2-18 はじめてシステムを見た
内田とはリアルで分かれてそれぞれログインをする。
ログインしたら、ファルディアでも昼間だった。
窓から降り注ぐ光が気持ちいい。
ゲーム内時間を確認すると丁度お昼前くらい。
そういえば、影族はご飯を食べるんだろうか?
日光とか浴びていれば死なない気もするけど、リアルでお昼をたべて、またゲームで昼を食べても変な気がする。
必要ならば食べるけどね。
部屋の中にはテルメさんはいなかった。
また怒られてそのままイベントになだれ込んでも困るので、可能な限りこの部屋で確認をしようと思う。ステータスとか。システムとか。
まだ一度も見てないのかよっていうね。
えーと・・・?
確か内田が言うには、右手をゆっくりと水平にきるんだったか。
もしくは、ステータスというとのこと。
すー―――――――と右手をゆっくり水平に切ってみる。
何となくおっかなびっくりな感じ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・。
ステータスは出てこない。
なんでじゃ!
まるで初めてスマフォをもってスワイプできない人みたいで、恥ずかしくなる。
誰かに聞かれても恥ずかしいので、右上に常駐してる文字さんに”ステータス見せてください!”と心の中で強く念じる。文字さんならきっとやってくれるはず!
フォン。
軽快な電子音を立てて、簡単に薄い水色のメニュー画面がでてきた。
やったね!文字さんありがとう!
画面に出てきたステータスは以下の通り。
【ステータス】
キャラクターネーム:Saku
種族:影族
性別:不明
身長170cm
職業:戦士 Lv.4
(能力値)
HP 33
MP 16
STR 26
VIT 8
DEX 7
AGI 14
INT 6
MID 7
ONT 12
LUK 10
(スキル)
《種族スキル》
闇視
《ノーマルスキル》未使用SP 6
剣術 Lv.1
体術 Lv.1
回避 Lv.2
剣術受け Lv.1
気配察知 Lv.3
影移動 Lv.2
精神苦痛耐性 Lv.2
精神汚染耐性 Lv.3
大陸公用語 Lv.10
《ユニークスキル》
主人公体質
第六感
時折目が疼く
(称号)
苦痛に耐えるもの ユイベルトのお気に入り
(だいじなもの)
神器 ユイベルトの指輪
(借金)
金貨15枚 テルメ
金貨1枚 冒険者ギルド
借金まで、ちゃんと出てきました。大変分かりやすいです・・・ありがとうございます・・・。
まず、能力値。STRとAGIの伸びがすごい。特にSTR。戦士だからだろう。VITが次に伸びてきてるかな?でも影族だからかな?すごくは伸びてはいない。っていうかSTRが伸びすぎなんだ。まぁ自分には都合がいいけどさ。
スキルは体術が生えていた。あれだけ蹴る事ばっかりしてたらね!逆に戦士4レベルなのに剣術がピクリとも上がってない・・・というかまだ剣を持ったことすらない。
回避、影移動、気配察知もレベルが上がってる。純粋にうれしい。
気配察知は、難しい格上の気配を察知できるとレベルがより上がる気がする。気のせいかな?
取った覚えのない大陸公用語がレベル10っていうのもある。これは普通の地上の種族とかはみんな持ってそうだ。これがあるから色々なNPCと問題なく話せるのだろう。書く方は何を取ればいいのかなぁ。
レベルが3も上がったおかげで、SPが増えててこちらもホクホク。
何に使おっかな~。あ、でも影変化と影硬質化とらなければ・・・これで終わるか。がっくり。
忘れないうちに、影変化と影硬質化を取ろうと思い、未使用SPの所を触れてみると、取得可能なスキル一覧が出てくる。影変化はSP3、影硬質化もSP3だったので取得すると丁度SP0になる。嬉しいのだか、選べなくてつまらないといった所か。ちなみにアインさんの使った影侵食はやはりなかった。中級ジョブ以上のスキルなんだろうな~。生えたらどっかで取らなきゃ。
影変化を念じてみる。みょい~~~んとイメージ通り細く長く、指が伸びる。これはちょっと面白い。次に、伸ばしたまま影硬質化をイメージ。凄く硬くなった気がするが、これは結構集中力がいる・・・!走ったりしたら硬化か変化どちらかが切れてしまう気がする。
これでPKをしまくってたMJKBY氏は腕だけはよかったのだろう。やはり・・・。
などと思ってると、脳内スクリーンの右下の方が点滅してる事に気づく。
メールマークのそれを触ってみると、ポップアップが出てくる。
【プレイヤーネーム:アクティスさんからフレンド申請が来ています。】
【受諾しますか? YES NO 】
アクティスとは、内田のよく使うPNだ。何でアクティスなのかは知らないが、造語らしいのであまりネームが被らなくていいんだという。それはそれで便利そうだ。
YESを選択する。
【アクティスさんとフレンドになりました。】
まぁ元からフレンドだけどね。
今更ちょっと恥ずかしい。
すると、再びメールの所が点滅する。
受信ボックスに未読メールが1。
【アクティスさんからメールが来ています。】
そのメールを押してみると文字と一緒に声が聞こえた。
「承認がおっせーよ!」
・・・・。たったそれだけらしい。
声も聞こえるのか。便利かな?どうだろう。
返信ボタンを押す。
「夕飯呼びにきてやらないからな。」
とりあえず脅しておく。
すかさず返信が点滅。
「申し訳ございませんでしたorz」
orzは読み上げられなかった。
向こうで出した声をそのまま文字に変換してるのかなぁ?
