2-73 旅の準備 1
結論から言うと、亀にスキル手加減はできませんでした。
格上の亀を倒すには、弱点部位のクリティカル狙いに必然的になるけれど、クリティカルが出ると亀は死ぬ模様。
冷静になって考えればそれはそうか。
人間で例えるなら太い動脈を狙って積極的に攻撃している様なもので、動脈を切っておいて「手加減します」って言っても通じないだろう。
この亀だと、もう少しレベルが上がって甲羅を力技で貫けなければスキル手加減は上がらなそう・・・本当に貫けないのか?って思って一回試すが、貫けた。まさかと思ったけれど、レベルが上がっていたせいと、STR振りだったから多分亀の装甲に勝ったのだと思う。
だがしかし、剣へかかる負担が半端なかった気がする。これは心臓に悪い。元より剣を大事にするつもりではあったけれど、シュライブングの剣はかなりの名剣など聞くと、無理に力がかかって歪むとひやひやする。自分は小心者なのだ。もうしないぞ、と心に決める。そう、よほどのことがない限りは・・・。
このゲームでも剣の耐久度設定はあり、0になるとポッキリ折れるのだという。
0になる前に鍛冶師にメンテナンスに出すしかない。貴重なものは1で止まると信じたいのだけれども。
で、この数値は金属か武器の鑑定持ちの人にしか見えない。スキルがないと剣の名前しか出てこないし、他人のものだと名前なども全く分からない。ただ、今まで長い間馴染んでる物などは分かる事もあるみたいだが、スキルになる前の情報もスキル未満の経験値としてプールされているのかもしれない。
そして魔物についても魔物鑑定スキルがなかったとしても、自分に近いレベルならば相手の強さが分かる。自分よりはるかに弱かったり、自分よりはるかに強い敵は分からないという仕様だ。
亀で手加減のスキル上げをすることを諦め、時間をかけて柔らかい弱点部位を狙って亀を倒す。
この亀の甲羅が溜まってきてる。一個がレアドロップみたいなものがある。ちょっとうれしい。
・・・おかしいな?亀を倒さないつもりで始めはここに来たのに、つい楽しくてスキルを上げながら何体か倒してしまった気がする。レベルまで上がってしまって、またスキル上げをしなければいけない。堂々巡りでキリがない。
「一度街に帰るかなぁ。」
あ、ファルディアで多分4日ぶりくらいに声を出しましたね・・・?
おひとり様を拗らせ過ぎているせいかもしれませんが。
思わず自嘲が少し漏れてしまうが、まぁ誰も居ないからいいかと―――
「ずるいぞ、舎弟。」
「うわぁああああああああああ!!!!????」
背後から突然聞こえた声に思わず叫んで距離を取ると、久しぶりの見覚えのある黒小人がいる。
なんか泥まみれであるが、忘れてたけど元気そうですね?
「ああ、なんだティラ君ですか。気配察知にも引っかからないなんてどうなってるんですか?忍者でも始めました?」
「ティラ、忍者は苦手。こんにちは。久しぶり。」
「ええ、お久しぶりです。」
相変わらずマイペースな人だなと思ったり。
喋り方も何でこんなイチイチ区切るような喋り方なんだろう?キャラ作りですかね?それもまたロールプレイの醍醐味でしょうが。
「ティラ、街に入れない。舎弟ずるい。」
「自業自得って言葉知ってます?」
「舎弟も入れなくなれば、いいのに。」
「オイコラ。」
サラッと黒い事を言う。見た目も黒いが。
「じゃあせめて、なんか取引。」
ああ、補給ができないですものねぇ。
「それはいいですが、諦めてお縄についたら?それか今のうちにキャラデリ?」
こんな不便な状況、大変じゃないですかね・・・?
