表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

伊豆の神隠し

作者: 朝霧竹之子



小田原周辺に差し掛かり、左手に広大な海が続いている。

客車内では、子供が沸き上がり、はしゃいでいた。


「ねえ知ってる?」理恵が、パンフレットを片手に話しかけてくる。「伊豆にはね、神隠し伝説があるんだって、愛し合う二人が消えちゃうの。私たちも神隠しにあうかも?」浮いた情報に興奮したのか感情的共感を求めてくる。「どうしてだ?」焦点をずらして言葉を返す。「愛し合う二人だからよ!」自ら甘い世界に持っていこうとしているな、その手には乗らない。「神隠しにも理由があるんだよ。」「それがわからないから神隠しなの!」理想的な言葉を貰えず不機嫌なのが伺える。やれやれ、感情生物の相手は疲れる…。居心地が悪くなったのを座席のせいにして、もぞもぞと座り心地を確認する。伊豆半島の神隠し伝説か…。神隠しと言えば聴こえはいいが、遺体が見つからない状況が何かしらあるだろう。真相を隠すために、それを人の成せる業ではない、神の仕業と言い、神隠しと呼んでいるだけだ。まんまと引っかかりやがる。……こんなんじゃダメだ、ケンカになるだけだ。彼女は今回の旅行で気分が高揚していて、感情的共感を求めているに過ぎない。そうだね、と言えれば幸せに終わった話だったんだがな。余計なことを考え過ぎると腹が減る。


先ほどのやりとりを見ていたという女性に話しかけられた。彼女は桜井 松子と名乗る。まず目に入ったのは見事な菊。立派な刺繍の着物を着ていても負けていない強烈な美しさ。容姿端麗という言葉が当てはまる。物腰も柔らかく、言葉使いも上品で、とても好印象の女性だ。「あなた達も伊豆へ?」「はい、大型連休で伊豆に行くところです。」「私もね、知人の招待で伊豆へ行くのよ。五年前からかしら、毎年、馴染みの旅館にね…。」何かを聞いて欲しそうな含みを持たせた物言いかと思いきや、突然鋭く言い放つ。「なにか、あなたから…物書きの薫りがするわ。」いきなりなんだ、確かに推理作家だが…。指に墨跡やタコ、衣服に薫りなどがなく、物書きたる証拠が何もないはずだが…。こいつ何者だ。「私ね、鼻が利くのよ。」まさか一言で片付ける気なのか。早速ミステリーが始まり、心掴まれるとは。だが推理作家たる者、常にクールでなければならない。「よくわかりましたね、俺は朝霞竹ノ(アサカ タケノコ)です。まぁ、売れない推理作家です。旅行目的というよりは、ネタ集めと言ったところでしょうかね。」顔を曇らせた理恵を心配する松子。「あらあら、二人の旅行なのに自分勝手なのね。女性はね、ダメな男ほど、無意識に心奪われてしまうものね。手の掛かる子供は可愛いと言うでしょ。」そうだよく言ったと言わんばかりに理恵が同調して視線を向ける。「確かに俺はダメな男だが…」あくまでも好き嫌いは、好みだと思う…。と、逃げるように考える。松子は、黙した竹ノ子を見て想いにふける。「あなたを見ていたら思い出すわ…。ねえ、朝霞さん、あなたの興味を引くような話があるの。聞いてくれるかしら。」

謎めいた笑顔を見せる松子は否応なしに語りだす…。


あれは今から11年前のちょうど今頃だったわ。それは伊豆にある小さな旅館だった。料理にお風呂、世話好きな女将の行き届いたサービスで、幸せな気持ちで満たされた一日だったわ。日常に疲れていた私を、心身ともに癒してくれて、目覚めの良い朝を迎えた。だけど、二日目の朝に、忘れられない "あの" 事件が起きたの。小さな旅館から愛し合う二人が消えた。密室の中から忽然と…。神隠しのように。


