表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ふぁるでぃあにっき。  作者: コミヤマミサキ
7月 ~ファルディアと日常~
16/444

2-15 ひと狩り逝こうぜ(強制 1

こんなPTでレイド戦はいやだ・・・w

 こんばんは、Sakuです。

 装備も何もないのにギルドカード登録をしたら何故か狩りに行くことになりました。


 愉快なPTメンバーを紹介します。


 自分(影族)+NPC(影族17人)+α(絶対18人以上いる!)


 です。ちなみにジョブ構成は


 戦士×7人 狂戦士×1人 剣士×5人 盾士×1 槍士×2人 弓使い×1 短剣士×1人となっており、半分以上中級ジョブのPTとなっております。レベル1の初心者が組むにしては豪華すぎますね!!!!(やけくそ)


 前衛17人+後衛1人の構成でお送りいたします・・・・。


 ひーらー!せめてヒーラー1人はいないんですか!?


 ちなみにPTリストは脳内のメニュー左上に表示されました。別のPTメンバーもです。初めて知りました・・・。



 アインさんに、これはおそらく影移動だったんだろう、一瞬で現場に連れてこられた。同時に5,6人の人がにゅるりと地面から湧いたので多分影移動。外から見たらこう見えるのか・・・。

 同じ影移動でも速度に差があるのか、ぽつぽつと何人か影移動で遅れてやってきたり、ものすごい速さで走ってきた人も居る。


 そんなこんなで暫く森に佇んでいるとPT外の人がつれてきたのだろう、狂暴そうな大きい兎がこちらに跳ねてくる。なんかすごく大きい兎だなぁ。中型犬くらい?しかも一角の角を持ってる。ありがち。


『まずこいつを倒して慣れるんだぜー』『他のメンバーがたどり着く前にレベルあげちゃいなー』


 などと言ってくれてるんですがね・・・

 そもそもですね・・・


 自分チュートリアルもやってませんし、買い物もこれからしようと思ってたし装備持ってないですから!!!!(半泣き


『あ、Saku装備持ってない!』『あっれ?そこからだった?』『ウッハ!ウケるwww』『まじかー』


 だがしかし、兎は待ってくれない。一番弱い(憤怒)自分に向かってもう突進してくる。その角で突き刺そうというのだろうか、と思ったら左手を振り上げた。まさかの爪攻撃!


 早さには自信があるので、軽く右回りに回り込んで・・・しょうがない。兎の腹を蹴り飛ばす。綺麗に衝撃が入った感触がし、コロコロと転がっていく兎。

 あれ?意外とダメ―ジいったかな?


 いつの間にか兎の頭上にバーが表示されており、半分くらい減ってるのがわかる。


『うっはw意外といけるな!』『影族で蹴る攻撃主体の奴はじめて見たわ』『まぁ手よりは効率がいいかも・・??』『まだ死んでないぞ!あと、2,3発はいけ!』


 言われなくとも・・・分かってますとも!

 死にたくないので兎が立ち直る前に距離を既に詰めている。

 そのままの勢いで蹴ろうとした・・・が、兎もさるもの。素早く左に避けられた。そのまま、兎がこちらに後ろから突進してくる気配がするので、左に体を半身捻り、左肘ですり抜けざま全体重をかけたら当たった!


 兎のいい所に当たったのだろう。そのまま兎は動かなくなる。

 肩で息をしている自分に気づく。


 あーー・・・・し、しんどい。


 戦闘ってこんな肉弾戦だったっけ?

 自分は何処を目指してるの?格闘家とかだったっけ?

 剣術は持ってるけど、格闘術はもってないんだけど。

 しかし懊悩する間もなく・・・


『おかわりもってきたよ~』『ゴメン、リンクしちゃった★』


 3匹の兎を連れた影人さん2人(PT外)。

 やる事なくて釣り要員ですか!!!!!???


 これは大変な所に来てしまったが、死にたくないので頑張るしかない。


 レベル1なのに3匹もさばけるだろうか!?って思ってたらソコは流石プロの冒険者の方々、PTメンバーが2匹抜いてくれた。た、助かった。


 今度こそ、兎は突進してきて、角で突き刺す構えのようだ。

 これ、一瞬影移動したらどうなるのかな?という好奇心が働いてしまう。


 MJKBY氏もすり抜けられたからたぶん行けるかな?というドンブリ勘定見切り発車のもと、影移動を念じる。


 あ、やばいちょっと失敗しそう・・??

 でも、ギリギリ失敗しなかったようで、兎が体をすり抜けていくのがわかった。

 これは、まだ実践には使えない。要練習ですわ。


『アイツ影移動つかったぞ!』『ホント何者だよ!』『レベル1なのにwww』『クマー!』


 相変わらずの大騒ぎである。あと、クマーってなに!?

 そして、何も解決していない。

 兎はすり抜けた事に不思議そうな顔をしたが(影族の気持ちを読み取りすぎて、兎の気分まで読み取れるようになったのだろうか・・・?)、気を取り直してターンし、こちらを攻撃しにかかる。


 兎の攻撃をよけながら機会をうかがう。当たらない攻撃に嫌気がさしたのか、兎が一瞬距離を取ろうとする。そこに合わせて詰め寄り、そのまま蹴りで押し込む。避けられなかったのか、そのまま飛んでゆき、後ろの木に当たる。丁度折れた枝があったようで追加ダメージが入り、兎は倒れた。


『いいぞー』『もっとやれー』『あと2匹いるぞー』『キャ~///Saku様~お助け~♡』『こっちの兎もおいしいぞー』


 やんややんや。飲み会のノリだな・・・と思ってたら、飲んでる人たちもいた!

