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ふぁるでぃあにっき。  作者: コミヤマミサキ
7月 ~ファルディアと日常~
29/444

2-28 コリエ平原 1

 というわけで、エルフのお姉さんオススメのギルドで安めに売ってる(らしい)、アーブの革製リュックを購入。どちらかと言うと、大人っぽい横型ランドセルみたいな感じ。

 もっと登山的なリュックを想像していたんだけど、近所に狩りに行く程度なら空間拡張が付いているこれの方が便利だし戦闘時に動きの妨げにならないんだって。インベントリの枠が10→35に増えました。やったね!これで少し遠い所にも、狩りにいけるというものです。

 あと、靴だけは買いました。

 影族の仕様なのか、ファルディアの仕様なのか。足の皮?が頑丈なのか靴を履かなくても今まで痛くないからそこまで気にしてなかったんだけど。実際、影の街(下)でも靴を履いてない人は多かった。

 でも、森歩きして思ってたんだけど、虫とか、動物の落し物とか気づかない間に踏んでたらどうしようかと。一回ベリーの実を踏ん付けたんだよね。

 なので冒険者としての装備にはならないけど、防護に+1つく程度の靴を購入。一番安い中古の靴だけど、人としての気休めだ。



 そしていまだに服を着ていませんが、決して全裸ではありません。


 多分・・・。



 かかったお金は靴とリュックで、しめて55800F。

 残金2000F弱。もう一回狩りに行くしかないですね・・・。

 早めに人類としての尊厳を取り戻すため、服(装備一式)を手に入れたい。


 残金がこれだけじゃ、ご飯代くらいしかならない!って思ったんだけど、そういえばよく考えてみるとご飯ってあんまり食べた事がない・・・?お腹がまずそんな空かないんだよね。

 食べようと思えば食べられるんだけど常に腹6分目みたいな感じ。そもそもメーターとしてないのかな?

 それよりも、何か足りない!って思う時はやはり日光とか月光とか”光”だ。やはり影族に光は重要なファクターなんだろう。


 ていうか、影族ってホントは植物じゃないの?

 ねぇ、光合成してない?


 とか余計なことを考えつつ、ひとしきりギルドの情報を確認する。

 概ね、入り口近くの掲示板に最も大事な事とかは書いてあるのだ。

 それとは別に受付のお姉さんにも聞いてみたところ、とりあえず危険な生物の流入やら、生態系の変化など特記事項はないとの事。買い上げは自分がアーブを下ろしたので今度は別のをおねがいね、とやんわり言われた。エルフの森はアルシオンから見て東側だと言うが、北側の平原はコリエ平原というそうで、少しだけエルフの森よりもモンスターが強いらしいが初心者向けのフィールドだという。そこがおすすめよ、と言われた。

 その次がノストロ平原と、プーロの森。アルシオンから見て南の方だ。

 モンスターの情報も普通の物は仕入れたので、聴いたものを倒せばまず間違いないとのこと。違うものでも、襲われた場合は人命が優先されるので問題にはならないが、初心者は危ないから逃げなさいと言われた。

 そりゃそうですよね・・・。初心者ですし・・・。



 そういえば、狩りに夢中になってしまって、ステータスという概念を忘れていた。昨日などの狩りでいくつかレベルが上がっている。昨日は通知を切って狩りをしてたので、ちょっとご飯を念のために腹にいれながら確認することにする。


【ステータス】

 キャラクターネーム:Saku

 種族:影族

 性別:不明

 身長170cm

 職業:戦士 Lv7


(能力値)

 HP  38

 MP  20

 STR 32

 VIT 10

 DEX 9

 AGI 16

 INT 7

 MID 8

 ONT 14

 LUK 10


(スキル)

 《種族スキル》

 闇視


 《ノーマルスキル》未使用SP 4


 剣術   Lv.2

 体術   Lv.2

 回避   Lv.4

 剣術受け Lv.2

 気配察知 Lv.3

 影移動  Lv.2

 影変化  Lv.1

 影硬質化 Lv.1

 精神苦痛耐性 Lv.2

 精神汚染耐性 Lv.3

 大陸公用語  Lv.10


 《ユニークスキル》

 主人公体質

 第六感

 時折目が疼く


(称号)

 苦痛に耐えるもの ユイベルトのお気に入り 


(だいじなもの)

 神器 ユイベルトの指輪


(借金)