2006年(平成18年)4月21日


松子は、朝食に行く準備を済ませ部屋を出る。皆が揃ってから食べる決まりがあるため、開始時間の十分前ぐらいだろうか、既に食卓に座っていた宿泊者の横に着席した。隣に軽く会釈をして食卓に目をやる。昨晩とは全く違う趣向の茶色い肉だらけの料理。「…あら、美味しそうね…。」彩りに疑問を感じながらも、気持ちとは裏腹の言葉をひねり出す。朝食の開始時間である八時を過ぎる。「あの二人はまだ来ないのか…。」宿泊客の男性は、明らかに苛立っている。このままでは皆に迷惑がかかる、気を利かせた女将が呼びに行く。木彫りの扉を二回叩いて声をかけるが応答がない。「お客様、朝食の準備が整っております。」やはり応答がない。まだ寝ているのかもしれない。そう切り替えた女将は食堂に戻り報告する。「二号室のお客様は、お疲れのようなので、皆様は先に召し上がって下さい。」それを聞いた松子は心配する「それは残念ね。でも折角だし皆で食べましょう、その方が美味しいわ。」苛立ちが限界を超えて怒鳴る宿泊者の男性「ふざけるな!なんて勝手なんだ、僕は待つのが嫌いなんだ!」騒ぎを聞きつけ料理長が出てきた「須藤様、お、落ち着いて下さい。」必死になだめるが須藤の熱が下がらない。「そ、そこまでおっしゃるなら、もう一度行って参ります。」怒涛の勢いに飲み込まれ、しぶしぶ起こしに行く女将。受付からマスターキーを取りだし客室へ向かう。鍵穴に上手くはまらないのか、もたつきながらもマスターキーを使い鍵を開けた。ガタン。……内鍵がついている。隙間から室内を伺うが部屋に誰もいない。館内の風呂場と共用トイレの確認をするが見つからない。 念のため空き部屋も確認するがいない。十分程だろうか、一通り探したが見つからず、慌てた女将が戻ってきた。「大変です、お二人がいないんです。私たちでは対応出来ませんので、警察を呼びます。お騒がせして申し訳ありません。」


十五分程度で警察が到着する。何やらたて込んでいるようで、わずかながら四名がきた。「通報を受けて参りました、皆さんはご無事でしたか。」通過儀礼の挨拶も済ませ、刑事が部屋を調べる。

この二号室には二人組の男女が宿泊。名前は、女性 桜井梅子 22歳 大学院生 男性 小杉 武蔵 23歳 推理作家。二人は恋人同士で、三ヵ月前からの予約をしていて、一泊二日の宿泊予定。宿泊料の支払いは、予約時に桜井梅子名義の口座から振り込まれて支払い済。今日が二日目で十一時にチェックアウトの予定だったが、朝から姿を見せていないとのこと。報告を聞いた刑事は客室に入る。「どういうことなんだ…。」荷物が見当たらないが、荒らされたり争った形跡はなかった。なぜか二人が着ていたと思われる浴衣が綺麗に畳まれていた。金品がない以上は、外部の人間による犯行だろうか、刑事は、窓に視線を向ける。「これは、なんなんだ、異常しかない…。」客室の状況としては、外鍵内鍵が掛かっており、窓は開いていたが、外の砂浜には足跡がなかった。つまり完全な密室だった。刑事は、鑑識結果を受け取る。「訳がわからない、これは難事件だな…。」科学捜査では、血液反応もなく、男女二人の指紋しか検出されていないが、館内の玄関から客室へ続く通路に並んでいる窓に、被害者二名の多くの指紋が着いていた。


次に、この旅館の構造だが、客室五部屋は離れ型の造りで、全てはめ殺しの窓で固められた約十メートルの通路で本館に繋がっている。さらに正面玄関部分を除いた、全客室含めた本館が砂で囲うように浜が造られているため、足跡を残さずに外に出ることは出来ない。ここ最近は雨も降っていないため、受付を通らずに旅館を出ることは不可能だった。


梅子武蔵は、昨晩の夕食時に全員から目撃されていて、その後、消息を絶った。警察の調べで、失踪した男女と宿泊者の関係性が出る。さらなる情報を求めて、引続き旅館内の捜索と個別の事情聴取を開始する。


