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あとがきという名の言い訳+α

 ここまでお読み下さった皆々様に心からの感謝を。


 そして言い訳とネタバレという名のあとがきでございます。

 全ての伏線回収出来ませんでした。ええ、分かっております。

 チョイ役で終わってしまった不憫なレッスさんとか代表ですよね。それもそのはずです、エピローグ後書きにジョークとしてありました二部予告、…………実はこれ本当に二部構成でした。


 二部ではレッスさんが本性だしてヒャッハーしまくり、お荷物な弥生も地味に、勇者らしきことをなにもしてない学も、いい所取りの獣も、総じてヒャッハーする予定でした。

 全くもって遺憾であります。


 二部の内容はエピローグ後書きで合ってます。大体合ってるどころかまんまです。実は大したことない内容なので気にしなくても大丈夫! うん、大丈夫!!


 完結まで長い長い時間を頂き、そしてそれを見捨てずにお付き合い下さいました方に多大な謝罪と感謝を。

 感想、評価やコメントなど本当に励みになりました。実際それに励まされて完結出来たと自負しております。ありがとうございました。



 そして本当の最後に、完結記念&感謝に小話リクエスト企画をして終わろうと思います。活動報告にて詳しく上げておきますので、ご興味ありましたら宜しくお願い致します。


 またどこかで皆様にお会いできることを願って。失礼致します。


 






以下、活動報告に上げた小話(おまけ?)を転載しておきます。







ある親子の争い



 お母さん

 

 親父の口から出た言葉に俺は思考が止まった。いっしーが消えた場所に縋る様にうずくまり、幼い子供のような発音で親父が繰り返す「お母さん」をただ呆然と聞く。


 お母さん?

 いっしーが親父の?

 

 そう思うと同時に俺は動いていた。


 「どうゆうことだよ親父!」


 親父のスーツの襟元を強引に掴み立たせ、手はそのままに詰問した。ならそこに居るばあちゃんはなんなんだよ、そう言いそうになるのを必死に堪える。


 「お前こそ! なんでお母さんと一緒にいる!? どこで会った?! あの時のままだが、あれは! あれは私の母だ!!」


 親父は問いかけに答える事なく、興奮した様子で俺の胸ぐらを掴み返してくる。傍から見ればガチの親子喧嘩そのままだ。

 

 まともに起動してきた思考で、俺は思う。



 ああ、今夜は長い夜になりそうだ。


 



 ――――――――――




【スレ立て】で相手を殴らないと出られない部屋に閉じ込められた話やってみた




 いっしー×レッス


 閉じられた部屋の中、困ったな、そうレッスが苦笑を浮かべながら私に向き合った。私はそのレッスの苦笑を合図と決めつけ、1%の微塵も躊躇なくレッスの右頬に渾身のスイングと共に握りしめた拳をめり込ませた。



 いっしー×まーくん


「よし! まーくん私を殴るんだ!!」

「待って?! ねえ待とうよ!! なんでそうなるの?!」

「私には孫を殴るなんて出来ない!! ああ出来っこない!!」

「俺にだって祖母ちゃん殴るなんか出来ねえよ!!」

「大丈夫、まーくん一回私殴った事あるでしょ? 一回も二回も同じ同じ!」

「うっわ痛いとこ突かれた、って殴んないからね? 俺、殴んないからね?!」 

「学、殴りなさい」

「ちょ、やめて! 勝手に人の腕掴んで殴らそうとし、うわああああ!!」

 

 数時間後に出れた彼の姿はかつて勇者と言われた男とは思えないほど虚ろな目をしていた。


 

 いっしー×バハムート(古の王)