 金貨15枚 テルメ

 金貨1枚 冒険者ギルド



 これが現在の所の自分のステータス。一撃必殺で倒してたせいなのか、STRが相変わらず伸びている。変わってAGIはいまいちといったところ。その代わり他のパラメーターが少しずつ伸びている。スキルでは受けや回避、剣術が上がってるので、もっと伸ばしたい。そういえば、せっかく取ったのに影変化と影硬質化、全然使ってなかった。剣が使えない敵に効くんじゃないかと思うんだよね。MJKBY氏は、影変化を使って加速させてたんじゃないかって気もするんだよね。こう、縄をかけて引っ張る的に?素のAGIなのかもしれないけれど、そこはそれ。できないよりできる事が増えたほうがいいし、せっかくの影族なのだもの。色々試してみたい。スキルはとりあえず、今日の所は今すぐほしいのが思いつかないし、このまま保留にしておく。



 じゃあ今日は、午前中はファルディアで午後は勉強してそれからばあちゃんの買い物って感じかな。となると、ログインして30分くらい経ったからファルディア時間であと5.5時間ほどですね。

 コリエ平原の方に出発しようか。


 ・・・あ、忘れてた。

 ポーションか薬草の類も少し持ってかなきゃ。

 ギルドで売ってるかな。



 ――――――――――――――――


 ギルドで1000Fでポーション1本購入した後、アルシオン北の門からコリエ平原を目指す。というか、出てすぐがもう平原である。

 何が言いたいかと言えば、ポーションがいくら何でも高いし、高すぎるし、高い。そして平原って聞いたから、もっと楽なフィールドをイメージしていたけれども、草が腰下まであって視界が効きづらく怖い。何がいるか分かりづらい。


 門を出たすぐのところで微妙な顔をして考え込んでいたせいだろうか。エルフにしては厳つめの門番のお兄さんが「ネズミどもには気をつけろよ!気配察知全開でいけよ!」とサムズアップをして教えてくれる。

 サムズアップは場所によってもボディーランゲージとしての意味が勿論異なるのだが、お兄さんがイィ顔をしてこちらを見てるので良いほうの意味だと思う。

 まぁ文脈から察するに「頑張れよ!」って感じかな・・・。


 軽く会釈をして、「頑張ります。」と言ってとりあえず道なりにゆっくりと慎重に進む。

 気配察知に慣れたらもっと道がない所にも行ってみようかと思う。


 周囲を見てもプレイヤーらしき姿はとりあえず見えない。


 アルシオンスタートが珍しいのか、それとも自分が出遅れ過ぎたのか。

 しかし、MOBの姿も見えないから、狩場としてまずいのか?しかし、それならギルドのお姉さんが教えてくれるはずないし?と考えながら歩いてると、門から100M程、道なりに来た所で気配察知に引っかかるものがある。草の中、小さい生き物。遅れて、耳にもカサカサという音が聞こえてくる。

 大きさからして、大型の猫くらい?

 いや、何となくカピバラっぽい?これが噂のコリエ平原のネズミなのかと思い、警戒態勢を深める。


 ・・・とほぼ同時に背後に感じる悪寒。

 気配察知には引っかからないのに、ヤバい事だけは分かる。


「・・・!??」

 こういう時は、四の五の言わずに避けるに限るとMJKBY氏のおかげで第六感の使い方が磨かれてるような気がする。全力で前に体を投げ出すと、後ろの先ほどまで自分がいたあたりに、ジュッっという何かが焦げるような音とビシャッっという粘性の液体を撒いたような音がする。明らかにヤバい感じをプンプンと第六感が伝えてくる。


【気配察知が4レベルに上がりました。】

【回避が5レベルに上がりました。】

【体術が3レベルに上がりました。】


 そして1回不意打ちを避けただけなのに、猛烈に上がるスキル。

 それだけでヤバさが伝わる。というか、気配察知で感知出来てないからね!?

 それでも対象を先制攻撃で認識したせいだろうか、気配察知が感知をする。

 先ほどの感じていた大き目のカピバラみたいな生き物?と同じくらいの大きさの生物だ。硬質で細い・・・。虫の類だろう。そして目視でも確認する。赤茶色い蟻だ。・・・・それも4匹は見える。


 やばい。

 1匹しか感知してなかったのに4匹もいるのもやばいし、アリなんて1匹いたら4匹どころかうじゃうじゃいそうだし、1匹でも死にそうなのに4匹でも死ぬ気しかしない。


 ちなみに、先ほどタイマンを挑もうとしていたカピバラ?さんは、蟻のせいか自分が前に飛んですぐに逃げ去っている。機動力がうらやましい。


 ギチギチギチギチ。


 警戒音だろうか?聞きなれない音がする。

 蟻の顎と触覚が虫っぽく(いや、虫なんだが・・・)動いている。

 アレは顎で出している音?



 蟻がひとしきり周囲をうかがったんだろうか?