「いやだ。」
ぶすーーーと頬が膨らむティラ君。
ハムスターの様である。
「だって、ティラ、このキャラ好きだもの。消してキャラメイク同じの作っても、同じティラじゃないもの。」
ティラ君の言葉が不意に胸をつく。
ああ、この黒小人は卑怯だって思う。いつもはバカな事ばかり言うくせに、たまにどうしようもなく心に訴えかける様なことを言う。
「そうですね・・・。」
自分だって、アバターロストの危険があると思われる。他のキャラほど不用意に死ねない。
死なない努力はするし、死ぬときは納得できるようなシチュエーションの時しか死なないつもりだけれども、それでもアバターロストしてしまったら。
・・・やはりショックだと思うんだよね。
「仕方ないなぁ。何が欲しいんです?」
気付けばそう言ってしまっていた。自分はこの小人にやはり甘いなって思う。
「美味しいご飯!」
と、ティラ君。何はなくともまずは飯なのか。
「残念でした。影族はご飯を食べなくても死なないので、自分も4日ほど食べてません。」
「つかえない!」
「それが人にモノを頼む態度か!」
「えっへん!」
何が使えないだ!アホか!
「じゃあご飯は買ってくるとして、他には?」
どうせ買いに行くなら面倒だから欲しい物をすべて言うがいいさ。買えるか分からないが。
「おまえは、神か。」
えっ!?そこまで?
舎弟の次は神とか極端じゃない?
今はまだ月も出てますし、移動速度のUP向上のために本気で移動してここに戻ってきたらどれくらいかかるか、試すのもまた楽しいですしねー。
「弾が足りない。石でもいいんだけど威力が足りない。刃が大分痛んでるし、砥石が欲しい。あと、余裕があれば、投擲用のナイフを数本追加でほしい。」
「ポーションとかはいいんですか?」
「自分で作れる。」
「そういえば毒消しいただきましたね・・・。」
自分で作れるのは凄いなぁ。
かといって、自分で生産をやる気にはならないんだよね。
いや、やりだすとそればっかり凝りはじめちゃって、暫く籠っちゃうのが分かる。そっちにエネルギーを傾けるならDPSを突き詰めていた方が楽しいので、そこはサクッと買って済ませたい。やることが無くなったらやるかもしれないなぁ?
「じゃあお代はポーションの方がいいですかね?どっちでもいいですけど。」
「・・・お前は仏か!」
「それ死んでないですか?」
などと軽口をたたきながら、とりあえず街に戻って分からなければメールするという事にした。
「じゃあ行ってきます。」
「おねがいします。」
ティラ君に見送られながら、スキル影移動をオンにし、速度を最大に上げ移動する。
体の輪郭が曖昧になり、体が軽くなる。
体に重力がかからず、圧倒的な解放感だ。
影移動も初めて使った時から比べて、大分早くなった。今では移動速度の2倍程度といったところか。
初めて使ったあの時は、海の中を走って進む様な大変な重たさを感じたけれども。今だとアレがPNTが不足、影移動のレベルも1だし、減らすステータスすら足りていなかったのがよく分かる。
「速すぎ!」
ティラ君からメールが来ていた。
軽く笑ってしまう。
確かに速いけれど、影移動の真骨頂を見てしまった自分だと大したものに感じられない。
ユイベルト様は一瞬で神殿に移動出来た。
普通の人であるはずのアインさんだって、自分を担いだまま街の外までほぼ一瞬で移動できる。
そこまでできる様になるのは、いつだろうか?
中級冒険者は中級職業に就いた者の事を言うのだという。アインさんのレベルは多分百は越えてたはずだ。
初級だってまだまだなのに、中級なんてはるか遠い。
あれが使えたら、世界中を旅してまわれるのではないか。そう思うと楽しくて仕方ない。
まだまだ先がある。
こんなに面白い事が目の前にあるのに、生産にまだ手を染められそうにないな。
そう思ってたら、影移動が切れてズンっと体に重力がかかる。
そのうち、影移動もリキャストが伸びたりするといいんだけどな。
スキルが進化したりとかしないかな?
