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ふぁるでぃあにっき。  作者: コミヤマミサキ
7月 ~ファルディアと日常~
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2-5 目覚め

 



 影人は ある日 突然産まれる



 ―――どうして 自分は生まれてきたんだろう?



 親や 兄弟 血縁もいない


 大概 どこかの闇に 突然生まれる



 ―――どうして 自分は生まれてきたんだろう?



 生まれながらにして 力を使える影人は


 生まれながらの 戦士であり


 生まれてすぐでも モンスターに引けをとらない



 だがしかし、 生まれてすぐに死にやすいのもまた影人である。



 ―――どうして すぐ死んでしまうのに生まれてきたの?



 心せよ


 心せよ


 これは警告である



 ―――警告?



 影は光無くしては生きられない


 ―――光?



 影は闇に非ず


 影は光在っての影なのだ


 心せよ


 影は闇に生きるものに非ず


 ただ


 ―――ただ・・・?



 ただ 影は 光の隣人である


 心せよ


 心せよ


 ―――・・・・・…







 ―――――――――――――――――――――


 暗い暗い闇の底


 いや、意識が重いのか?


 今、何か声を聞いた気がする。


 意識がぼんやりとしていて頭が回らないのに非常に重要な何か。


 寝起きで重大情報を聞いたのに理解できない様な感覚。


 思い出そう。思い出さなければならない。


 億劫な気持ちを必死に抑えつけ、意識を向けると急速に何かが集まる感覚がする。

 だが、しかしすべては闇のままだ。


 ―――いや、視界も闇なのだ。正確には暗闇に自分が『いる』事が分かる。


 これが闇視なのだ。ストンと何かが腑に落ちた。

 自分はそういう存在だという、納得が。

 いや、今はその事じゃない。確か――


「影は光の隣人である?」


 そして『影は闇に在らず』と『影は光在っての影』だったか。



 何者かの【警告】。



 プロローグ調だったから、システムさん的な何かなのだろう。

 ということは、暗闇の中に今まさに自分は「生まれた」のか。

 他の種族が赤ん坊から始めるとも思えない。いくら影族が生まれてすぐ戦えるとはいっても、影人だけ意識朦朧の中、出産赤ん坊スタートとかハードル高すぎやしませんかね・・・。


 とにかく、辺りを見渡す。

 何も明かりのない真の暗闇のはずなのに、意識を凝らして見ると、うすぼんやりと物の輪郭はわかる。辺りは岩肌の様なものが続いてる。ここは洞窟・・・?なのか?暗くても見えるなんて蝙蝠にでもなった気分だ。


 暗闇に生まれたにもかかわらず、急に色が恋しくなった。

 そう、まず色だ。

 闇視は輪郭はわかるが、色はあまり分からない。ここはモノクロームの世界だ。黒の濃淡だけで表現された世界。


『生まれてすぐに死にやすいのもまた影人である。』


 不意に、先ほどの声が脳裏によみがえる。

 ゾクッとした。

 そう言えば肌寒いなどとは感じなかったが悪寒だろうか?


 つまり、ここにこのまま居たら、すぐに死ぬ存在なのだ。影人という者は。

 急いで離れるべきだなと算段をつけていると、


 体の芯まで凍える様な気持ちになった。


 ――――――????何だこれは!??


 胸のあたりがとても冷たい。凍えそうだ。

 と、思ったら急に岩がぶつかってきた。と、同時に聞こえるドサッッと何かが倒れる音と衝撃。


 ・・・いや・・・これは・・・



 ザリィ!


 砂を勢いよく踏みしめるような音。そして――――


「ヒャハハアアァアアアアア!!!!!、経験値がうまいなあぁああああwwwwwww笑いが止まりませんわ!ご馳走様でーすwww」



 耳障りな、誰かの声。



【あなたは特殊エリアにおいて、プレイヤーキルを受けました。ゲーム時間15分後に再リスポーンします。】


 と、文字さんが視界端の脳内ウィンドウに表示される。

 あ、まだ付き合えるんですね。お疲れ様です。


 いや、そうじゃなくてさ。

 声を大にして言いたいんだけど言っていい?



 生まれて10秒やそこらでプレイヤーキルされるとか、クソゲーもいいところじゃね????!!!


今回は短く、次回は長め。

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