1 桜井松子 専業主婦39歳

松子は梅子の母親ということを隠している。なにやら裏がありそうだ。


「あなたは梅子さんの母親ですね。」松子は、冷静に答える。「はい、梅子は、私の娘です。」どうやら松子は、娘の梅子に招待され、この旅館に来たという。「どうやらご結婚を反対していたそうですね、隠しても良いことはありませんよ。」「いえ…、反対しているのは夫で、私は説得するようにと言われただけです。」疑惑を強めた刑事は、薪をくべる。「そうですか、では説得に応じない二人を、どうしたんですか。」在らぬ疑いをかけられた松子は言い返す。「そんな…、私は何もしていません、ただ母として娘に幸せになって欲しい気持ちしかありません。」刑事は同情を誘っているようにしか見えない松子に対して攻撃の手を休めない。「お家を守るために、口では何とでも言えますよ。」想いを踏みにじられた松子は怒りをぶつける。「ふざけないで!大事な一人娘なの、いいから早く見つけて下さい!」期待通りの反応に、刑事は攻勢を強める。「その言葉が嘘にしか聞こえませんね、どうやら男が書いた推理小説を発表出来ないように圧力をかけていたそうですね。」「それは夫が勝手にやったことです…。」松子は、私は悪くないと言わんばかりに、夫のせいにする。それなら何故二人が松子の前から消えたのか。


2 牛嶋 佳子 女将 50歳 牛嶋 大地 料理長 52歳

この夫婦には多額の借金がある。経済的な問題は凶悪事件の中で最も多い動機だ。

「お二人は昨晩、何をされてましたか。」「二人で朝食の仕込みをした後に、厨房の掃除をしてから、玄関の戸締まりをして自室に戻りました。」

女将の佳子は、この旅館には、従業員を雇う余裕がないので、掃除から料理など、全てを夫婦でしているという。「朝は何時から鍵を開けるんですか。」「六時半からになります。今朝も時間通りに鍵を開けています。それと朝食は八時からになりますので、その準備も兼ねて、夫婦で六時半には居ました。」この証言が確かなら有力な情報になると刑事は考える。「それを証明出来る方はいらっしゃいますか。」「証明と言われても…。あ、そういえば、須藤様が七時頃から食堂にいらして、コーヒーをご注文されました。」「そうですか、ご主人はその間は何をされていましたか。」「厨房に籠って仕事をしていました。」「一度も外に出ていないですか。」「あ、いえ、裏口からゴミ捨てに五分程。」だとすると、誰にも見られずに犯行は可能になる。その場合、女将が共犯になる。それでは本題に突入するとしよう。「単刀直入にお伺いします。あなた方は多額の借金がありますね。12年前になんとか旅館を構えたはいいが、安い宿泊料金と、この部屋数では、やりくり出来ず、借金が膨らんだ。そんな時に、資産家令嬢からの予約が入り、身代金誘拐を狙ったのではないですか?」鋭い刃物で切り裂かれた料理長は苦虫を噛み潰す。「どんなに苦しかろうとも一度も考えたことはありませんよ!」刑事は、探偵が犯人を断定するがの如く刃物を突き刺す。「そもそもね、マスターキーを持っていて、客室を自由に出入り出来るのは、実質あなた方夫婦しかいないんですよ。」「そ、そんな…。確かに鍵は持ってますが、私たちは何も…。」刑事は感じた、財界にも顔が利く有名な資産家の"一人お嬢様"なんだから、カネならいくらでも出すだろう。つまりこの夫婦にはこの上ない御馳走だ。


3 須藤加圧 45歳 会社経営

桜井梅子のストーカーだ。以前、脅迫事件を起こし、拘留されていた。


「あなたは昨晩何をされてましたか?

