子分
「ルミナ後ろ!」
「・・・・・・!」
後ろを向いた瞬間、長い黒髪の女が飛んできた。
「終わりだ!死ね!」
「ほい」
日本刀に似た剣を振りかざしてきた為、俺はすかさず男の子を女の前に出した。
「うっ!」
女はギリギリのところで俺と男の子をかわした。
女が着地した瞬間、俺は氷の魔術で首まで凍らせた。
「ひ、卑怯だぞ!」
「いやいや、二人でか弱い女の子に襲いかかる方が卑怯ですわよ!」
「急に口調を変えるな!それにか弱いなら俺たちはやられてねぇ!」
「そんなこと言うなよもぉー」
「うるせぇ!大丈夫ですか姉さん!」
「あぁ大丈夫だ。それよりこれからどうするつもりだ」
「お前達には聞きたいことがある」
俺は二人を隣同士に並べ、更に二人を首まで固めた。
「さぁ、まずはお前達は何者だ?」
「ふん!答える義理はない」
「強情な、答えないとどうなるかわかっているのか?姉さん?」
俺は両手を関節がどうなっているのか分からない様な方向に動かした。
「な、何をする気だ?」
「いゃあこの世界にきて、ネットも繋がらないからやり方がイマイチわからなかったからよ・・・」
俺はもうニヤケが止まらなかった。
「わ、わかった教えよう。教えた方が安全な気がするからな色々と」
「良いんですか姉さん?」
「まぁ秘密にしろと言われてるわけじゃないし、いいだろう」
「それじゃあ早速教えてもらおうか」
「あたい達はある人から雇われた山賊だ」
「山賊?」
この世界にも山賊がいたのか。
「あぁ、そしてお前らが思ってる人では無いと思うぞ」
「どういうことだ?」
「あたい達は別の領土の奴らに、雇われた訳じゃない」
「ってことは」
俺は若干の冷や汗をかいた。
「あぁ、雇い主はこの領土にいる」
「目的は何か聞いたか?」
「知らない、だがあたい達はここにいる娘を殺せと言われた」
(それはメルンのことか)
「雇い主は誰だ?」
「わからない、顔はフードをかぶっていたし、声は変えていて分からなかったよ」
(声を変えることができるのか)
ダメだいちいち余計なことに感心してしまう。
「なるほど、わかった」
「ゼール、俺は今からこいつらをゴーゼオさんのところに連れて行くから、お前達はメルンの部屋に行ってくれ。みんなそこにいるはずだ」
「わ、わかった!」
ゼール達は一斉にメルンの部屋へと走っていった。
そして俺はゴーゼオのいるホールへと二人を連れていった。
「ゴーゼオさん」
「ルミナか、こちらは粗方聴き出したぞ。そっちはどうだった?」
「こっちも大体のことは聞いた。それでこいつらの事だが・・・・・・」
「あぁ、王選定の候補者を殺そうとしたからな。死刑は免れないだろう」
「じゃあ俺が騎士のところへ連れて行きます」
「頼んだ、私は屋敷の警備の強化や修復をしていよう。」
「頼むぜ」
「ルミナもな」
「あぁ。じゃあ行ってくる」
俺は山賊三人を、東領土騎士団の元へと連れて行く為、馬車に乗せた。
「あたい達は殺されるのかい?」
「あぁそうだ」
「雇いを受けたのはあたいだ、この二人はみのがしてくれ!」
「何言ってるんだよ?お前ら三人とも俺たちを殺そうとした時点で罪人だよ。見逃すわけにはいかねぇよ」
俺は、屋敷を出て人通りが少ない場所で馬車を止めた。
「だが今から言うことを承諾してくれるなら、三人とも見逃してやる」
「なんだって?」
俺は拘束している三人のロープをほどいた。
「お前ら、俺の舎弟になれ!」
「舎弟だと?」
「そうだ、お前らは今から俺の手下だ!」
「ふざけるな!姉さんは誰の下にもつかねぇんだよ!」
「わかった、なろう」
「姉さん⁈」
「さすが姉さん、物分かりがいい」
女は手首をぶらぶらさせて、起き上がった。
「今、この状況で生き残るためには手下にでもなんでもなるしかない」
「そういうことだ」
「姉さんが言うなら」
「であたい達はどうすればいいんだい?」
「これで連絡するまでは、お前達は自由にしてくれて構わない。だが俺が呼んだら、すぐに駆けつけること分かったか?」
俺は前に作っておいた携帯に似たものを作った。
「これはなんだい?」
「これは『携帯』と呼んでくれ。俺が作った」
「作っただって⁈あんた一体何者なんだい?魔術もすごいし、女のくせに男みたいだし。
」
「俺はただのメイドだよ」
女はきょとんとしたものの、すぐに笑顔を取り戻した。
「はっはっはっ!そうかい、分かったよ。じゃああたい達が最初の手下ってことだね」
「そうだ、これからよろしく頼む」
「了解ボス」
俺と女はしっかりと握手を交わした。
「よし、これで三人子分が出来たぞ!」
これからもどんどん子分を増やしていこう。
俺は三人を、途中で降ろし屋敷に帰った。




