2-72 スキル上げ
サクさんのマニアックさ大爆発回
ひたすらずっとスキル上げをしてる感じなので、こういうのが嫌いな方は読み飛ばしてください。
先日、幽霊ことシュンさんに別れを告げ、お爺さんをアポリアに送り届けて以来、ここの所数日ずっと北の森に入ってスキル上げをしている。
その数日間、街に戻ってすらいない。往復の手間を考えるのと、街に戻ると別の事がやりたくなってしまったりするからである。
たまにはスキル上げを集中してやりたい。
ここの所、色んなことがありすぎて・・・いや、初めから色んな事が起こったけれど、スキルが上がっていない。自分は小心者だし目端がきくタイプでもない。内田みたいに突然思い立って一極集中なんてことはできないのだ。よって、コツコツやりたいことを事前に計画的に積み上げるタイプなのだが、キャラの屋台骨の一部であるスキルが上がっていないと、非常に落ち着かなくて気持ちが悪い。そして、ここ最近その傾向が顕著になってきている。新しいスキルなど貰っても使いこなせていない。月神様の加護もそう。
落ち着かない気持ちが積もりすぎて、しばらく腰を据えてスキル上げをすることに決めた。
始めの獲物は、プレイヤーに人気がない安定のリスだ。対象のレベルは前回の場所よりもう少し北側の奥地に来てるのでレベルが16~23辺りのリスがいる。これがこの辺りのリスの最強ゾーンみたい。MOBの奪い合いなど、それこそ面倒くさいしトラブルの元である。リスだと自分のレベルも上がってきてるので、街に戻らなくてもPNTの心配程度しかならない。このPNTも月と太陽が出てる時に様子を見ながら種族スキルを上げている。勝手がわかった今だと不安要素はないので、森に籠るという強行軍も成り立っている。影族はご飯を取らなくてもいいという点も大きい。月光日光に当たってれば生命エネルギーを確保できるのである。・・・あれ?PNTって実は生命エネルギーなのか?・・・細かい事を気にしだすと危ないので、その辺りは後日考えよう。
とりあえず、命中確保のために剣術と、回避を中心に上げている。・・・小剣の命中判定必要能力ってこれSTRなのかなぁ?
それらがある程度上がったら敵の攻撃を今度は避けずに受けながら、剣術受けと、HP自然回復を上げる。
ただ受けとHP自然回復を上げる場合は、獲物がリスだとクリティカルを出してくるので自分の紙装甲だと危険すぎる。
よって新しい獲物、もう少し山側に生息していた巨大亀にする。倒す気がないなら、この巨大亀は悪い獲物じゃない。HPと防御力が高く、攻撃力が低め。足も遅いし、いざやになると余裕で逃げられる。どうしてこんないい獲物にプレイヤーがいないんだろうと思ったが、よく見たら亀のレベルが31だった。プレイヤーのレベルの進んでる方で20台前半と聞くので、これから混んでくるのだろう。攻略組はこんな亀でちまちまレベル上げるよりも、先に進んでスパルタ教育でもしてるんだろうしね。というか、盾が交じると多分逃げられない可能性が高いからだとも思う。そしてプレイヤーのレベルが40辺りになったら、この亀は大人気になりそうな予感がする。そうなったら自分には使えないので、今のうちに使わせてもらいましょうね。っていう事で亀の攻撃を受けて一発食らって回復している間に、回避しながら別のスキル上げって状態にしている。
この亀が結構楽しい。
倒す気などサラサラなかったんだけど、HP自然回復を待っている間は暇である。亀の甲羅の隙間や、柔らかい部分を狙って当てるゲームになりつつある。
