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第百十二話 ムータン、始動


ユータとドーラは、市にこれまでの件をざっくり話した。

市もそういうことには疎い。

なのでおぼろげながら理解したかも?といった具合だった。


が、

「わかりました。あの扉は、俺らをそっちから行き来できるようにしてくれたんですね。やりますよ。もちろんできることは協力しますんで何でも言ってください。といっても、大してできないだろうけど、、、」市


「いや、そーでもない。お前が始めの一人なんだよ?、この世界で魔力を使い始めた。それを向こうの人びとに指導してやってほしい。天然で魔力を持つものが出始めるまでは、お前は強力な助っ人になるからな。」ドーラ


市、自分が、ドーラ達の計画に参戦できる、と思うと、その感慨は計り知れないほどだった。


「で、これは俺とムータンの国家機密になる。もし警察などに拉致され拷問されても、喋るなよ?喋ると結果、一つの国が滅ぼされることになるからな。」

ブルっと震えが来た市は、再度、自分が渦中に入ったことを理解した。


扉を通って市をムータン王都に連れていく。

扉は臨時で大魔法使いの家の居間に付けた。

市が了承したので、これからこの横にもう一軒建てることになっている。

王様の了解を得ており、その場で魔法でユータとドーラで作った。


作る時は見せてくれという王の要望が合ったので、約束通り呼んでから建て始めた。市を王に紹介してから始めた。

ユータが土魔法で基礎と一階部分を作っているときに、ドーラが魔法で森から木を伐採し、材木にして飛ばして来た。それを魔法で厚めの板にする。また、大人の太ももくらいの木材も多く採り、組んで二階の壁にする。板は二階の床と屋根、天井にし、天井裏も使えるようにする。

その後適当に部屋割り、水回り、風呂釜、炊事場など作った。風呂釜と炊事場の窯は薪を使う。

水は井戸を炊事場の表に掘り、ついでに温泉を掘り当てて風呂にかけ流しにした。


温泉はパイプを使って王宮の風呂と、大魔法使いの家の風呂にも回した。


「ここは、冬は寒いんだよな?」ドーラ

「ああ、かなり寒い」王様

「温水を床に回すだけだと、暖房として足りないかな?」

「この温泉の温度だと不足だな、、煮立つほどになれば、この程度の家なら足りるだろう。」


なので、温泉ではなく、暖房用の循環温水窯を作り、薪をがんがんくべて部屋を温めるようにした。もちろん窯は炊事場にして火の危険を一箇所にまとめた。


「で、魔法が使えるようになれば、火をたくところを魔石で火をおこして湯をわかすようにすればいい」

「そのための薪の窯か、、」

「そういうこと。」


もう魔法を使うことを前提に行っている。王としては嬉しいことだった。


家が出来上がって、今度は調度品。木材から食堂のテーブル、イス、キッチン戸棚、魔石用冷蔵庫冷凍庫、


「冷蔵庫と冷凍庫は、、あとでダンマスに印を書いてもらって魔法を発動してもらわないと動かないから。まだマソが薄いから、ダンマスのダンジョンが稼働はじめてからだろうな。」ドーラ


「では、灯火も?」王

「ああ、もっと簡単だ。小さい魔石あれば充分。」ドーラ

これは、、TVやパソコン以外はもう魔法でできるということか?


「流石に馬車を魔導力で車の代わりに、というのはまだやっていないが、」

「いや、特になければいけないというわけじゃないんだ、今のうちの国では。そこは今までどおりで大丈夫だ。」王


・・・本当に、向こうにつれてってもそのまま生活できそうだな、ここの人たちは。と思うドーラとユータと大魔法使いだった。


居間の調度品や各寝室のそれらも作り、

「布団やタオルなど、台所の皿などや調理するときの道具などは、王様が用意してやってくれるか?」ドーラ

「いやいや!それは悪いっす、自分で持ってきます」市

「いや、大丈夫だ。おい、聞いたな?用意してやってくれ、この間の(大魔法使いの家の時)のと同じ感じで」

はっ、とその側用人は返事し、王宮に戻っていった。


「それにしてもすごいな、、あっと言う間だ。」王

「いや、これに頼っちゃうと技術が育たないので、基本的には人力でやる。」ドーラ

そうだな。と王。


「あと、この市が人びとに魔力を使えるように指導していくんだが、その場所はどうしよう?」ドーラ

「いつから?」王

「すぐにでも始められます。最初は気をねることから行こうと思っています」市

あれ?