そう思いながらも歩みは止めない。だが、全力疾走するとVITが切れてステータスが下がるのは蟻で実証済なので、8割程の速度で走る。
しかし、影族だけに移動速度が上がるスキルがあるとも思えないので、代わりになる魔法があったり、もしくはほかの種族だけのスキルがあったりするんだろうなって思っている。
それらを逆に影移動と混ぜたらもっと速くなれるのかな。
そういったスキルのかけ合わせの楽しみもあるし、まだまだ謎は尽きない・・・。
結局VITの兼ね合いもあって、街には徒歩の半分弱くらいの時間で着いた。
まだ昼間の時間帯なので門は混んではいないが、数名はいたので自分も最後尾に並ぶ。
VITがあると、もう少し移動速度を上げられるんだけど・・・うーんもう少しあげておく?VIT。うーん?
でもよく考えたら中級職にジョブチェンジするとステータスが半分に減るんだっけ?どのステータスもとりあえず20くらいまで上げちゃっていい気はする。VITは今のままで上げるかどうしようか悩むくらいだし、とりあえず40までは上げてしまってもいいかなぁといった感じ。DEXは何処まで上げればいいか分からない。今で凄く困ってはいないけれど、スキルとの兼ね合いだしなぁ。今後ヤバい敵とか出てきたらもっと上方修正されるかもしれないし、装備で補えるのなら上げなくていいしねぇ?
INTとかも全く上げてない人はジョブチェンジしたとたんに能力が下限限界を割れてしまい、アホの子になるとかそういう事ありそうだなぁ・・・。ネットでもベータの頃からまとまってる情報だから大勢は出ないだろうけれど、自分みたいに情報を調べない人は絶対いるし、100人くらいのうち2,3人くらいはそういう人が出そうな気がする・・・。そういう時はどうするんだろうね?
MIDが自分にとっては一番の問題かもしれない。あまり低いと魔法に弱すぎてアレだしなぁ。でもどうせ魔法に弱いなら、もう上げなくても同じってなるし、やはり基準が分からない。分からないなら、分かるまで他のステータスを上げてて後で考えればいいか。ダメならアルシオンのテルメさんにでも相談しよう。
その辺りまで考えていたら順番が回ってきた。門番の方に挨拶をし、軽くチェックをしてもらい街に入る。
時間帯的には・・・お昼過ぎか。ティラ君が腹を空かすのもうなずける話である。
しかし、お金もあまりないので、まずギルド行って亀の甲羅などを換金してからですかねー?そうしましょう。
そして、ギルドもそこまで混んでないので早めに換金できた。今回は買取カウンターだけの利用なので、お兄さんと雑談しながら買取ってもらう。出してみたらリスの齧歯が53本もあったので笑ってしまった。亀は最近やる人が少なかったので嬉しいと、有難がられた。あと、亀肉は滋養がつく料理として有名なんだって。すっぽん・・・?すっぽんなのか?
結局の所、買い上げがしめて10万ちょいフラウになった。4日分と思ったらそんなに多くはないよねぇ・・・。でもありがたいけれど。
ちなみに亀のレアドロップっぽいのはそこまで高くなりませんでした。悲しい。
まぁなんだったかって言うと、亀の脂肪だったんですがね。後で調べたところによると美容液や食用に用いられるらしい。別の亀だと美容用で大変高値が付く脂肪もあるのだとか。亀・・・池に浮いているだけじゃなかったんだね、亀・・・。謎が深い。
「こんにちは、最初の影の人。」
買い取りが終わり、ギルドを出ようとしたところで、知らない人に声をかけられる。
なんだ?”最初の影の人”って。
「こんにちは。どこかでお会いしたことがありますか?」
見た目は普通の人族の冒険者の男性といったところ。美形でリアルでもファルディアでもあまりお目にかからない紫紺色の髪をしていて優し気な長身だ。少しエルフの血も入っているのだろうか?耳が長い。でも近接職だろうといった装備。
この感じは多分プレイヤーだろうなって思うけれど。
「ああ、ごめんなさい。掲示板では随分と噂になっていたので、こちらはあまり初めて会う気がしなくて。初めまして。僕はプレイヤーのシオン。今ちょっとだけお時間いいかな?」
と、微笑を浮かべながら穏やかに聞いてくる。
少しは話が通じるタイプかな?と思ったので頷く。少なくとも前回追い回してきた人たちよりは話が通じると思う。
「はじめまして、プレイヤーのサクです。友達を待たせてるので、すぐ終わるのでしたらば大丈夫ですが。」
知らん人が一体何の用だろうね?