 そしてこちらを見た気がした。

 しかも4匹全部。


 膨れ上がる第六感の警告(悪寒)


 やばいやばいやばい!

 とりあえず100M全力ダッシュを頭で考える前に体が勝手に動いて始めていた!


 ・・・これほぼ町の前だけど、町までモンスター連れてくことになってモンスタートレインとかになる?!


 余裕がないが、戦犯にもなりたくないので、門番のお兄さんに大声で声をかけながらダッシュをすることにする。


「な、なんか凄いの出たんですけどぉおおお???これどうすればいいですか~~~~~!!!!」



 こちらを何となく注視してくれたんだろう門番のさっきのお兄さんが、慌てて全力ダッシュしてくる自分にすぐ気づいた。そして、さらに自分が逃げてきた先をみて、火をつついたように大騒ぎになってるのがこちらからも見えた。


「ジャイアントソルジャーアントだ!!!!!」

「バカな!?時期じゃないだろう!?」

「何でこんなところまで!」

「町の中に入れるな全滅するぞ!?」

「風魔法使い呼んで来い!薬士もだ!!!」

「火は使うなよ!」

 物見櫓はカンカンカンカンカン!とすぐ鐘を打ち鳴らし始める。


 やべー。

 なんかすごいヤバ~い雰囲気。


 ジャイアントソルジャーアント?

 超でかい軍隊蟻ってこと?軍隊蟻ってあれだよね?アマゾンにいるヤバいアリじゃなかったっけ?牛ですら殺すっていう・・・。


 自分、狩りに出ようとちょっと門から出ただけだよね?


 あれ?自分が戦犯?


 あれ?


 焦ってると再び悪寒が発動!?

 これ以上速度を上げられないので、全力でこちらも影移動を発動させる。

 発動したとほぼ同時に、先ほどのビシャッとしたものが飛んできて体をすり抜け地面を焦がした。


 蟻だから、蟻酸(ぎさん)か毒なのかなぁ・・・。うわぁ。当たったら死にそう・・・。

 しかし、悪寒が急速に遠のく。


 あれ?


 敵視が切れましたか・・・?

 一応まだ全力で影移動はしているが、危機感は殆ど感じなくなった。


 少し余裕が出たので、軽く後ろを振り返る。

 どうやら蟻はこちらを見失っている模様。

 こちらの方向を見ていないでしきりに触角を動かしている。


 影移動だと、ジャイアントソルジャーアントには感知できない、のかな?


 とりあえず、有用な手段がひとつ分かったことで安心をする。


 後、リンク切れたから自分は戦犯じゃないよね?(ここ大事)


 だって初めからほぼ町の前にいたし・・・。


 よくわからないけど、全力でとりあえず影移動の効果時間全部使って門まで移動しきった。


 やばかった。


 ゼイゼイ言ってへたり込んでいたら、


「よくやったな!」

「初心者でたまにアイツらに出くわしてやられるやつも多いんだ。隠密性高いから!」

「この時期は普通もっと岩砂漠の奥地にいるんだが。」

「レベル7じゃ普通死ぬよなー!」


 と明るくサムズアップして言う門番さんたち。

 いや、それそこで使うところ?


 と思ったが、疲れすぎて声に出せない。


 ステータスもよく見ると虚弱が付いている。

 全力ダッシュの弊害だろう。

 息切れると虚弱がつくのかぁ。。。VITも大事だよなぁきっと。

 一瞬で終わる力が無ければ、持久戦だもんなぁ・・・。


「あいつらは、目がみえないから匂いや振動を感知してるんだ。影移動で霧みたいになったから見失ったんだろう。」


 とのこと。なるほどね。アリに影移動は有効、と心の中でメモをする。


「アイツらと出くわしちまったことはお前にとっては不幸だったが、町にとっては幸いだった。町に入り込んでたら何人も死者が出てたかもしれん。後は俺たちに任せて、掃討が終わるまで町から出るんじゃないぞ。」


 と門番のお兄さんにワシャワシャ頭をなでられて、急いで町の中にいれられた。まだ衰弱がついてフラフラだったので、また米俵だった。


 何時になったら米俵から卒業できるのか・・・!いやその前にフィールド自体が封鎖されちゃったみたいなんですけど、レベル上げとか何時になったら行けるのか!?


敵視・・・ヘイトなどともいう。敵からの敵対視線のこと。多ければ多いほど一番に狙われやすい。したがって、周りに誰もいなければターゲットからロックオンされている状態。


戦犯・・・スポーツやMMOなどにおいて敗因になった原因とされる人。真に原因かはさておき、やり玉に挙げられる人の事である。

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