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番長〜恨まれ殺され裏切られ〜

ガキ大将異世界行ったら悪役令状の最強の下部になっちゃいます!のリメイク版です。

内容も変わっています。

よろしくお願いします。

 人生は何が起こるか分からない。




 そう、あの日もいつも通りの日常を送るのかと思っていたのに、その時は突然やってきた。






☆☆☆




 俺、上白勝利うえしろしょうりは高校二年の今、世間で言う『番長』という立場にいる。





 小学生の頃から人とのコミュニケーションが苦手で、あまり友達がいなかった俺は生まれつき力が強かったというのもあって、暴力でしか関わる事が出来なくなっていた。




 喧嘩で勝てば周りに人が集まって、俺に優しくしてくれる。相手が強かろうが弱かろうが、俺が友達になりたいと思ったら関係なく喧嘩を始める。






 そしてその内気に食わなければ暴力を、言う事を聞かない奴には暴力を繰り返していた。





 そんなことを約七年、いつしか周りから『番長』と呼ばれる存在になっていた。





 でも俺は今ではそんな事を気にしないで多くの人に囲まれながら楽しい毎日を送っている。彼女だってできた。





 特に最近仲の良い友達、佐藤仁さとうひとしは家が近いのもあって登校から下校まで共にしている。





 こんなに友達に囲まれて、本当に幸せだった。





 そうあの日までは・・・・・・。





 その日の朝も俺は仁君と彼女と一緒に駅のホームで待っていた。この駅のこの時間帯は俺達以外に使う人間がいない。





 俺達は電車が来る十分前にはいつも到着しているが、その日は俺が朝寝坊してしまったのもあってギリギリに着いた。





 「はぁはぁ、すまねぇこんなギリギリになっちまって」





 特に夜更かししたわけでもないのに、とてつもなく眠かった。ただ昨日は少し彼女と遅くまで遊んだ位。




 「はぁはぁ、だ、大丈夫・・・・・・」




 彼女は優しい。学校では三本の指に入る位の美女で、今まで告白した男子の数は両手では数え切れないほど。





 そんな彼女が俺に告白してきた時は、舞い上がって喜んだのを覚えている。





 「はぁはぁはぁ・・・・・・」





 仁君は俺達二人よりも運動神経が悪いし、足が遅い。




 「大丈夫か仁君?」



 「・・・だ、大丈夫、だよ・・・」





 少し走っただけでかなりの汗をかいている。





 頼りない人だが、いつもいう事を聞いてくれるいいやつだ。






 息を整える間も無いまま、電車が来てしまった。





 とりあえず電車の中で少し休む事にしよう。俺達が乗る電車はあまり人が乗らないから、必ず座れる。しかも十五分ほどかかる為休むのには十分すぎるほどだ。






 もうすぐそこまで来ている。俺は仁君の様子を確認しようとした。友達として心配をしてあげなければ。





 「ひと、うっ!」





 振り向く途中、左肩を思いっきり押された感覚。それと共に崩れ落ちる身体。





 そのまま俺は後ろに倒れ込んでいった。




 いや後ろはもう線路だから、落ちていくといった表現の方が妥当か。





 何でこんな事になったんだ。誰が押した?





 彼女?仁君?





 答えはすぐに分かった。





 人は死ぬ寸前に走馬灯など様々な事が起こる。それは時に自分の見える景色がとてもゆっくりに見える事もある。





 俺に見えたのは、左手を俺のほうに伸ばしていた仁君。眼鏡を外していて、左腕には俺の彼女をだいている。





 一体どういう事なのか、それすらもすぐ分かった。





 不適な笑で俺を見ながら、キスをする二人。





 そうか、二人は付き合っていたのか。俺を隠蓑にして。





 そういえば確か昨日彼女からもらったジュースが変な味がした。恐らく睡眠薬かなんか入れたんだろう。





 そしてギリギリに来て、疲れ果てた俺を突き落として殺す。






 「そうか・・・・・・、そういうことかよ」






 『番長』なんて肩書き気にしていなかったが、みんな俺の周りにいたのも俺に暴力を振られないようにするため。保身の為。






 彼女だってそうだ。絶対的な保身の為に表向きに付き合っていただけ。





 裏で本命の仁君と付き合っていた。






 「勝利、今まで苦しかったよ」





 鬼の様な形相をしながら発した仁君は、今までとは雰囲気が違かった。




 いや、状況が状況だからかもしれないな。




 「さ、よ、な、ら」





 最後にそう言われた気がした。





 「ひーとー・・・・・・・」






 悔しい、一発殴ってやりたい。





 くそ!くそ!くそ!






 くっ・・・・・・





そして俺はすぐ、電車に轢かれて死んだ。



 



 




 



 

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