「黙って私に殴られて下さいお願いします」

「……それが道理ならば異論はない」

「んじゃいきます!」

「……だが娘、殴るのはいいがお前では」

「んぎいいぃぃいだいいいいいいいいい」

「……やはりな……」


そのあと無茶苦茶ひのきの棒で殴った。



 いっしー×バイス


「私に子供を殴る趣味は無い! だから私を殴りなさい坊ちゃん」

「馬鹿じゃねえの?! 俺だってそのおおお女、殴る趣味はねえんだよ!! だからてめーが殴れ!」

「さすがバイス坊ちゃん、その意気はよし!! ならそれに応えよう!」

「あっぶ!!」

「なぜ避けた坊ちゃん!!」

「てめえこそなに全力で殴ろうとしやがった!! しかも腰の入ったいいやつじゃねえかよ!」

「手を抜いたら失礼になるかな、と……」

「……よし、俺が殴る。手加減すっからじっとってあぶねえ!!」

「前言撤回とは見損なった。ええ、見損ないました。やっぱり坊ちゃんはお子様ですね、嘆かわしい」

「俺よりチビなくせに人のことガキ扱いすんじゃねえええええ」

「ガキをガキ扱いして何が悪いいいいいいいいいいいいいいい」


 見事なクロスカンターが決まった瞬間だった。



――――――――――



小さな不運五回


【古墳様リクエスト】前髪切ったら予定より2センチ切りすぎる程度のちっさい不運を5回誰かに出来るってなった時のいっしーの利用法。


***


まーくんに使ってみる


「まーくん、ちょっといいー?」

「ん、どうかしたの、母さん……ってなし!! 今のなし!! ノーカン、ノーカンで!! やめて! そんなニヤニヤした顔しないでええええええええええ!!」


間違えて違う人のことをお母さんって呼んじゃう不運。


***


バイス坊ちゃんに使ってみる


 それは昼食を食べ終わったいつもと変わらない日常の一コマであるはずだった。彼は普段と同じ様に父に頼まれて男女一つずつある宿泊客用の浴槽を洗っている、まさにその時。

 出入り口に清掃中の札を確実に掛けたはずなのに、彼の耳に脱衣所から聞きなれない女性の声が聞こえてくる。慌てながらも彼は咄嗟に浴室から現在清掃中であると脱衣所に居る声の持ち主に呼びかけるが、彼の言葉が言い終わる前に無慈悲に浴室の扉は開かれる。そして彼の絹を裂くような悲鳴が響き渡った。


思春期のうぶな少年には辛いラッキースケベな不運。


***


バハムートに使ってみる


「………………」

「………………」

「………………」


ポジションが中々定まらない不運をやってみたら効果がなかった模様。


***


レッスに使ってみる


「…………チッ」

 彼は小さく舌打ちした。行儀が悪い行為だが、してしまう彼の気持ちも理解できる。先ほどから彼は幾度も遭遇する現象に少々苛立ちを覚えていた。それはドアを開けようとした時だったり、人に何かを渡す時だったり、帯剣を解こうとした時だったり。些細な、だが不快な感覚。なにか原因となる物を所持しているのかと彼は持ち物を確認しようと荷物鞄に手を入れた瞬間、パチリと小さな音と不快な痛みが彼の手をまた襲い、彼は先ほどより強い舌打ちを鳴した。


頻繁に静電気でバチバチする不運。

 

***


再挑戦、バハムートに使ってみる


 彼の獣は永の眠りから覚めしばらく経ったある日、何気なく己の漆黒の鱗を眺めてふと気が付いた。

 苔が生えている。

 今は獣に堕ちたとはいえ、王と呼ばれた存在。最低限の清潔は必要と、彼は姿を人に似せ幾年ぶりに身を清める為に近くにある水場を訪れた。

「…………やっぱ異世界って怖いね。あれまで異世界級だよ」

「いやいや、そこは恥じらって目を逸らすのが普通じゃない?! てかガン見するのやめて、いっしー!」

「いいかい、まーくん。息子をもった女は男の一物くらいで一々動じてらんないよ。赤ん坊のころから見てんだよ? いまさら過ぎんでしょ」

「石田さんそれは現状覗き行為をしていることへの正当性は示していません」

「…………知ってる? 男の子って赤ん坊の時からあれの大きさにかなり個人差があるんだよ? 成長過程も大切だけど生まれで大分左右されて大変だよね」

「ななななななんで俺の股間見ながら言うの!? ちちちちちちげーし! 俺めっちゃ一般的普通だし!!」

「そう、良かったね、まーくん」

「……恥の念と言うものがお前達にはないのか」

「そんなもんはとっくの昔にゴミ箱に捨てた!」

「俺のライフはゼロよ!!」


誰得ラッキースケベされちゃう不運。


そのあとバハムートさんがいい加減立ち去れって怒ってなんかの術式発動したら、まーくんが俺に術式で勝てると思うな! とか嬉々として交戦し始めたってとこまで妄想した。バハムートさんマッパで。



――――――――――




君を、想う





 拉致られたこと? ああ、話したことあるよー。


 はっきり言って信じてもらえるとは思ってなかったし。バカにされようが痛い人と思われようが、こいつにだけは、いや、こいつだから、知っていて欲しいと思ってね。うん、信じなくても。