凄い技術だ。
「リアル19時になったらログアウトするように。」
と返信しておくと
「ウース!」
と返事が来たので返信は返さなかった。
返事だけは良いが、おそらく時間をわすれるだろう。
目の前で会話するよりいもタイムラグが1、2秒ある感じがする。ファルディア内でも遠い場所にいるからかもしれない。
ステータスチェックの続きだけど・・・
この、称号のところ、ユイベルトのお気に入りって称号いつ取ったの!ねぇ!?
まぁ、お気に入りといっても、笑い袋としてのお気に入りだと思うけれど。
しかも称号ってどんな効果なんだろう?ただの集めるだけの性能のないものなんだろうか?
その辺、ゲームによって違うんだよね。
ログアウトした時にネットで調べようか。
と、思って『苦痛に耐えるもの』に触れるとポップアップが出現する。
・・・詳しい説明が見れたのか!
【苦痛に耐えるもの:死亡時、リスポーンまでの間意識が明瞭としている。即死する攻撃を稀に耐えることがある。】
おお・・・・これはありがたい。5回も殺されただけのことはありますわ。実際数値的には数パーセントとかなんだろうけど、こういうのは積み重ねていくものなのだ。
称号にはどうやら実用的な効果がありそうだ。
・・・・・。不吉な予感もするけど、もう一つの方の称号(目線そらしつつ)はどんな効果があるだろうかと、ポップアップを表示させる。
【ユイベルトのお気に入り:ユイベルトと会いやすくなる。微増】
うん、いらないね!!!!!
たぶんね!!!????
イベントとかで王どうしても会わなきゃいけない時とかあればだけどねぇ・・・・?
影族の隠された設定とかで、会わなきゃいけないとか・・・多分ないな。うん。
・・・。そうすると、ユニークスキルも見れるだろうかと触れると、やはりポップアップが出る。
まずアレ。恥ずかしいアレ。
【主人公体質:トラブルが起きる確率増大。お助けキャラが登場する確率増大】
本当にね!!トラブルもお助けキャラも来ましたよ!!!
おまえのせいか!!!
はい、次!
【第六感:身の危険や重要なものを察知しやすくなる。】
よかった。ゴーストとかを見る力じゃなかった。これは、超が付くかは分からないけど便利だね。
先ほども影族さんたちを守ることに役立ったのが、コレのおかげだと思うし、これは大分当たりスキルだと思う。最もMJKBY氏みたいに高速で近づいてくる物体には弱いかもしれないけれど。
凄く便利っていう感じじゃないけど、スプーン1杯分ほんのりと下駄をはかしてくれた様な、そんな感じだ。もっと慣れて上手く使っていきたいところ。
最後は・・・・。
【時折片目が疼く:時折片目が疼く。疼くだけで特に実害はない。俺に任せて先に行け!】
高速でポップアップを消す。
ネタか!ネタ枠か!
全く意味がなかった!