未だダメージ計算の式が確立していないので、このゲームはどういう判定になってるか知らないが、現実の武器だと普通武器のダメージは3種類に分けられる。すなわち『斬り』『突き』『叩き』攻撃である。斬るのは包丁や日本刀など普通の刃物と一緒。引く力を利用する。突きはアイスピックやフェンシングなどがイメージしやすいだろうか?一点集中のダメージである。叩き攻撃は、金づちなどもイメージされやすいが、西洋の大剣などはこちらの属性の方が強い。重量に物を言わせて肉を叩ききるのだ。シュライブングの剣はどちらかと言えば小剣に近いし、叩き攻撃ではダメージが出づらい。必然的に斬る事を意識して使っているが、どうしてもダメージが軽くなりがちである。しかも今回の獲物だといくら自分が筋力にものを言わせて振ってるからといって、2周りは格上の相手だとダメージを期待できない。よって、意識するのは突きになる。エストック程のダメージは出ないだろうが、割合細身で薄い刀身のシュライブングの剣ならうまく入ればダメージが期待できる。しかも、今回は獲物がでかいので、その分弱点の箇所もでかいって事で。
亀の足と甲羅の隙間など柔らかそうなところを狙ってチクチク刺していたら、いつの間にか動かなくなっていた。HPのメーターと避ける事ばかり考えていたので、敵のHPを見ていなかった。
上がるレベル。
しまった・・・。またスキル上げをしなければならなくなった。
月が出てきた辺りで亀に影纏も出してつついてみる。
PNTの減り具合も少ない模様。それでも怖い事は怖いので、安全マージンを大きく取ってPNT的倦怠感?減ってきたなと思ったら当分使わない。が、やはり影纏のスキルレベルは上がらない。難しいスキルである。
体術系はとりあえずその辺りを中心に上げている。
でもやはりメインは”魔力感知”である。
近接攻撃職が魔力感知必須っていうのも他ゲーム的に考えればとても変な気もするけれど、月属性には必要なのだから仕方ないって事でシュンさんを信頼して取っている。多分、このゲームではきっと魔力感知を生かせると思うのだが、今までのゲームの常識的な違和感はまだある。
しかし、この”魔力感知”というスキル。意外とレベルを上げづらい。
取得した当初はポンポン上がってたので上がりやすいスキルなのかと思っていたが、とんでもない。ここの所、常時魔力感知を切らず、戦闘中にもONにしている。だけど、気配察知よりも上がらない。この現象は、自分のジョブが近接物理職だからだろうか?一緒にあげていた他のスキル、回避や受けや剣術がある程度上がった後でも、魔力感知は上がらない。おかしいなあと思いつつ休憩を入れて魔力感知をして風景を楽しんでいると、休憩の時に一つレベルが上がった。
これは・・・と思い、今度は楽な体勢のまま、魔力感知をより意識する。
なんとなくその場で胡坐をかく。
なるべく魔力を感じ取ろうと、姿勢をただし、呼吸を整える。
呼吸が深くなってくると共に、少しずつ見えてくる気がする、何か。
頬を撫でる優しい風。
その風にあおがれ、揺らした葉から零れ落ちる露。
露が大地に零れ、染み込み、大地の力となってゆく。
全体の営みを見守る空の煌めき。
そこに木漏れ日として降りそそぐ日光の暖かさ。
太陽に寄り添うように、いつの間にか白く優しく恩恵を授ける月。
色や性質が違うけれど、変化し、混じり合い、響き合い。
本質は同じ、それら。
そうやって魔力の流れに気をかけていると、気づけば数時間経っている。
これには驚いた。
そして魔力感知は嘘みたいに更に2つ上がっていて、ついでに【瞑想】というスキルも生えていた。
先ほどまでの苦労は一体何だったのか・・・。
スキル【瞑想】の効果は、”心を研ぎ澄ませ、無心になるほど回復力と命中率が上がる”というものだった。回復力は分かるけれども、命中率?戦闘でも使えるのかこのスキル。たまにゲームとかで似たようなスキルを見るけれども、実際無心に戦闘するってすごく難しくないかな、って思うんだけれども・・・。
とりあえず、当分魔力感知とセットで瞑想は上げることにする。瞑想みたいなことをして瞑想を上げるとはこれ如何に・・・っていう感じですが。
しかし、上げるスキルがドンドン増えると嬉しい反面困ってしまうよね・・・。既にちょっと追いつかなくなってる気がする。
