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王選定候補者

 この先に王選定候補者が・・・・・・





 城の使用人により扉が開けられると、メルンの屋敷よりも広い大広間があった。 







 「で、でけぇ・・・・・・」







 真ん中には王の玉座まで続くレッドカーペット、そしてその玉座の前に立つ三人の令嬢とそのメイドや執事がいた。






 いつかはあの玉座に座ってみたいものだ。







 「さぁ、メルン、ルミナあそこに行きなさい」






 「承知致しました。さぁ、メルン様どうぞ」







 「分かったわ」








 メビルとゴーゼオはレッドカーペットからそれ、俺はメルンと二人でその真ん中を歩いた。






 俺はゴーゼオの方を見ると、びっくりした。なんと執事長がいるところに父が、メイド長がいるところに母がいたのだ。






 「お父様、お母様・・・⁈」






 久々の両親に、少し嬉しくついつい二人の元へと歩みを入れてしまった。







 「おールミナ!久しぶりだな!父さんは今日、西領土の執事長としてきているんだ!」







 「久しぶりねルミナ!私は南領土のメイド長をしているのよ!」







 「そうだったのですね!私も今日はご主人様の側近で来ましたの!頑張って来ますね!」







 「あぁ、お前なら大丈夫だ!頑張れ!」






 「頑張ってちょうだい!」






 「はい!」






 少し勇気が出た。やはり両親の力は凄い、側にいるだけで安心感が出てくる。






 俺は両親に挨拶を済ませ、メルンの元に向かった。







 「挨拶は終わった?」







 「申し訳ございません、終わりました」






 「別にいいわよ、両親の事は大事にしなさい。それじゃあ行くわよ」







 「はいかしこまりました」






 珍しく、メルンが優しい。一体どうしたんだ?







 そして俺たちはレッドカーペットの真ん中を歩き始めた。







 なんとなくだが、周りからの視線や空気が重い。


 




 気になって周囲の声に耳を傾けると、いろんなところから驚く様な声が聞こえた。








 「あれが噂のお嬢様か」







 「あぁ、自分の領土の民を奴隷の様に扱い、自分の思うがままにしているのは」








 「なんでも、あの愛らしい見た目で沢山の男どもを誘惑し、脅しているとか・・・・・・」







 「なんでクズなのかしら」







 「我が領土に影響が及ばないか心配でございますがな」








 「貴方のところは西だから一番安全でじゃないですの。それなら私どもの南領土の方が・・・・・・」








 両親の領土の人たちまで。








 なんだこのメルンの言われようは?確かに性格はひどいが、流石にここまで言われるほどでは無いよな・・・・・・。








 周りには、毛皮の服を着た人や、まるでハワイから来たかの様なやけた黒い肌に半袖短パンの人。また、俺らと着ているものが似た様な人がいる。







 そしてその人達の先、つまり玉座の近くにはレッドカーペットを挟んで右側に鎧を着た騎士。左側に日本でいう議員の様な人が沢山いた。








 その人達の先にはようやく、王選定候補者がいた。








 「遅いでございますわよ、何時間この私を待たせるおつもりで?」







 「まぁ、そんなに待ったわけでもあらへんしうちは大丈夫やけどなぁ。」








 「こ、こ、こ、こらー、お、遅い!・・・ですよー。」








 長い赤髪に背が高く、いかにも気が強そうな女。





 商売が上手そうな、緑と紫の少し長めの髪に、黄色の目をした関西のおばちゃんみたいな女。







 服には虎の柄の服を着ている。というより虎の毛皮を着ている。







 そして、フードを被っていてよく顔が見れないシャイで小柄な女。






 こいつらが王選定の候補者・・・・・・。







 そして三人の後ろには、俺と同じ側近の下部がいた。









 「それでは全員揃いましたので、王選定に関しての会議を始めさせていただきます」







 「それではまず、僭越ながら私アドスが進行を務めさせていただきます」






 茶色い髭がお似合いの男、司会にはぴったりな顔だ。







 「では最初に、今回の王選定の候補者を紹介したいと思います」








 「北の領土を統括する、『マリザ・イヌスル様』とその執事、『ナルス・シスト様』!」






 ナルス・シストってナルシストみたいだな。








 「マリザよ以後お見知り置きを」






 「ナルスです、以後お見知り置きを」








 あの男、そこまでかっこよくないくせに、俺と同じ金髪なんて・・・・・・。









 「続きまして!南の領土統括、『メイ・クロネス様』とそのメイド、『リリナー・イムス様』!」






 おっ!俺の両親の所の当主だ!なんか親近感が湧くなぁ。






 「メ、メイです。い、以後お見知り置きを」






 「リリナーです、以後お見知り置きを」








 あいつちょっとシャイすぎないか。執事も弱そうだし。見てるだけでイライラする。








 「続きまして!西の領土統括、『リンム・クロスナー様』とその執事、『ゴードド・ドラルザー様』!」









 「リンムですぅ、以後お見知り置きを〜」







 「ゴードドでごわす、以後お見知り置きを」







 リンムってやつの余裕そうな雰囲気は、メイとは違った不快感を感じる。








 しかも執事がごわすって、しかもむきむきすぎたろ!








 「そして、最後に東の領土統括、『メルン・メディウス様』と、そのメイド、『ルミナ・ジェーミン 様』!」







 いよいよ俺たちか、ここは上品に。





 「メルンよ、以後お見知り置きを」






 「ルミナです、以後お見知り置きを」








 「さぁそれでは紹介も終わった所で、議題に入りたいと思います!」







 さぁ、ようやく始まった王選定の会議!







 この時から時代が新しく動き出すのか!







 俺もその中の一員となり、引っ張っていってやる!見てろよ!






 楽しみだ!







 俺はこの時とても期待を膨らませていたが、この後の展開など知る由もなかった。



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