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第百九十一話 旅人たち 2


** ありがとうございました! 猫、おかげさまで元気になりました! ケミカルの被害なので長期で見ていかねばなりませんが、山を超えたので一応安心だとのこと。 今日は糞尿、いつものように!食事もいつもよりよくなって!! ありがとうございました!! **



翌日。宿を引き払う。

外に出てから周辺のサーチをしてみた。

ヤニス達のグループが居た宿や、周辺には他のムータングループは見えなかった。

まさかダンジョンには入っていないだろうし。ムータン人達だけで入るのは禁止してある。


「なんか領都(南東領)の方に居る気配がする。」ドーラ

「え?領都?なんで?」ユータ

領都から狩場は遠い。


「休んでるんじゃないか?行ってみよ」

「うん。」


転位で跳ぶ。

シュン!


裏道に出たのだが、幾分人通りがあった。びっくりした者も居た。気にしないドーラとユータ。


「えーと、」

「あ。いた。あっち」

と、ユータが先導する。


・・・・・ここ?

うん。


鍛冶屋さんです。


中に入ってみた。

ムータン人が居たので話を訊いた。

自分は元鍛冶屋だった。ここの鍛冶場を見た時にやりたくなった。打たしてもらったら親父と意気投合した。

なのでそれからここで働いている。とのこと。

なんかなぁ?と少し気になったので、街をうろついて夜になったらまた行ってみた。


弟子が出てきた。

「コタラさん?親方と一緒に飲みに行きました」

店の場所を訊くと、確かではないけど多分・・ということで3軒ほど聞いた。


2軒めにいた。おねーちゃんがいっぱい居るお店。これに引っかかって鍛冶屋に入ったってのが真相??真犯人は鍛冶屋のオヤジか・・・。

「よう!このために鍛冶屋に入ったのかー」ドーラ、ムータン人のコタラの横にいるオネーちゃんとコタラの間に座る。


「おまえ、嫁さんいたろ?」

「え?いないっすよ、俺まだ独身ですよ」

チェクしても嘘付いていない。あれ?


「あ、そう、、悪かったな。んじゃいいや。あと、他の連中はどうしたんだ?」

「え?別れましたよ。俺はココに残るって。もう一ヶ月も経つんで、かなり進んでるんじゃないスカね?」



その後、面倒くさいんでドーラは北西王国上空に昇り、全国のムータン人をサーチし、大体どこらへんにいるのかをチェックした。


南東領領都付近の者達から見ていく。近いんで、

今まで会った者達のマーカーは緑にしておいた。まだのは黄色。緑は名前も入れておく。

ドーラの魔法はなぜかどんどん進化していっている。

と思っているユータだが、ユータの魔法も少しづつ進化しているのだが、自分のことだから気づかないユータ。



南東領領都から東に行くと小さな街があり、そこでムータン冒険者達はきこりをやっていた。

一人を捕まえて訊いてみる。


「え?だって俺もともと木こりだぜ。この街に入るときに木を切ってるのを見て懐かしくてみてたら、なんか違うんだよな。で、切らせてもらったら・・まぁ難しのなんのって。ここの木は特にこういう傾向強いらしいが、なんかこっちの世界のは大体似たようなもんらしいんだ。


だから、こっちのベテランに教えてもらいながら1年ほどここで仕事してみるわ。嫁と母さんと子供に伝えておいてくれないか?元気で木こりやってる、1年後くらいに帰るかも、ってさ!」


そこにいた2パーティ9人から、皆似たような伝言を受けたドーラ。


その街に入って食堂に寄って、食事しながら少々休憩。

飯は旨くなっている。

こっちではクズ領主どもと王族が一掃されたが、何よりそのクズに寄生していた多くのクズが消されたのが大きかった。


大衆が被害に遭うのは、そういいった末端のクズ達の仕業によってだ。

もし従う手下が少なければ、王だろうと領主だろうと悪さをほとんどできなくなる。


だから人々は初めて自分たちへの抑圧を逃れて自由になった。

新しい国王は抑圧をしないし規制もしない。というより領主などが規制をしたら、それが本当に必要なのかどうかを確認し、必要ない場合は撤回させている。

物価は低く抑えられ、税も最低限、10%ほど。他ではそれさえも無い領地もある。


だから、商売にもやる気がでて良いものを安く作ろうとする。高けりゃ良くてあたりまえ、安くてよいものを出せたら、それは人気になる。そういうやりがいを持つことが、初めてできるようになった。だから皆仕事も楽しくできるのだ。

農地もそう。良い魔法使いが増え始め、土地の汚れを浄化して生命力あふれる土地にしてもらったり、魔法使いは知識も多いので、より良い腐葉土などの作り方を教わったり。


更に冒険者の人間としての質の向上、技力の向上による街の周辺域の安全性の向上。同時にその狩りの肉が街に出回る。


このように、クズが一掃されたおかげで、くすぶっていた者達が開花できたのが現在だ。


あの樵達も、森の木を伐採する権利を大金出して買わずに済んでいる。以前は赤字寸前の大金をぼったくられていた。しかも納入先は領主の配下の業者のみに限定されていた。


そして、今の者達は貧乏を嫌と言うほど経験していた。だからいくら余裕が出来たと言えども無駄は出さない。

物価を低く抑える為に、これは重要なことであった。



ユータとドーラは食事しながらそのようなことを話し合っていた。

半分はダンマスの受け売りだが、実際に現地でその様子を見ると、納得できる2人だった。


「もしかしたら、他の多くのムータン人旅行者達も・・」ユータ

「かもなー。」

「全部寄ってたら1年位かかりそうだね。」

数万人はいるはずだ。10万人いたとして5人パーティだとして2万組み。今日これまで見たのは3組みと1人。昨日は1組み。


あれ?このペースだと1−2万日くらいかかるか?=〜7年w


「仕方がない、上空から遠目と聞き耳を使って、問題なさそうなのはそれだけでOKとしよう」

「うん、そうだよね!」



その日は上空5千メートルに上がり、遠目に入る範囲内で2千近くを確認。

殆どは今までの2組み同様、冒険者や現地に混じって狩りや仕事をしている様子だったり。

「何やっているのかな?」というのが数組いたので、そのパーティにマークを付けた。


日も落ちてきたので、マークした1組みがいる街に降りて宿屋を取った。


「まず、風呂だ。そして、食事だ!」

「おー!!」


初めての街や村ではそれが楽しみだった。

ユータやドーラにも、これは仕事であるけど旅でもあった。


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