第百七十八話 人魚王国島に保養所を作り始めてみる2 (マッハ達)
翌日。
ニヤが監視班のリーダー、マキシーを連れてきた。勉強熱心で、監視班の建物などいろいろ改造したり増築したりしているらしい。高山の吹き晒しという場所が場所なので、永続強化魔法は必須だったのだろう。
「魔法陣書いとけば安心だと思う」マキシー
魔法陣を勉強している者はほとんど居ない。ドラゴニアの子たちは魔力が高いので、大概自分で発動させた魔法で済むのだ。だが、永続性が確実だかどうだか、というのはやってみないとわからない部分がある。
その点、この程度の陣だと、マソがある限り確実だ。勿論この世界、この島にもマソは豊富だ。
「んじゃ済まないが頼む。」
マッハがマキシーに頼むと、マキシーは建物の中に入って床に陣を書き始めた。
皆で見てしまう。
「あ、マキシー、床だと皆が歩くんで踏んで消えないの?」
「平気、発動したら消えるから。」
うん、全くわからんが、平気だというのだからいんだろう、、
「俺、セレーネがこっちに来れるように水路作ってくるわ、、」
と皆に言って外に出る。
宿側の水路の終点を決め、少し広めに掘る、小さな池程度。勿論魔法で。で、周囲を固め、、、
宿側の縁の一部を低くして、、森から腕くらいの木を2本くらい呼び寄せ、皮とはぎ枝を落とし、人一人分の長さくらいにした。それを低くしたところに並べて、両側の隙間を石で埋めて動かないように。浜の筏の代わりみたいなものにした。人工芝はあとでドーラかユータに貰って来るつもりだ。で、ちゃぶ台くらいのテーブルを置くつもり。
その奥側に同じくらいの幅で売店を作った。だから筏のかなりより小さい。
転位扉を作ってくれるんだ、ここに売店作っても大丈夫だろう。
そこから人魚4人幅くらいのさほど広くもない水路を魔法で掘っていく。深さは立った俺の頭が沈むくらいまで。人魚が泳ぐときは深い方が良いらしい。
浜に着くとセレーネが待っていた。
「ココ!ココ!ココだからじいちゃん!」
とセレーネが喚いているけど、何言ってるんだろう?
ココココ詐欺?よくわからんが、そんな言葉が脳をよぎる。なぜかは知らない。
「セレーネ動かないでね!」
「わかったわー!」
一気に海まで掘り進む!
ずがどどどどどどどどー!!
ざっぱーーん!!
土が海にぶちこまれ、次の瞬間海が水路に押し寄せる。その小波に乗ってセレーネが流されてくる。
「細くて質素だけど、深さがあって、まぁなかなかよさそうね!」
「必要になったら広げてやる。」
「ありがと!」
セレーネと並んで宿に向かう。勿論セレーネは水路でマッハはそのほとりを歩いている。
「わりーな、掘ったばかりで水が汚い。」
「いいわこんなの、海に戻れば流されちゃうから。」
ほどなく終点の池。
「!売店!作ってくれたの!!?!、」
「ああ、まだニャに言っていないし、宿も開業していなんで売店も開店していないけどなー」
「ううん!あるってのが嬉しいわ!ちょいと何か欲しくなった時すぐに来れる場所だし、、」
「近過ぎないか?」
「・・・・・・・・・・・多分、、大丈夫かな?わからないけど、、。水路の入り口に門つけるほうがいいかも、デブだと通れない細めの門とか、、」
うん非情だなっ!!仕方ないけどっ!!