「・・・なぜ、俺、王様の言うこと、、わかるの?王様、日本語喋ってるの?」市パニック!


紹介した時は王様は市には英語を使っていた。市もちんぷんかんぷんだった。

でも、今、、


「はーい!それは私ですっつ!!」

いつの間にかダンマスが戻ってきていた。(あの洞窟から)


「いやー寝坊した、あっはっは!。市が見えたので、意思疎通の魔法を掛けています。そのうち自分でやってね?」

「は、はいっつ!!」市、ドーラの師匠(親)から直接魔法掛けられたので緊張か?嬉しいのか?


(前回、市とタカが向こうに行った時にも掛けてもらってたんだけどね。気づかないから言わなかった。)


市の鍛錬は、とりあえ王宮前広場で始めることになった。

降雨降雪時に使えるように大きな体育館みたいな建物が必要なので、今から建築を始めようと王は決めた。


その後、市が拳に魔力を纏って、初の天然石割りをやってみた。ぽこっ、と割れ、市がもっとも驚いていた。

その後、ユータが市に少し魔力を与え、飛ぶことを教えようとしたが、怖いらしく無理で、でも跳ぶことはできるようになった。勢い付けて跳ねると、王宮の最上階のベランダくらいまで跳べた。


「あーっはっはっはっは!あー、これでぴょーんぴょーんって走れば、はやいっすよねー!」

と、跳ねながら言っている。

「フツーに体力強化で走る方が速いぞ?」

と、ドーラが体全体に魔力を纏い、増強する感じを教えたらできた。拳に纏えてたからね。

で、走らせたら、どっひゃーん!と城の敷地の端まで一気に。びったん!!、停止が間に合わなくって壁に張り付く。


あーっはっはっは!いたくないーーーー!!と、はるか向こうからでっかい声。よほど楽しいらしい。

なんか、市のキャラがどんどん変わっている件。


夕方になる前に市は道場に戻った。夕方にタカが来ることになっている。タカが来たら連れて王宮のほうに戻ってくる予定だ。


王は、市とタカ用に滞在許可証を発行していた。あとは本人がサインするだけになっている。

来たら皆で王宮で夕食をとり、その後与えようと思ってる。

ダンマス、大魔法使い、ドーラ、には同盟国貴賓の資格。

ユータはビザを持っている。


王宮で皆で茶をしているときに、市がタカを連れて戻ってきた。市が説明したらしく、タカは大乗り気になっていた。

王様に紹介したあと、ユータが王様に説明する。


「僕らはもうすぐ高校卒業します。」ユータ

王は聡明です。すぐ言わんとしている事を理解。


「タカ、もしよかったら、指導員としてここで働かないか?」王

タカは二つ返事で受けた。でも一応、両親にそのことを告げて了承を貰いたいと。

では両親説得用に招聘状を用意しよう、と側用人にその用意を頼んでいた。

その後許可証にサインした2人は、晴れて滞在許可を持った正式な滞在者となった。


市はまだ向こうに練習生がいるので、いったりきたりだが、練習日を土日にまとめればやりやすくなる、と今後を変えていく様子だ。


ムータンを中心に、事が動き始めたわけだ。国の人びとが魔法を使うための動きが開始されたのだ。


ユータとドーラはその晩ドラゴニアに戻った。

丁度夕食後の茶の時間なので、ムータンの事を説明。まだどうなるかわからないが、最終的に全てこちらへの移住をさせたいと。

皆乗り気だった。異世界のひとびとどころか、国ごときてしまう。

桁外れのでかいことだ。

このドラゴニアに、そんなデカイことにそそられないやつはいない。


「もし、その侵略好きな国と事を構える時、必要になったら言ってな、俺が行けるのであれば行って加勢する。」ガンダ。

「おう、俺もだ」ザク

「もちろん俺だって」ジオ

満月の皆もうんうん言うけど、

「満月の皆はここを見ててほしい」とガンダに釘を刺される。


「皆、ありがとう。でも、それほど強くなさそうなんで、3人で余裕っぽいぞ?」ドーラ

そうなの?と皆の顔。


「まぁ、、ドーラはひと踏みだにゃっ!!」

あーはっはっはっは!!と、居間に笑い声が満ちる。


一緒に笑いながらも、

クズとの揉め事ってめんどうくさいんで、もっと簡単に、さっとこっちに引っ越してこられればいいなぁ、、と思うユータ。


どうなることだろうか?


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