結果的に分かったのは、戦闘で上げるべきスキルと休憩で上げるスキルは違うって事だ。しかし、当たり前の事に思えるけれど、実際やってみないと気づかないことも多い。
例えばスキル毒耐性は、戦闘中の方が上がりやすいのか、それとも無理せず休んでいた方が上がりやすいのか?・・・・・上がる上がらない以前に、自分が死ぬ予感がしてしまう。全力で毒消しが欲しくなる。
話はそれたけれど、”魔力感知”については、多分休憩で上げるべきスキルって事だ。いや、言い方が不適切かもしれない。おそらく『魔力を感知しないと上がらないスキル』なのだろう。剣術でいうと、剣を当てた成功判定があって初めてスキルの上昇の抽選が始まるとかそういう感じかな。
戦闘中に魔力感知をしても、後衛の集中が出来るポジションならばともかくも、前衛だと相手の動きを読んだりする方に忙しい。
よって、自分の場合は多分休憩中に集中してあげるべきなんだろう。スキルの上げ方の違いの発見とか面白いなぁ・・・。色々検証してみたくなるけれど、これもまた後で。
ところで、影移動と走り込みもして、VITを上げる走りではなく、瞬発力をいかに出すかそういった走りをしていたところ、【走法】というスキルも生えた。【縮地】ではないのか・・・。効果は、走った時の移動速度UPスキルである。これは単純にありがたい。確かに移動速度の上限を上げられないかなと思って走っていたので、合っていると言えば合ってる。縮地もそのうち出ないか検証してみたい所。これも後回し。
普通の影移動に飽きてくると、次に”いかに静かに敵にばれずに走るか”という点に拘って走ってみた。そうしたところ影踏と軽業、方向感覚のレベルなどが上がっていた。一般スキル、方向感覚も戦闘のアシストをしてくれる疑惑が出てきた。しかし、やはり気配希釈のスキルは上がらなかった。ファルディアの気配希釈は戦闘用の模様。非戦闘用はやはり隠密とかなのかな。
そして、種族スキル。
影変化に影質量増加、影硬質化を重ね掛けして素振りをしてみたり、リスを倒してみる。だがしかし、やはり種族スキルはなかなか上がらない。以前上がっていたのは何だったか?
確かにスキルは初期の頃の方が上がりやすくはある。種族スキルが上がった時は、大概死にかけていたとか、必死だったとか、そんな時だった気もするし、ヤバい状況しか思い出せない自分も何だかなぁって思う。そして、影変化をかけたり、影質量増加をしている様はなんか筋トレみたいだな、って思って気づく。”実際その挙動があるんじゃないか”って。つまり、ONTと連動している種族スキルは、種族スキル全てが当てはまるか不明だが、筋トレの様にONTとスキルが上がっているのではないか?という仮説を思いつく。使用した後にすぐレベルやONTが上がるのではなく、次のレベルになった時など時間差があるのではないか?スキルレベルはともかくも、ONTはその可能性がある。何たって能力値だしね。そして、ONTは影族にとってもはや生命線である。表記に出て来なくても死ににくくなるし、緊急のカンフル剤の役目も果たすし、多分ONTが高くないと使えない技があるはず。スキルはすぐ上がらなかったとしても、何よりONTは上げておきたいので、可能な限りPNTを消費したほうがいいのだろう。
なるべくPNTを消費しない方が安心ではあるが、これは悩みどころである。ログアウト前に宿屋で消費っていうのが一番いい気がするけれども・・・。うーん、とりあえず今日は無理せずに使う事を意識するくらいに留める。倒れたら元も子もないしね。
そんな事をファルディアで3,4日続けていると上がっていないのが種族スキルを除いて、スキル手加減と、種族系スキル、精神耐性系スキルとそして毒耐性くらいになってきた。精神耐性系スキルは独りじゃ上げられないし、毒耐性も一人でやるとうっかり死にそうで怖い。あと毒消しも探さなければならなくなる。