」須藤は、いくつもの会社を経営していて忙しいために、早寝早起が習慣で、言葉通りに早めに就寝をして朝早く起きたという。刑事は、女将の裏をとるために証言を放り込む。「あなたはなぜ朝早く食堂に行ったんですか。」「新聞片手に朝のコーヒーを楽しもうとしていました。ですが、出てきたコーヒーが、まさかの砂糖なしでね。困りましたよ、わざわざ砂糖ミルク付きと注文したのに。」「その間は誰も見ていませんか。」「ええ、見ていませんね。」女将の証言に間違いはないようだな。ここで唐突に本体を揺さぶりにかける。「そうですか、ところで、あなたは最近トラブルを起こして警察の世話になったとか?」痛いところを突かれた須藤は険しい顔になり、怒りを隠しきれない。「やはり短気ですね。男といた彼女を見て、つい我を忘れましたか。」「そんな訳ないだろ!」「では何故この旅館にいるんですか、二人に復讐の機会を伺ってたんでしょう。」須藤は、この問いに逃げ場がなく罪の否定をする。「違う、僕じゃない。僕は、梅子さんがここに泊まると聞いてここに来たんだ。」須藤は、梅子の父親から情報提供があり、この旅館を知ったという。理解に苦しむ刑事は耳を傾ける。「梅子さんのお父様は、僕と梅子さんに結婚してほしいと紹介してくれたんだ。くくく…、婚約者なんだけど、会ったことがないから、彼女のことを何も知らないんだ。だから彼女の日常的行動を調べて追いかけたんだ。」異常な思考だ、それはただのストーカーじゃないか。思い込みが激しいのか、刑事は首を傾げる。


客室は五部屋 宿泊者は四名。

一号室 空き室

二号室 武蔵 梅子 行方不明 一泊二日

三号室 空き室

四号室 須藤 梅子のストーカー 一泊二日

五号室 松子 梅子母 二泊三日間

牛嶋 佳子 女将 経営難で借金

牛嶋 大地 料理長 女将の夫


刑事は手帳のメモ書きを見ながら情報を整理した。梅子武蔵は夕食時には全員に目撃されている。少なくともそこまでは生存していた。朝六時半には、受付に女将が居て、七時から朝食の始まる八時まで須藤が居た。そして八時の朝食時には梅子武蔵の二人を除いて全員いた。現時点で怪しいのは誰にも見られず外出可能な料理長だが、裏口からの足跡を見る限り、ゴミ捨て場との往復分しか残っていない。館内に地下室など "秘密の部屋" はなかった。ここに居た人物全員に動機があり、見事なまでにアリバイがない。犯行は夜間から早朝にかけてと考えれば誰にでも犯行は可能だった。付近を捜索しているが、未だに二人は行方知れず。このままでは、失踪扱いで処理せねばならん…。遺体か凶器が見つかれば話は早いんだがな…。なんとか密室の謎が解明出来れば糸が繋がりそうなんだが、館内から何かしらを発見した報告は未だにない。あーくそぅっ!この事件はやっかいだな…。警察の努力も虚しく、証拠不十分のため失踪扱いで処理することになった。この伊豆半島で起きた消失事件は、神隠しにあったかのように、全てを消し去ったままだ…。


2017年(平成29年)05月01日


………。「松子さん、あなたはまだ情報を隠していますね。」「あら、そうだったかしら。」悪魔に似た笑顔を浮かべる。「いくつか質問してもいいですか。」「いくつと言わずに気の済むまでよろしくてよ。」この堂々とした態度に余裕を伺える。「それではお言葉に甘えまして、二人の靴は残っていましたか。」「いえ、なかったわ。」「まだ捜索願いは出ていますか。」「五年前に取り下げているわ。」「それはなぜですか。」「ずっと探す必要はないわ。」「…質問は以上です。」「あら、もういいのかしら探偵さん。」「そうですね、素晴らしい物語でした、もうすぐ最終話と言ったところでしょうか。」「あら、本当に真相解明されたのね。」松子は驚きを隠せない。「ねえちょっと、二人で盛り上がってないで教えてよ!」真相を掴めずにいた理恵が話に割り込む。「それでは、この朝霞タケノコ改め名探偵タケノコが真相を暴こう。いいですね松子さん。」松子は思わず苦笑しながらも話に耳を傾ける。