どうやってNMを倒したとか?あれは、最後ほぼ兎君がですね・・・グフッ
「大したことじゃないんだけれども、もし君が知らない様だったらと思って。先日ここで君に絡んできた迷惑プレイヤーとして有名な彼らが、君を探しているみたいなんだよね。随分とNPCにも迷惑をかけているみたい。君のせいじゃないというのは、ほとんどの人が分かっているけれど、どんなとばっちりを受けるかも分からないから、行くところがあるならアポリアやアポロディア近辺から暫く離れていた方が良いんじゃないかな、って思って声をかけさせてもらったんだ。板とかでは有名な話だから、もう知ってたり誰かから忠告を受けてるかもしれないけれど情報が被っていたらごめんね。」
うわぁ・・・・ただの親切な忠告だったうわぁ。
先日のアレってあれか。”何で私にドロップくれないの!”って人たちか。あんな人滅多に見ないんだけど、通りすがりに地雷踏んじゃったなぁ。
清々しく”お金下さい”っていう人は割合時々いるけど。
「・・・いえ、先ほどまで籠ってスキル上げをしていたので存じ上げませんでした。ご忠告ありがとうございます。」
ただの親切心で知らない人に声をかけてくれるなんて、ホントいい人だった。感謝して頭を下げてお礼を言う。
「そうか。じゃあ無駄にならなくてよかった。引き留めてしまってごめんね。」
と、ニッコリと笑って手を振りながらスッと去っていった。
こういうのが本当のイケメンだよね!心までイケメン。引き際もカッコイイ。
「ありがとうございました。」
もう一度目礼をし、ギルドを出て市場の方に向かう。
気配察知は入れているけれど、個人識別ってできないんだよねぇ。
嫌な人には会わない方法ってないかなぁ・・・PKですらできるっていってたもんなぁ・・・。できるのはせいぜいBL入れて何を言ってるか分からなくするくらいか。
彼らが何をしでかしているか、全力で知りたくはないけれど、火の粉が飛んできたりお爺さんに迷惑をかけるなら全力で対処しなければならない。
そうなると、証拠が必要ですし、そもそも状況が知れないとまずい。
とりあえずBLは保留にしておきましょうかね・・・。
時間が経ってるから今更彼らの名前も分からないし(憶測でいいなら板を調べればわかるだろうけれど)BLにいれられないだろうしね・・・グフッ。
まぁそれでも、前線はすぐ動いていくわけで、通常は別の所にホットな話題が移っていくだろう。あのNMもすぐに倒しやすい敵になるはずだし、彼らも飽きるのも時間の問題のはず。
ならばよほどのことがない限り雲隠れしたほうが正解かな。
となれば、アルシオンに帰るか、森に籠るかにして、暫く自分の備蓄も探すことにする。
食べるのに困りはしないけれど、たまにはお茶が飲みたいし、月がない夜は火を起こした方が安全だ。カンテラとかだけでも欲しい。ろうそくの方がいいのかな?あ?それとも火打石が先?
