったのか?」隊長、兵士に訊く。
「ええ、ありました。4人組の冒険者が街を歩いていたねこ人をいきなり押し倒してモフりまくって、衛兵が駆けつけるとそのまま逃げていったそうです。」
・・・・・・・・・・・・・
「「「「ごめんなさーい!もうしませーん!!」」」」
「こいつら、異世界から来たんだ。異世界人の中でもかなりアホウな連中なんで、俺からよく言い聞かせておく。なので今回はどうにか許してやってくれないか?」
「まぁ、、。その被害者は何か言っていたか?」と兵士に訊く隊長。
「いえ、別に。おっさんねこ人だったので気にしていなかった様子です」
「あのふさふさもふもふの美しい毛並みがおっさん???!!」
そんな美しかったの?ねこ人ってわからないね!(ユータ)
おう、想像もつかねぇ・・・(ドーラ)
ムータン人4人は少なからずショックを受けたようだ。
別にメスだと決めつけていたわけではない。わけではないが!!・・おっさんは無いよな?と。
もしばあさんねこでもここまでのショックはなかったろう。
”おっさん”という単語の破壊力のものすごさを垣間見た気がしたユータとドーラである。
4人は許された。
で、立ちっぱなしもなんだし、せっかく知らない街に来たんだし、
と、ユータとドーラは「うまいケーキ屋とか、ある?」って隊長に訊いてそこに来ていた。
4人にも注文させ、皆で美味しいものを堪能。
食べ終わり落ち着いた。
「さて。おまえら、よく生きているよな?」ドーラ
は?
「不用心過ぎる。よく今まで死ななかったものだ。きのこの中にでさえ、触っただけで死ぬようなきのこもあるんだ。アリンコだってハチだってムカデだってそういうのはいる(全部ユータの世界のものだけどw)。お前ら、今までとてもラッキーだったな?」
「「「「・・・・・・・・・・」」」」
「うん、森の中にだって亜空間の穴とかあって落ちたりしたらもうでてこれないし?」ユータ
そんなもの発見されたこと無いけど。
「コドモドラゴンが可愛いからってなでてたら親ドラが来て食われちゃったとかもよく聞く」ドーラ
めったにそんなアホウ居ないが、子ドラを誘拐しようとすると大半は失敗して食われる。
「冒険者、やめよーかなー」ポツリと言い出す奴
「まぁおまえら不用心過ぎるから、最も地道な農業がいんじゃないかな?」
農業は自分の体に時間を掛けていろいろなものを叩き込んでいく。行き当たりばったりとかが最も効かない仕事。
漁業も林業もアブなさそうだし、魔法を使う仕事なんかさせられないし、商売も旨く行く可能性も低そうだし。最も(厳しいけど)地道なのが安全そうだと思えた。
「どうする?すぐに帰るなら送っていく。それとも自分達で帰るか?南に向かっていけばドラゴニアに着く」
4人は相談した。
「自分達で戻ります。できるだけ慎重になって、ゆっくり物見ながら戻ります」
「そうか、気をつけろよ?衝動で動きそうになったときが最も危ない。動く前に一瞬停止して、ほんとにいいのか?なぜいいのか?と自分に問え。ちゃんとした理屈が在る場合のみ、動け」
「わかりました。死なないようにがんばります。」
「「「ますー」」」
カネやら装備やらの持ち物を確認し、ポーションが少なそうだったので補充してやった。
それから別れ、ユータとドーラは次のマークのある街に跳んだ。




