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視線の方向へ目を向けると、まんまるとした目と目が合う。
「こーくん、おはよ。」
「…っ!……お、おはよぅ。あいちゃん」
声をかけた瞬間、ぱぁぁぁっという音声が聞こえてきそうな位表情を明るくし、キラキラの笑顔で挨拶を返してくれる。
(ーっか、かわいいっ…!!)
父親の美形の血をこれでもかという位引き継いだ、天才的な顔面でありながらもまだ幼さが残る可愛らしい笑顔を真正面から浴び、その眩しさにくらくらしそうになる。
「あいちゃんあいちゃん」
父親の足から抜け出し、こちらに寄ってきたこーくんは、名前を呼びながらこちらに手招きをしてくる。
「なぁに、こーくん。」
呼ばれるがまま、内緒話の体制をしてるこーくんの真横まで来て、耳を預ける。
「…きょうのあいちゃんのかみ、おひめさまみたいだね。」
「!!」
「とーってもかわいい。」
おいおい、さっきの人見知りはどこいった??(褒め言葉)とツッコミたくなるくらいの甘々台詞に一瞬固まってしまう。
「…ありがとう。」
「2人は相変わらず仲良しさんだねぇ。」
「こうは愛ちゃんが大好きだもんな。」
「うん!!!!だいすき!!!」
こちらを愛おしそうに見つめる翔と湊の表情と、滅多に聞けない湊からの「大好き」という台詞、そしてイケメンボーイからの無邪気な大好きを浴び、朝から既に致死量のトキメキをくらう。
(ーそういえば湊も、身内認定してた人には甘々だったな…。)
ここでも血の繋がりを感じながら、4人で仲良く送迎場所まで歩いていく。
今は随分とこちらに心を開いてくれているが、昔は翔と同じように、私に対してもかなり人見知りを発揮していた。
ある時から急に懐いてくれたのだが、理由はわからない。
「ーゃん?」
(でも確か、幼稚園に通い始めて割とすぐだったよなぁ。)
「ーちゃん。」
(何でなのか気になるけど、本人に聞いても教えてくれるかなぁ。)
つんつんとされて驚いて横を見ると、ほっぺを膨らまし不満気な顔をしたこーくんと目が合う。
「かっ」
「か?」
「…か、かんがえごとしてた!!!」
「かんがえごと?」
思わず可愛いと言いそうになってしまったのを誤魔化すために言った台詞が、4歳児にしてはなかなか難しい言葉を言ってしまったことに気づく。
「おー。愛ちゃん凄いね。考え事っていう難しい言葉も知ってんだ。」
「賢いだろ〜?愛は色々難しい言葉知ってるもんな!!!!」
「ぼっ、ぼくもしってるもん!」
「はは、そうだな。こうも沢山知ってるもんな。」
「そうだよ!」
「最近覚えたのなんだっけか?」
「…うーんとね、うーんとね。…いちゅもおうえんしてくれてありがとー!みんなのおうえんがおれのいきがいだよー!」
(…あれっ。)
そのセリフを聞いた瞬間、ぶっと吹き出す音が真上から聞こえてくる。
「…それ前の俺のセリフじゃん!?」
(…やっぱり。)
「…っ…翔おじさん、かっこよかったもんな。」
「湊お前馬鹿にしてねー!?」
「…っしてねぇしてねぇ。」
今言った言葉は、この間家族も招待されて参戦したライブの時に、翔がファンに向けて言ったものである。
息子の頭を撫でながら、明らかに笑いを抑える湊とそんな湊におこな翔、そしてとてもやり切ったというドヤ顔をしているこーくん。
(愛おしいなぁ。)
心の中で3人まとめてハグをしながら、聖母のような気持ちでこの空間を眺める愛だった。