・・・と、その前に砥ぎに出せなくなるかもしれないので先にオースィ師匠の所へ。
相変わらずお弟子さんが忙しそうだったけれど、事情を説明して暫く離れるので剣を見てほしいと言ったら快諾してくれた。いい人だ。
「馬鹿やろうが!何を斬りやがった!」
って思ったら、怒られた。亀の甲羅を無理に突いたのがバレたらしい。さすがである。
ここは素直にごめんなさいをし、砥ぎの時間を聞いたところ2時間要ると言われた。その間に準備がそろいそうだなぁ。
そしてせっかくプロが居るので、砥ぎ石について聞いたら、オースィ師匠が売ってくれるとの事。ただ、シュライブングの剣じゃなくて友達が使う投げナイフ用なんですけど、と言ったら素人にも適当に扱いやすいものを売ってくれた。有難い事である。
ちょっと買い物に時間がかかりそうなので、その間に可哀想な黒小人にご飯の差し入れをしてあげる事にする。食べ物は好みが分からなかったので、お爺さんの店の近くで売ってたピタサンドみたいなもの。謎肉が挟まっており、おいしそうだ。ただ、どうしても先日のトンガルーが脳裏をかすめる。あれ、確か脱走した家畜だったよね・・・。確か。まぁNPCと思しき方々も普通に買って食べ歩いてらっしゃる様なので、気にしないことにする。
後学の為、自分の分も入れて2つ購入。あと、水筒の中にお茶を買い入れてもらう。
「ちょっと、自分の買い物もあるので、時間がかかりそうです。先にお腹減ってるかと思って、ご飯を持ってきました。」
「神仏よ~」
先ほどの亀のあたりに戻ると、とうとう自分は2神合体を果たしたみたい。なんか強そう。
そして、二人でお昼の時間。ハムハムと謎肉サンドを食べながら、熱いお茶を飲む。小さいティラ君が謎肉ピタサンドを食べると、とてもピタサンドが大きく見えるから不思議である。
食べながらティラ君に『そういえば、テントなどは要らんのか』と聞いたところ、お金がもったいないと答えられた。いつもはどうしてるのかと聞いてみたら、毛布にくるまって木のウロなどに寝てるらしい。それでも一晩に何度も魔物が出るらしい。それは泥だらけにもなりますね・・・?
この辺だと湖の側は敵がほとんど出ないですと教えてあげると、ティラ君はがぜん興味を示したので、次の待ち合わせはシュンさんの居る湖辺りになった。魔物は出ないが幽霊は出ると言った方がいいのだろうか?
「ところで、兎君は?」
と、至極もっともなことをティラ君に聞かれる。
「なんか、厳つい男性の方が撫でようと迫って逃げちゃいました。森が好きだと思うので、近くには居るんじゃないですかね?」
そう言ったら、なんか腰のあたりをパコパコティラ君に殴られる。
何でじゃ。
「つめたい!つめたい!」
半泣きになってパコパコされる。大して痛くはないけれど。
うーん、そう言われても。
「自分と兎君の関係性って、今の所不明なんですよね?なんかいつも兎君が突然現れて、後頭部に納まって、一緒にいて、気づくといなくなる。そんな感じですね?」
それでも納得いかないのか「うー。」と言いながら涙目で見上げてくる。
子どもを泣かしてるみたいで微妙な気持ちになるから止めなさいな。
「兎君には兎君の自由と考えがあると思いますし、兎君は強いですから。また気が向いたら来てくれるんじゃないですかね・・・。」
自分で言っといて、ちょっとダメージを食らったけれど、動物には無理強いしないと決めている。尊重する気持ちは相手に伝わるかなって。相手がしてほしい事が何かを観察して少しずつ分かり合うしかないわけで。
「うー・・・会いたかった。」
ポツリと、ティラ君は一言そうこぼす。
「そうですね。」
黒小人の正直な答えに思わず少し笑みがこぼれてしまう。
そうですね、自分もそういう気持ちです。
こういう黒小人の素直な面は割合嫌いじゃないんですよね。
―――自分も、兎君に会えなくて、少し寂しいです。




