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 しばらくすると、丘を登ってくる一人の男がいた。





 「あれがザードか?」





 「そうだね、おそらくあいつがザードだ」





 「いいか、あいつが俺たちに攻撃をしてきたら、俺の後ろに下がれ。俺が奴と戦う」





 「了解でごます!」





 そんな会話をしている内に、ザードがすぐそこまで来ていた。





 ザードはこちらを見ず、少し下を向いている。






 さらに俺たちの周りが張り詰めた雰囲気を出している。






 次の瞬間、ザードは飛ぶように速い勢いでナーシスめがけて殴りかかってきた。






 「姉さん!」





 ギリギリ俺が防ぐことができた。





 「あっぶね!」





 「ちっ」






 俺の方からも攻撃をしようと思ったが、事態を悪化させたく無かった為やめた。






 「ザードだな、お前に頼みがあってきた」






 「なんだお前ら?殺しの依頼か?」





 「違う、突然だがお前、俺たちの仲間になる気はねぇか?」





 「仲間だと?」






 俺はメルンのこと、王選定のこと、宣戦布告した事と今までの事を全て話した。






 「・・・なるほど、それで護衛が必要と・・・」






 「そうだ、それでお前に頼みにきた」






 「・・・断る」





 「何故だ?」






 「それを非地受けたところで何になる?俺に何の得がある?」






 「それは・・・。」







 俺は何も言えなかった。確かにゼールがこのお願いを引き受けたところで、何の得もない。





 「だがな、依頼は別だ」







 「依頼?」






 「そうだ、ちゃんとした見返り、つまり報酬があるならその願いを『仕事』としてひい受けよう」





 ゼールからの思わぬ言葉に驚いてしまった。






 「じゃあいいのか?」






 「あぁ、いいよ。そのかわり報酬は後で親玉に直接交渉する」






 「ありがとうな!」






 「あぁ、仕事だからな」






 俺はこんなあっさり味方してくれるとは思わず、びっくりしながらも素直に嬉しかった。







 「じゃあヨード、ゼールを屋敷に連れて行ってくれ。そしてゴーゼオって人にルミナとの護衛の話があると言えばわかってくれるだろう」








「・・・・・・。」







 喋らないかわりに、顔で分かったと言っている様な気がした。






 「じゃあ、ゼールまた後でな」






 「あぁ、でも仲間集めに行くあては決まっているのか?」





 「いや、まだだ」






 「なら俺は武術家だし、魔術の使い手もいるといい」






 「ならあそこなんてどうだい?」





 「あそこ?」







 「「魔術学校『ダーリット魔術学校』!!」」







 「ダーリット魔術学校?」






 「そうだよ、魔術を専門に扱う学校で、王都の学校を除けば、一位二位を争うほどの学校だよ!」






 「そこに行けばいい奴がいると思うぞ。」






 「わかった、そこに行ってみよう。」







 「じゃあ俺たちはここで、また後でなゼール。」






 「あぁ、また後でルミナ。」







 俺たちはゼールが登って来た方から丘を下りた。







 その俺たちをヨードとゼールは、見えなくなるまで見届けていた。






 「よぉし!このまま、ダーリット学校でも仲間を集めてやる!」




 だが俺はこの時はまだ知る由も無かった。





 もうこの時点で、俺達は負けていた事に。





 「さぁ、お休みガキ共」



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