「うちのせいで人魚達がデブったら大問題だもんなー」
「あっはっは!可能性高いだけあって笑いこっちゃ無いけどねー!!」
笑ってるけどなおまえ、、
中に戻るとマキシーは書き終えていた。
「マッハ、もう大丈夫、かなり頑丈にしたから3階まで土の壁でも行けるよ。この陣があれば5階くらいまで土魔法で作っても耐えられるとは思うけど。」
「すげーな、、5階?見たことねーな、、」
ドラゴニア王邸は今は3階までになってる。
というか、ドラゴニアで一番高いのが3階。
他国の王宮では5階くらいまでのはありそうだが、見た事ある子は少ない。
「ねーねー!!」
と外から声がする。
マッハがセレーネのところに戻るとセレーネが
「ねぇ、こういうのって、水の中に作れないの?」
と宿を指差す。
マッハとマキシーが顔を見合わせる。
「どうよ?」マッハ
「陣描けば、頑丈になるから潮流で流されないかな?」
「んじゃ、池の中なら余裕かな?」
「ああ、流れがないからね」
「・・・人魚王国の中に作ってみない?」
「おもしろそうだけど、、泊まれる?」
「どうだろ?俺らが水に入る時、空気を外から転送して取り入れるだろ?寝ているときも大丈夫かな?」
「やってみないとわからないね。」
「・・・・・仕方がない、俺がモルモットになろう、、」マッハ
おおーー!!と皆が声を上げる。
「じゃ、私のうちで試しに寝てみなさいよ」
「いいのか?」
「大丈夫!」
「マキシーはいいのか?」
「ああ、今日一日はダイジョブだ。」
で、皆で海に入って海底の王国門から水路を伝って池に出る。
で、セレーネのおうち。
基本家具とか無い。厨房も無い。風呂もトイレも無い。
でもちゃぶ台があった。
「これ、便利なのよね、私達ってほら、ごろってするだけでしょ?高さが丁度よくって。」
木製のちゃぶ台が浮かないようにちゃぶ台の足にでかい石がくくりつけられている。
「・・・石でつくってやろうか?」マッハ
「うーん、木の感触が好きになっちゃったから、、このままでいい」
で、当然ベッドも無いんで、でっかい部屋のすみにごろっと寝転がるマッハ。勿論毛布もない。あってもどーしょーも無いだろう。少しの流れで浮いちゃうしw
「じゃ、睡眠魔法かけるよ」マキシー
「うん、ありがとう」マッハ
マッハはすぐ眠りについた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「暇ね?」
「ああ、暇だね」
「なんかやることないの?」ターロ
「水の中で飲める茶とかあればいいのになー」ジーロ
「おう、んじゃそれを皆でいろいろ考えてみるか?」クマ
さんせー!!と皆
セレーネがマッハを見ると、くーすかくーすか寝ている。寝相は良さそうだ。
「なんか書くものある?」クマ
「あるわ、」
と、セレーネは石版と石を持ってくる。
石は蝋石みたなものだ。
石版も硬め。
1,水中で食べられるもの
2,水中で飲めるもの
と書いた。
「まず簡単そうな、水中で食べられる地上のお菓子とか料理を上げてみよう」クマ
「だんご」
「うん、タレとかかかってなければいけるね、でもそれだと味が、、」
「団子自体に何か混ぜてみたら?」
「何がいいかな?」
「砂糖醤油」
「ごま」
「クリーム」
「パパイヤ」
「うん、練って入れればできるな」
「んじゃマンゴーだな。」
「桃もいけるんじゃ?」
「だんご、、といえば、、、、、きなこ砂糖」
よさげだ、、と皆。
「果物ってさ、切り身でそのまま真ん中にごろんって入れておいても良さそうじゃね?」
・・・・・・・・
「そうかも・・・」
「試しに食ってみたい気はするな」
「同じく」
「料理だけど、つみれみたいな練り物は大丈夫そうだよね。」
「ああ、魚とかだから人魚好きそう」
「そうね、アレは食べやすくて、お菓子代わりな感じよね」
・・・・・・皆
「んじゃ、練り物一式だな、なんかの味付けがあればなお良いだろう。ニヤに一任するのがよいだろう」クマ
うんうん、と少しめんどくさくなってきたのか、皆。
「一口的な何かがよさそうじゃないか?」マッハ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・皆見つめる
「いや、念話ってよく聞こえるからうまそうで起きちゃったw」
うまそうなの、あったか?
いや?
うん、僕も気づかなかった
何も言わないクマ。(いや、結構うまそうだったがな、、)と思った。ほら中世って食事結構貧相だったから。しかも末期は囚われの身で、かなり嫌がらせされていたし、、ゆっくり暗殺されていたしワインとかに盛られてて、、
マッハも年長で向こうの孤児院の長兄やってたんで下の子達に責任あったから、貧相な食い物がトラウマになって染み付いている様子。
ターロとジーロは一応冒険者だったので自分達の食い扶持だけだから、食事についてはさほど気にしないで食えればいいや的で居た様子。でも美味いと嬉しい、とか。魚やサワガニとかよく獲っていた。たまにうさぎが取れるとごちそうだったと。
マッハより幾分マシだった様子。
「飲み物行ってみよう」クマ
「蓋のある入れ物に入れて、端に小さな口あけてすすれば?その口にも栓をつければいいし。」ターロ
ああ!!なるほど!!×皆
「終了。あとはニヤに任せよう」
クマも面倒くさくなっていたようである。
マッハのテストも好結果に終わり、んじゃ明日から王国に宿を作ろうということになった。
「王様に許可とってな、セレーネ?」
「わかったわ!」
「俺も明日も来るよ。」マキシー
「ダイジョブなのか?」
「ああ、ウチのサブは優秀だから!」
教え合うので仲間内は伸びあっていくのだ。
その後、忘れていた浜の宿の3階から上を皆で一気に作り上げた。
内装とかは
「ニヤに一任しよう!」
と全会一致w 丸投げを一任という言葉に置き換える悪さを覚えた面々であった。




