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「「かんぱーい!!!」」


ビールではなくジンジャエールを片手に乾杯する。


「いやー!まさかすみれがいるとは思わなかった。」

「私もだよ。本当にびっくりした。」

「…てか俺、本当に怒ってるんだからな。」

「え?」

(推し)の結婚報道があった後、連絡が通じなくて心配してたらまさかのすみれのお母さんから訃報の連絡がきて。最初はぶっちゃけ、まさか推しの結婚発表が原因で___!?とか思っちゃったんだけど、」

「…うん。」

「でも聞いてみたら1年前位から癌が発見されてて、その時既にだいぶ進行してたから余命宣告もうけてたらしいじゃん?…俺、ちょくちょくすみれと会ってたのにぜんっぜんきづけなかったし、最後の半年とかお互い忙しいからってなかなか会えてなかったじゃん。……もう、めちゃくちゃ後悔したんだからな。」

「…本当にごめん。でもそれは、私が最期までみんなに知られたくなかったからだよ。りおが後悔することなんてひとつもない。」

「…ずっ。」


涙を見られるのが恥ずかしいのか顔を伏せてしまったりおの頭を撫でながら、やはりあの時と感触が違うなぁと少し場違いな感想を浮かべてしまう。


「…でもりおも今私と同い年ってことは同じ年に亡くなったってこと?」

「…そう、事故にあってさー。即死だった。」

イェイと全然喜ばしくないがピースを浮かべるりおにチョップをお見舞いする。

「でもまさか推し似のイケメンに生まれ変わるとは思わんかった。」

「本当にねー。…りおも推しの子として生まれ変わったの?」

「いや、普通の一般家庭…まって、もってことはあんたやっぱもしかして」

「…推しの子として生まれ変わりました。」

「えー!!!!!!?!!」


--------------------------------------------

あれから積もりに積もる話をしていると気づいたら門限の時間が近づいてきたため、お店を出ることにする。


「じゃあ」

「いやいや、家どこ?送ってくよ。」

「えー?笑」

「えー?じゃなくて、愛は可愛い女の子なんだから。危ないでしょ。」

「ありがとうイケメンくん」

「まぁ外見も中身もイケメンだからね〜。」


そう軽口を交わし合いながら話していると、気づいたら自宅のマンションが近づいてくる。


「ーあ、あそこが私のマンション」

「え、俺の家から割と近いんだけど」

「え?そうなの?」

「うん。こっから自転車で5分位だよ。」

「え、めっちゃ近いじゃん。え、でも中学とか被ってなかったくない?」

「高校入学時に引っ越してきたから。」

「そういうことか。」

「うん。…なぁ今度さ、」

「あれ?」

「?」


マンションの前に人がいるなとは思っていたが、その人影はどんどんこちらに近づいてきており、段々見慣れた姿になっていく。

その人はそのままりおと私の前に割り込む形で入ってきた。


「…どーも。」

「ど、どーも。」

「こ、こう…?」


背中がこちらに向いてるので表情は見えないが、不機嫌オーラが滲み出ている。


(ーしまった。気が抜けてりおの前とはいえこうって呼んじゃった。)


「…えっと、」


威嚇してくるこうに困惑している様子のりおをみて、こうの横に立つ。


「2人はクラスメイトだからもう知ってると思うけど、こちら廣瀬くん。私の幼馴染。」

「…瀬田です。」

「…」


相変わらず警戒モードを解かないこうは、会釈だけして一向に喋る気配がない。


「…廣瀬くん何でいるの?」

「…ちっ…悪いかよ。」

「いや、悪くないけど。珍しいなと思って」

「……門限」

「え?」

「門限、近いだろ。」

「…あぁ。」


普段門限近くまで遊ぶことがないため、心配できてくれたのか親に言われてきてくれたのだろうか。

いつから待っていてくれたのだろう。


「…ごめんねありがとね。…りおも送ってくれてありがとう!」

「全然!今日本当に楽しかった!」

「私も。また遊ぼうね。」

「おう!…じゃっ!!!」


帰り際も爽やかに帰るりおを見送っていると、こちらへ鋭い視線が向けられる。


「…何だよあいつ。」

「……顔馴染み的な?」

「はあ?あんなやついたか?」

「…はは。」


幼馴染であるこうに適切な言い訳が思い浮かばず、取り敢えず笑って誤魔化す。


「…んだよ。」

「え?…こう、待っててくれたんだよねきっと。遅いのに、ありがとう」

「…別に、親に言われたから」

「ふふ、そうだと思った。けど、待っていてくれてありがとう。」

「……」


こちらを一瞥すると、すぐスタスタと歩いてしまったこうだが、一応こちらがついてきているのか立ち止まってチラチラと見てくる。

不機嫌オーラを纏っているが、その様子が可愛らしくて、でも笑ったらまた更に不機嫌になるので、必死ににやけるのを抑えながらこうについていった。

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