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前編第一話 世直し愛国魔法少女ラスフちゃん!その1 鬼畜通り魔!飯塚幸三(めしづか さちぞう 88歳)に天誅のチュー!

あらすじ:

「わたし、旭日 旗子(あさひ はたこ 9歳 女子小学生)の秘密は―――チヨニ!ヤ!チヨニーッ!―――わらわ(旭日旗の神様)と合体し変身して魔法少女ライジングサンフラッグ人呼んでラスフちゃん(自称14歳)になることじゃ!」

「ボク、はやぶさ(小惑星探査機の神様)も一緒になって、頑張って世直しのお手伝イシms…!」

世直し愛国魔法少女と仲間が、日本国と日本国民の明るい未来の為に、ワルいヤツらに天誅のチュー!


 ●







 「どけどけどけーっ!上級国民様のお通りだーっ!フレンチの予約に遅れるーっ!」


 今日もまた、通り魔メシ塚が運転する暴走車が、街の人々をひき逃げしまくっている。


 だが誰も彼を止められない、なぜなら彼は上級国民様だからだ。


 「あっ!はたちゃん!何するつもり!?」


 「たかちゃん!もうわたし、黙って見てるだけなんて出来ないよ!あいつを止めてくる!」




 メシ塚の前に両手を広げて母猫と仔猫を庇うように立ちはだかる女子小学生が現れる、旭日旗子である。


 「下級国民の虫けらが生意気にーっ!二度轢き三度轢きしてミンチにしてやる!フレンチの予約に遅れるーっ!」


 旗子の目の前に暴走車が迫る、もうダメだ、誰もがそう思っていた時、旗子は不思議な感覚につつまれる。


 「なにこれ!まわりのみんなが止まって?ううん、超スローモーションになってる!」


 「なかなか見上げた小童こわっぱじゃのう!どれ、久しぶりに世直しするかのう!とんでもない、あたしゃ神様だよ!」




 ―――チヨニ!ヤ!チヨニーッ!―――


 教えてもらった変身のスペルを唱えると、旗子は旭日旗の神様と合体して、見た目ローティーンの魔法少女ラスフになり暴走車を受止める、旭日旗模様のコスチュームが麗しい。


 「むうう、こしゃくな!ならばこちらも奥の手を出させてもらうぞ!フレンチの予約に遅れるーっ!」


 メシ塚の暴走車は変形しタボク製農業用人型ロボットの頭部になり、空輸されてきた巨大人型ロボットの胴体と合体する。


 「ちょっとなにこれ!きいてないんですけど!(わらわもじゃ!)相手が大き過ぎる、これじゃ…」その時―――




 「ボクが助太刀すルyp…!」―――大空から助っ人が舞い降りてきた!


 「なにこの弱っちそうな羽根付きの箱!(小惑星探査機の神様、はやぶさ殿ではないか!心強い、旗子!リポビチャンDをささげるのじゃ!)」


 「わかった!でもその前にひとくちもらうね!ごくごく、はい、はやぶさクンどーぞ!」


 サンプラーホーンを小瓶に差込んでリポビチャンDを飲む、旗子との間接キスにイオンエンジンが静かに暴発する、恋心が芽生えた瞬間である。


 「はやぶさ戦闘機モード!旗子ちゃんボクに乗ってあいつをやっけるンds…!」




 「(おお!これいいのう!)ねえ、隼って陸軍の戦闘機だよね?海軍の旗の神様が乗っていいの?(気にするのそこかい!いろんな意味でいまさらじゃろ?)そっか」


 はやぶさくんは神様とはいえお年ごろである、全身で感じる旗子の温もり、そしてそのやわらかな手で握られている操縦棒、機関砲から炎の弾丸が轟音と共に発射され人型ロボットを蹂躙する。


 「人型弱えええ笑!!!(くやしいのう、くやしいのう笑!!!)」


 「あっ!メシ塚が逃げるよ!(つかまえて天誅のチュー!じゃ!)なにそれ?(悪者にチューして良心とかそんなのをチュー入するシメの技じゃ!)ふざけんなーっ!」


 「わたしファーストキスまだなんですけど!(赤子のころ男前な父上と済ませておるじゃろ?)あれは別カンよ!(じゃあその辺で済ませてこい、急げよ?なんだかエンジンの調子が悪くなってきたようじゃ)」




 「あーん、もうっ!あ、野次馬の中に中等部のアカルくんがいる、不良っぽいしもうファーストキスぐらいしてるよね、よし!おーい!アカルくーん!」


 「うわ!なんだよお前って…むぐ!むぐぐ!ぷはぁ!な、なにすんだよー!」


 「よしオッケー!でもメシ塚とキスとか無理ーッ!(ならば意識をわらわに移してしばし寝ておれ)わかった、むにゃ…」


 メシ塚は人々に囲まれて石を投げつけられていた、メシ塚は表面上は土下座しミジメに謝罪をしていたが、その目は後の復讐に燃えているのがわかる、そこに近づく魔法少女ラスフ。


 「メシ塚、そなたの大罪のむくい、今こそ受け取るがよい!下級非国民に天誅のチュー!」口移しでチュー入される良心。「ぐ、ぐわあああ!フレンチの予約に遅れるーっ!るーっ!るーっ…」




 どこだここは?真っ暗じゃないか。ん?車に乗っているのか?あ、足が!アクセルが本当に戻らん!あれは妻じゃないか!逃げろ!逃げ…うわあああ!


 轢いてしまった!妻を!なんてことだ…ん?今度は息子!警察に通報するより先に電話した息子じゃないか!逃げろ!逃げるん…うわあああ!


 もう、もう勘弁してくれ、これ以上、これ…あああ!マゴ!マゴッ!マゴォォォ!!!あああ…うわあああ!


 こっ、今度はなんだ!あれは!父さん!母さん!やめろ!もうやめてくれえええ!うわあああ!はあ、はあ、あれは?子供の頃の私じゃないか!第四中学校時代の私だ!浦和高校時代の私だ!東大時代の私、そして通産省時代の私だ!


 正面から来る車は!私が運転しているじゃないか!嫌だ!死にたくない!逮捕してくれていい!上級国民でなくなっていい!だから生かしてくれ!死ぬのはイヤだあああ!うわあああ!フレンチの予約に遅れるーっ!




 次の日、何事もなかったかのように再開される日常、しかしそこには通り魔メシ塚が運転する暴走車の姿はなく、平和な朝の登校風景だけがあった。


 「おはよーはた子!」「おはよーたか子!」「昨日の魔法少女カッコ良かったねー!あれ誰なんだろ?」「ああ、あれわたし、みんなにはナイショだよ?」「マジで!?じゃあその肩に乗ってる箱みたいなのってマスコットってやつ?」


 「はじめまして、旗子ちゃんのカレシのはやぶさデsj…!」「わ!しゃべった!へぇーいいなあ、はた子ちゃん、って、あ!あれ!メシ塚じゃない!?」


 異様な光景だった。商店街の路上で全裸のメシ塚が涙鼻水ヨダレをたらしながらミニカーで遊んでいるのだ。「ぶーぶーだよー、うふふ、ぶーぶーはやいよー、きゃはは!きゃはは!」「…完全に狂ってるね、アレ、見ないようにしていこ、はたちゃん」


 「彼は―――」旗子はメシ塚を強い眼差しで見据えてつぶやいた。「―――狂ったんじゃない、彼はやっとで良心を取り戻したんだ、彼はやっとで人間に戻れたんだよ」魔法少女の戦いは続く。








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