門番
ゼールとの別れから約三時間・・・・・・。
俺たちはようやくダーリット魔術学校に着いた。
「やっと着いたー!」
「こんなに遠いとは思ってなかったぞ」
「そうだね、じゃあ早速中に入ろうか」
「そうだな、じゃあ行くぞ!」
と言ったものの、校門の前でなぜか俺を除く三人は止められてしまった。
「なんであたい達はダメなんだい?」
「そうでごますよ、なんで俺たちだけ!」
「・・・・・・」
「そんなの決まってるじゃないか!」
(どういうことだ?)
「だってあんたら、ここら辺では有名な食い逃げの常習犯だろ!山賊三人組の!」
「食い逃げ⁈」
「あれ、姉さんここら辺でしたっけ?少し前に俺たちが姉さんの15歳の誕生日の祝いにやった食い逃げは・・・・・・?」
「あ、あれそうだったか・・・?」
おいおい!ちょっと待て!ナーシスが15歳⁈確かに子供ぽい顔つきはしているが。食い逃げしたことよりも、そっちに驚いたよ。
「そんなわけで、お前達を捕まえる!」
「る、ルミナ後は任せた、さっきの丘で待ってる七時に落ち合おう!」
「えっ、おい、」
俺が返事をするまもなく、ナーシス達は走っていった。
「じゃあ、俺は入っても大丈夫だな」
「お前もダメだ」
「なんでだよ!あいつらといたからか?」
「それもそうだが、お前が王選定の集まりで宣戦布告したルミナ・ジェーミンだろ?」
「あぁそうだが。それがどうした?」
「お前が来るとこの学校も危険な目にあうから、立ち入り禁止と学校長からの伝言があった。だからダメだ」
「はっ?冗談じゃねぇよ!いいから中に入れろ!」
俺はとにかく中に入るために暴れまわった。
「クソ、まだ言うか!ならばこっちも力ずくだ!」
門番は剣を抜かず、そのままで俺に振りかざして来た。
「・・・・・・おい」
脳裏に浮かぶ昔の記憶。
片手で剣を受け止め、自慢の握力で握り潰す。
あまり聞かない音、光景に少し怯える門番。
「おい、何手加減してんだ?そういう奴って本当苛つくんだわ」
「くっ、くそぉーーー!」
もう一人の門番が剣を抜き、猛進して来た。
一直線に走って来る様は、いかにも経験の浅さが伺える。
俺はいとも簡単に避け、頸部分にチョップを入れる。
「ぐはっ!」
倒れ込む仲間の門番を見て、壊れた剣を捨て突進して来る。
「お前はゆるさねぇぞ」
右手を差し出し殴りかかる腕を捉え、綺麗な背負い投げをした。
だがそれだけでは飽きたらなかった。
とにかくイライラしていた俺は倒れ込む門番を見て、顔を鷲掴みにし、持ち上げる。
もがき苦しむ門番を他所に、俺はそのまま地面に向かって叩きつけた。
後頭部から血が出ている。
正気に戻った俺は絶句した。
「あっ、俺・・・・・・」
「あーあ、やってしまいましたか」
「・・・・・・っ⁈」
後ろから聞き覚えのあるセリフ、シチュエーション。
振り向くと、そこにはあの自称『神』がいた。