手加減は上げる必要ある・・・?っていう気持ちもあるけれど、有事の際に急に必要になるのがこのスキルである。殺したくない人を攻撃する時に、うっかり殺してしまったら目も当てられない。この先使わないに越したことはないが、スキルとしてあっても困らないだろう。って事で、一応ある程度上げておくことにする。もっとも適正値がどの程度かは分からないが、この辺の格上の敵で仕損じ無くなればまずまずじゃないだろうか。と、いうわけで手ごろなリスから徹底的に手加減とクリティカル狙いで瀕死の気絶にさせていく。初めは成功率が体感で3割くらいだった。危ない所である。徹底的にやり、レベルが10を超える頃には8割くらいになって、それからあまり成功率の上昇を感じられなくなったしレベルも上がらなくなった。リスだとこの辺りが限界なのかもしれない。瀕死で転がして目が覚めたリスたち13匹くらいに追い回されながら考える。もしくは、レベルによって同格だと一定以上の失敗率が付きまとうかって所かもしれない。恐ろしい事にリスのレベルをほぼ自分は越えつつある。そろそろ新しい獲物を探しに行かねばならないかもしれない。亀はレベル上げとしては、まだまだだけれども・・・
そうだ、やはりスキル上げ検証に亀に行こう。と思い、ほぼHPが1ミリしかない大量のリスを一撃でやる方法を考え、影変化+影硬質化+影纏で13本の槍を生み出し、一気に屠れるか試す。13本も影の槍を作ると体がほぼ原形をとどめない。内臓で攻撃している様な変な気分だ。それともONTが上がればもっと自然になるのかな?
結果的に7匹は仕留めることができた。
だが、6匹は避けられた。初めての試みだし、まだまだ影のコントロールが甘い。再度の攻撃でさらに2匹始末したが4匹は生き残った。スペースが開いてリスが避けやすくなったのだろう。PNTの消耗を感じてきたので、残りは剣で始末をつける。
ここで再びレベルが上がる。
今上がってレベルが27になった。能力の上がり方を見ていると、そんな悪くない・・・気はする。ここの所INTなんかも上がっていたので、この先他のスキルを勉強したらきっとINTがもう少し上がってしまうだろうし、STR、AGI、たまにVITが上がっている今回のスキル上げ・・・という名のレベル上げ?は悪くないと思う。
思った以上に緊張をしていたのだろう。フゥっと思いがけず自然とため息が出る。
完全に能力を全振りしているわけじゃないが、今の所、ソロとしては上手くいってるのではないかと思う。結局の所バランスなのだ。必要なものに最小限に能力を振って、あまりは全て一つのパラメーターに振るのが強いキャラともいえる。そう、普通のゲームでは。
ファルディアはスキル制もあり、スキルの組み合わせがこの常識を覆す可能性がある。逆に言えば多少の能力値の甘さも、スキルの組み合わせ次第で長所に行かせる可能性があるという事だろう。すなわち自分の場合で言うとトリッキー枠の”魔力感知”がそれに相当する。『一体何の役に立つのか?』それを調べるのも、一つのゲームの楽しみだと自分は思うのだけれども・・・。
魔力感知、実は誰にも言ってないけど、どう生かせるか検証するのが、今から非常に楽しみなんだよね・・・。ちょっと恥ずかしい。もっともNPCの方以外には誰にも魔力感知を取ったと言ってないのだけれども。
自分のこういう欲求は検証班向きなのかもしれないけれど、実は検証したものを人に見せたいとかそういう欲求は皆無である。秘匿して得をしたいなどとは思っていないのだが、自分の情熱が知る事で完結して満足してしまう。正直人が分かるようにまとめることも面倒くさいし、他人と情報をやり取りする事も面倒くさい。それだったら新しいスキルを試してみたくなる。
こういった性質はじいちゃんの影響なのかなぁと思ったり思わなかったり・・・。
じいちゃんは他人どころか身内ともコミュニケーションが少なかった人だからなぁ。
まぁそれはさておき、大分疲れてきたので亀に向かいつつ、どこかで休憩を挟むことにする。
休憩したら、次は亀で手加減を試してみましょうね。




