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「あ」

「?愛どしたの。」

「…今日体育だったのに体操服忘れちゃったなと思って」

「わ、まじか。かと先忘れ物に厳しいからめちゃくちゃ怒られそう。」

「そうだよね…。…明里ちゃんに体操服借りれるかお願いしようかなぁ。」


(確かこうのクラスは2限に体育あったはずだし)


「え!6組?私もいく〜!!」

「ふふ、ありがと萌。じゃあいこっか。」

「うん!!」


--------------------------------------------

「…あ。」

「お。愛じゃん。何してんの。

音神さんも久しぶり。」

「こ、こんにちは…。」

「はは、こんにちは。」


6組のクラスの前の廊下で出会ったのは、丁度教室から出てきたりおだった。


「今日体操服忘れちゃって、明里ちゃんに借りようかなと思って…」

「あ、まじ?俺のでよければ貸すよ。」

「えっ」

「さっき体育だったから着ちゃったけど、長袖のやつとか俺すぐ脱いだし。そんな汗かいてないはず。」

「えっ、でも、」

「いいんですか〜!!」


流石に悪いと思い断ろうとしたが、すかさず萌がずいっと話に入ってきた。


「えっ萌!流石に悪いじゃん」

「いいじゃんいいじゃん。男子から体操服借りるシチュとかなかなかないよ?」

「……いやいや、」


「うん、愛が良ければ俺は全然」


萌とコソコソと話していたが、りおも全然貸すよと言ってくれたので、結局お言葉に甘えることにした。


「…ごめんね本当。洗って返すから」

「いいよ!どうせ今日洗濯するし」

「……」

「ま!この話は後でいいから。取り敢えず持ってくるから待っててな。」

「…ん。ありがと。」

「おう!」


そう言ってりおは、体操服を取りに自分の教室へと戻っていった。


「…瀬田くんって優しいんだねぇ。」

「そうだねぇ。りおは優しい人だね。」

「何か凄いクールなイメージだったから、あんなふうに話すんだなって思った」

「えっ本当?私と話す時いつもあんな感じだから逆にクールな姿が想像できない」

「ふーん?」

「ふーんって、また変な想像してない萌?」

「えっ?全然してないよ?」

「ならそのニヤニヤしたお口は何かな!」

「きゃー!!!」




「お待たせ!」

「ありがと理央。」

「いーえ。取り敢えずまた放課後な!」

「わかった!本当にありがとう。」

「お礼言い過ぎ笑じゃ!音神さんもまたね」

「…うん。」

「うん、またね」


くしゃっと頭を撫でられ、もういいよと代わりに言われたような気がしたので、これ以上お礼を言わないよう口を噤んでおく。

再度ありがとうと言いながら、萌と一緒に自分のクラスへと戻っていった。


--------------------------------------------

ー放課後


りおに体操服のお礼を言うために教室へ向かうと、明里ちゃん達と何やら話している様子だった。


「…よねー。…あれ!!愛じゃん!」

「明里ちゃん!」

「久しぶりじゃーん!てかタイミングばっちし。愛にも聞こうよせっかくだから。」

「え?」

「今さ、どっち派かみたいなの話してて。愛は恋愛において、犬派?猫派?」

「犬か猫?」

「そ!犬系カレカノか猫系カレカノどっちがいいかってこと」

「なるほど」


(犬か猫かぁ)


愛情表情が真っ直ぐなわんちゃんのようなタイプか、普段はツンツンしてるけどたまにデレる猫のようなタイプか。


(…うん、)





『比那は世界で1番綺麗だよ』

『2人ともだーいすき!愛してる!』

『俺は2人と出会えて本当に毎日幸せ』





(…まぁ、私は、)


「…犬、かな。」


完全に翔(推し)を思い浮かべながら答えると、


「…、は?」


突然別の方向から声がしたので、そちらを見ると、何故かめちゃくちゃ驚いた顔をしているこうと目が合った。


というか、この話聞いてたんだ。


「愛は犬派なんだー!愛情表情真っ直ぐ伝えられたいってこと?」

「…うん、まぁその方が可愛らしいなって思うかな。」

「確かに愛はどっちかっていうと猫ちゃんぽいもんね。そっちの方が相性良さそう」

「そ、そうかな?」

「うん。私含め女子は犬派が多いけど、理央は猫派だっけ?」

「うん。」

「ふふ、りおっぽい。」

「…なんだよ。」


昔(前世)から変わらないりおの恋愛観に懐かしさを覚え、思わず笑ってしまう。

りおも自覚があるのか、少し恥ずかしそうにしてる。


私は前世の頃から推しと恋愛のタイプは似ていたが、利緒は真逆だった。

利緒も同じことを思い出しているのだろう。こちらをみて、口角が少し上がっている。



「…あ。そういえば」

「ん?」


あれからまた楽しくお話をしていたので、すっかり本来の目的を忘れてしまっていた。


「体操服。ありがとね。」

「あー、忘れてた。全然いいよ。…おっきかったっしょ?」

「全然サイズ違くてびっくりした笑」

「だよな笑」

「また洗って返す」

「いいっていいって。」

「いやいや…、」


「んーもう!瀬田はここは素直に愛の言うこと聞こ!愛も借りっぱなしだと気が済まないでしょ?」

「…うん。」

「と、いうことで。愛は瀬田に洗って返すということでこの話はおしまい!」

「ありがと明里ちゃん」

「いーえ!2人がずっと押し問答しててこっちがもどかしかったよ〜」

「ごめんごめん笑」

「ありがとな、江南えな

「いーえ。じゃあ私今日バイトだから!ばいばーい!」


洗う洗わない問題を解決してくれた明里ちゃんはこの後バイトのようで、颯爽と教室を出ていった。


「りおは?」

「俺は今日部活。」

「えっそうなの。ごめんひきとめて。」

「いや全然。楽しかったし。」

「じゃあ。また洗ったら返しに行くね」

「おう!ありがとな!」


これから部活のりおともお別れし、他のメンバーも次々と教室を出ていく。

残ったのは、こうと私だけだった。

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