事件の真相はこうだ。








梅子武蔵の二人は結婚の約束をしていたが、父親に猛反対されていた。梅子は財界にも顔が利く有名な資産家の"お一人お嬢様"で、相方の小杉武蔵は、圧力の影響で思うように出版出来ず、彼女に経済的支援を受けているような、"売れない"推理作家だ。事情があるにせよ、どう見ても釣り合わず、甲斐性もなければ苦労するのは目に見えている。なんとか結婚を阻止したい父は更なる手を打った。彼女に富と名声を持った男をあてがおうとした、それが須藤加圧だろうな。だが、梅子は付きまとう須藤を警察に通報して、ストーカーという形で拒否したんだ。それでも全く衰えない二人の炎は、なんとか母松子に、父との間を取り持って貰おうと、梅子武蔵の二人が結託して話し合いの場を、この旅館に設けた。だがそれもストーカー須藤の登場で崩れた。母松子しか知り得ない情報を須藤が知っていた。そう、父に筒抜けだったんだ。操り人形の母松子に絶望し、家族でさえ味方がいないと悟った二人は、もう後がなく全てを捨てるしかなかった。そう、いわゆる "駆け落ち" という強行手段に出たんだ。その人間関係と当時の現場状況から考えて、偶発的な行動だろう。荷物をまとめて、浴衣をたたみ、いざ出ようとしたら、玄関が閉まっていた。他に外へ繋がるところを、客室に戻るように探しながら、見つけたのは自室の窓だった。だから客室の窓は開いたままだったんだ。だが、この事件にはひとつ問題がある。窓の外は砂浜であるにもかかわらず、足跡がなかった謎だ。これには日時が関係している、思い出して欲しい、2006年(成18年)4月21日午前2時50分に伊豆半島東方沖地震があった。地震の時に岩盤がずれ動くことによって、地中に振動が生じ、周囲に波として伝わっていく。これが津波の原因だ。つまり、本人たちの意図しないところで、波が打ち寄せて足跡が "勝手に" 消えてしまったんだ。これが神隠しトリックの真相だよ。


トリックを理解した理恵が、もうひとつの疑問を口にする。「それなら、捜索願いは出したままのはずで、今も捜索中なんじゃないの。」京極堂然り、やはり名探偵タケノコもキザに決める。「この物語はまだ続いてるんだよ。」


五年前に捜索願いを下げた、五年前から毎年伊豆の旅館に行くようになった。のように、恐らく松子さんは、今回の招待と同じように梅子さんから五年前に何かしらの理由で招待状を貰って、生存確認をしたんだ。知人とは、その二人のことだろうな。それに少なくとも自分の娘が被害にあった悲しい事件を笑顔で語りだす人間はいない。だから "俺たちにとって" この物語の最終話は伊豆にいる二人を見てエンドロールさ。しかし理恵が素朴な疑問を口にする。「何かしらの理由?それに、なんで私たちに話したのかな、ただの気まぐれなのかな。」

松子が、タケノコを遮り、その理由を口にしようとしたその時、踊り子は伊豆高原駅に到着する。「あら、時間切れね、ありがとう名探偵さん。」そう言った彼女は、どこか気分が晴れたように嬉しそうに去っていった。理恵は、松子の行方を追って窓の外を覗く。そこにはタケノコにそっくりな何処か頼りなさそうな男性と、何処か松子に似ている容姿端麗な女性が、五歳ぐらいの子供を連れて立っていた。そんなことは露知らず、タケノコは思った。ここが終着駅なんだから、一緒に降りればいいだろ…。……ださい、ださいぞ、タケノコ。


伊豆の神隠し 了



おまけ


(警察登場事、なぜかみんなの心配をしていた、たて込んでいたのも地震のせい。死者三名の災害。)


例えば震源地を国外にすれば、足跡が消える程度の波になる。

かなり無理やりなトリックめんご。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