 この催しは宴会芸の扱いの様である。

 その後、他のPTメンバーが引き受けてくれてた(ウサギにワザと追い掛け回されて待っていてくれた)兎にも何とかとどめを刺し、ひとまず全部たおす。

 息が苦しい。

 すぐお代わりこないよね!?


【プレイヤーSakuの戦士レベルが2に上がりました。】


 あ、やったー!レベルが上がった!高レベル帯の人が多いから経験値来ないんじゃないかと思ってたけど、他の人は殆ど手を出してなかったから釣ってくるだけならPT組んでても経験値は入る仕様の様である。安心した。


 一方、影族メンツは何かを話し合ってる。否、悪だくみをしている。


『お、やっと2レベルになったな』『これだけ高レベルがいたら上がりづらいよなw』『あと武器が無いのも効率が悪い気がしね?』『武器かー』『誰か余分にもってるやつやる?』『それじゃ面白くないだろ。』『先輩後輩ではあるけど、対等だもんな立場は』『踏蹴でもいい気がするけど』『この先きついだろーw』『俺たちがちょっくら、隣のゴブリンの巣つつけばよくね?』『それだ』『それだな』『報酬代わりに俺たちのいらないドロップアイテムやるのは普通だしな』『ウッホwついでに明日の仕事が終わるとかw』『Saku様アーザス!』


 何だかわからないけど、急遽行き先がきまりました・・・?しかもゴブリンってあのゴブリン?兎でもヒイヒイしてるのに、ゴブリンなんて倒せるのかなぁ。


『よーし、次の目的地はプーロの森、エルフの森との境近辺だ!ゴブリン出るから見つかるなよ!』『『『『『『おー!!』』』』』


 よいしょ、と多分アインさんに再び担がれる。

 やはり米俵なのは変わらないのね・・・。


 ――――――――――――――――――――――――――――――


 アインさんに担がれたまま、素早く移動していく。

 先ほどとは違い、誰も気配を出さない。

 物音もほとんどない。

 足元を見ると、普段の影とちょっと違う気がする。影族のスキルなんだろうか?

 あんな酔っ払い集団でも、さすがプロの冒険者たちである。

 自分も黙っていなければいけない気がして、極力気配を消している。


 ある地点で一行の進行が止まり、誰かが合図を送る。そのまま痛いほどの沈黙が続く。

 時折、夜の森らしく遠くから狼の遠吠えなども聞こえる。

 斥候に出ていたんだろうか?しばらく経つとスッと影族の人たちが3人現れる。


 小さく気配で『58匹はいた』『ハイ・ゴブリンは4はいる。』『被害者はわからん。怪しい小屋は3つ。』と伝えてくる。


『結構いるな。』『逆に祭りでよかったな』『東から流れてきたか。』



『『『どうする?』』』


 この場のリーダーは、アインさんなのか。

 一同がアインさんに注目する。

 ついでに一緒に担がれてる自分も見られてしまうので恥ずかしい。主にお尻辺りを・・・。まぁ真っ黒なんですが。


『余ってるやつはPT組め。そっちは雑魚担当だ。任せたぞ』


『了解~』『りょー』『わかった』

『B班、C班はハイゴブリンを持て。ダメそうなら避けつつ教えてくれ。無理はするな。』

『りょうかーい。』『り。』

『A班は遊撃だ。自由にやれ。力量にあわせて無理はするな。外をすべて倒したら小屋の制圧に入るが、強い奴が出てきたらすぐ教えろ。油断はするな。』

『ほいほー』『胸熱ですな。』『まさかゴブリン討滅戦になるとは・・・』


 アインさんが、自分をそっと音をたてないように地上におろした。そして自分をみて気配で言う。

『Saku、お前は見学だ。まだ2レベルじゃゴブリンには勝てん。だが今後に役立つはずだ。影族の狩りの仕方を見て学べ。』

 アインさんは優しい人だなぁと思う。そして純粋で朴訥。迷いのない気遣いが心地よい。


「分かりました。思いっきり隠れて技を盗み取りますね。」

 一応周囲をうかがって小声で言う自分の軽口に、フッとアインさんが笑う気配がした。


『いいか、この場で出た一番いい武器はSakuにやる。祭りだからな!その他の物はその他のメンツで山分けだ。分かったらいけ!』

『うっひょ~www祭りじゃーーー!!!』『一番いい武器って言っても精々鉄の片手剣・・・』『酷いと折れた銅剣~w』『俺最高で銀の短剣みたことあるわ。』『ゴブリンだしなぁ。』『大所帯だから意外に期待が持てるかもよ?』『最近誰かが襲われたって聞かないし、ため込んでなさそうだけどなぁ』などと言いながら次々と消えていく。高速で走って行く人もいる。音はあまりしない。さすがである。


 有難いんだか、有難くないんだか分からないが、とりあえず初期装備には困らなそうな気がするので有難く思っておく事にする。


 すでに自分の周りに影族の人は誰もいない。少し向こうの集落と思われる当たりですでに喧騒が広がりつつある。少し遠くで不快に「ギャッギャッギャッ!」という声はゴブリンだろう。影族だったら笑うけど。


 さて、ここまでお膳立てしてくれてるんですから、隠れてるだけじゃなくてレベル2の自分にもできる何か役立つことってないですかね?




【雑な用語解説】

釣り・・・・敵性Mobにワザと気づかれる様な行動をし、任意のMobを連れてくること。狩りのテクニックの一つ。

リンク・・・気づかれたくない敵性Mobに気づかれてしまう事。または、1匹を攻撃した場合別の個体も反応する現象。どちらにしても思っていたよりモンスターが増えるので事故率が跳ね上がる

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