 正直、超ビビってた。俺の話しを聞いたこいつの目がどんな感情を映しているか知るのが怖くて、視線を伏せたままで言葉を待っていると、あいつ、あっけらかんとした声で言いやがったのよ。


 ねえ、続きは? それからどうなったの?って。


 まさかの反応だったね。これはさすがの俺もたまげたわ。なんか信じる信じないとか気にしてたのがバカみたいに思えて、どうでもよくなっちゃったよ。ん? ああ、勿論ちゃんと続きも話したよ。少し休憩っていって焦らしたら、あいつずっと引っ付いて早く早くってせがんでたもんだから危うく俺の理性が崩壊しかける一大事が水面下で勃発してたね。


 すんません、ちゃんと答えます。すみませんっごめんなさい。


 んで次は俺が還ってからのことを話したんだ。んー、まずは親父とガチ喧嘩しそうになったりー、って大丈夫大丈夫! 親父も俺も少し混乱してただけで特になんもなかったし!うん、すぐ冷静になったから!

 正直言うと、俺、知らなかったんだ。祖父ちゃんも、親父も、なにも言ってくれなかった。ごめん、言い訳だね。ただ、なんで親父は同居してんだろなって疑問は感じてた。え、だって祖父ちゃんと親父、仲悪いし。

 違う違う、逆だね。完全にお互いのこと無視してた。あー、聞こうとしたことあるけど、親父にすんげえ怖い顔で睨まれて撃沈した。ヘタレ言わないで! 親父超怖いんだって、まじで!


 話し戻すよ? あの後リビングで親父と二人でちゃんと話しあって、そんでやっと知ったわけ。

 もう完徹。しかも親父そのまま仕事行ったし。俺? お休みしました! 戻ってすぐだったし、少し考えを整理したかったからね。ズル休みちゃうから。

 それからは……仕事行きながら、色々調べてみた。……うん、行ってきた。お姉さん、俺からしたら大伯叔母になるのかな? 元気そうだったよ。 いきなり訪ねた俺のことも疑わずに家の中に入れちゃってさ、こっちがある意味心配しちゃった。初対面ですよ!って。

 うん、色々聞けた。一目惚れでガッツンガッツン押しまくったんだってねえー、すごい意外だったなー。あはは、照れない照れない、俺も同じだし。そうか、これは遺伝だったんだ!

 

 ……言おうか? ん、分かった。聞ける準備ができるまで待つよ。あ、ついでに大伯叔母はずっと独身だってさ。ちょ、なにその、だろうなってドヤ顔っ! それはあんまりじゃない?! 姉妹ってこんな殺伐としたもんなの!? 兄弟への夢ぶっ壊れちゃうからやめて!

 俺? 一人っ子だよー、可愛い妹とか欲しかったけどこればっかりはしょうがない。親父も一人っ子だし、親戚少なくて寂しかったもんだよ。主にお年玉とか。どしたの驚いて。え、居ないから。親父には腹違いの兄弟も存在しないよ。   

 まあ、その反動で俺は子供四人作っちゃいました! キリが悪いから五人にしようって言ったけどあいつが勘弁してくれ、もう無理って。俺は泣く泣く諦めたね。子作りが好きなだけって? はっはっは、子作りも勿論大好きだけど子育ても好きだよ。……チート使っちゃいましたけどね! 寝かしつけの学とは俺のことです。まじ術式助かりました。ズルじゃありません。有効利用です。

 てか随分話し脱線しまくったね。他にはなんか聞きたいことあるー? この際だから一杯聞いちゃって。


 ぶはっ! ちょ、なに、よりによってそれ聞いちゃう?! さすがに気が引けるっつうか……さいですか。

 

 あいつだったから俺は、男として夫として父として、そんでじいちゃんとして最高に幸せだったよ。


 こんなもんでもう許して。すっごい恥かしい、超恥かしい。耳まで真っ赤とか気付いてても言わないで! 本当、勘弁して下さい。


 ……だから、安心してね。俺は何かを我慢してここに居る訳じゃない。俺はあっちで全力で生きて、全うした。待たせちゃったけど、今度はこっちで全力を尽くすまでだよ。うん、頑張ろう。

 

 そんでさっさと終わらせて、ばあちゃんの再婚相手でも見つけよっか。お断り? 人生なにがあるか分かんないもんだよ、ほら、また一目惚れしちゃうかもだし? あははは、照れない照れない。


 んじゃそろそろ行こっか。



【いとつむぎ様リクエスト】

帰ってからのまーくんの行動といっしーと旦那の馴れ初め、残された家族の話。



――――――――――



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