ただの痛い人になってしまったよ、どうしよう・・・。
気を取り直して次にいこう。
ステータスは大体把握したので、あとはスキルなどを実践で試してからだな。
次は、システム関連。
色々といじりながら見てみる。
このゲームは鑑定などスキルを覚えないとNPCとPCの違いは分からないらしい。しかも、NPCは話をしていてもPCとの違いが分からない。近年、大変人間に近い行動をとるロボットが多いのでそこまで違和感がないが、VRの中で数多くいるNPC一人一人に性格付けやらしていて、よくサーバー容量が持つなぁと思ってたんだけど、・・・あーそうか。このせいかなあ、サーバーが複数ないのは。
負荷分散のためにプレイヤーの方を分散させて世界のリアリティを追求した為にサーバーが一つなのかもしれない。
ま、所詮は憶測だけど。
システム関連、・・・FPSなんて設定あるのか。今のままで負荷がないみたいだし自然に感じるからこのままで。サウンドとかも特に変なところがないのでデフォルトのままでいいや。体に感じる体感度関連。痛覚など既定値の範囲内で多少は弄れる模様。あまり崩すとゲームバランスが崩れるので少ししか弄れないみたい。とりあえず分からないから真ん中のままで。というか、分からない所が多いけど、不便を感じたら設定すればいいよね。でも、何かあるかもしれないから一通り目を通していく。
通知関連。リアルからの通知と、リアルへの通知。戦闘時の通知や文字さんの通知など細かく設定できる。突然用事があってばーちゃんに起こされそうな時用の通知とか、スマフォに関連付けをしたりとか設定をしてゆく。これで、こちらでもメールが読めるはず?レベルアップなどの通知はイベント終了後、まとめてくるようにする。ただ、連続での戦闘中にレベルは上がった場合、通知は来なくても上がった状態が反映されて次の敵に向かえるとのこと。空気が読めないなんて言ってごめんなさい文字さん・・・自分の設定が悪いだけでした。
あとは、文字さんへの思考感度とかもある。どれだけ強く願えば実行命令とするかって奴。基本的に、文字さんに意識を向け強く願うと要望として認識するらしい。ただ、感度が高すぎても「希望はこうだけどどうしようかなぁ?」と悩んでる段階で実行命令だと誤認してしまう。丁度自分が影族になってしまった時の様に・・・。自分どれだけ影族になりたかったんだろう。・・・格好つけみたいで恥ずかしい。ほんの少しだけ下げておく。
各種ショートカットの設定。ステータス画面を呼び出すには右手をゆっくり水平にきる設定になってる・・・。何で!?何でできないの!?ログアウト設定だけ、ゲーム内で動けない時にもログアウトできる様にしようかと思ったけど・・・文字さんにお願いすればできる気がする。後で試してみよう。他に出したいショートカットの機能が思いつかないのでここも保留。
後はエフェクト関連とか。この辺もわからないからデフォルトのままでいいか。
一通り適当にシステムを見終わった。後は何か見ておくところはないかな?
装備関連項目があるなぁ。開けると現在の装備が出てくる。
・・・うん、指輪だけだけどね!しかもこの指輪外しちゃうと襲われる可能性があるから外せない。装備1枠潰しちゃってるけどね!何気に『繋がらない』最大のデメリットはここかも・・・。まぁ初期には指輪なんてそう高性能なものは出てこないだろうから、当分は大丈夫だろうけど。
何はなくともまずは装備。
この辺を早急に改善したいところ。これを今日の課題にしよう。
あとは・・・アイテム?『霧の向こうの民』はインベントリが少しあるが、基本リアル感を重視してバックやリュックで持ち運ぶみたい。インベントリは10枠まででスタックは99個まで可。装備などはこの枠を圧迫しない。ついでに、死んだ時にインベントリの物は落とさないので、本当に落としたくない大事なものはここに入れておくようにとのこと。
死んだら、アイテム落とす仕様なのか。怖いな。こまめにチェックしなくては・・・。と思い何気なくインベントリを開く。何も無いはずのそこには、何故か一つアイテムがあった。
・小さな古い鍵
属性はキーアイテム。何らかのイベント用アイテムだ。自分、いつの間にイベントフラグ建ててたの!?何のイベントか全然分からないが、もしかしたら良いイベントのものかもしれないので、大事に取っておく。謎の黒ローブのやつかなぁ・・・???
ただ、
―――ズキン
鍵を見た瞬間、何故か胸が重く痛んだ気がした。
FPS・・・Frames Per Second の略。描画をどれだけ細かくしていくかの設定。当然描画数が多くなるほど動きが滑らかに感じられ、負荷も増える。厳密にはVRではFPSではないが、あえて分かりやすいように従来のゲーム同様FPSという単語が選ばれた模様
スタック・・・アイテムを重ねて表示すること。兎の毛皮を99枚もってたら99枠アイテム欄を使用するのではなく、アイテム欄は1枠使用し、兎の毛皮に99という数値が付く。スタック不可のアイテムは、1枠ずつ表示されるので大変邪魔である。
10/22 HP MPの値が違ってたので訂正




