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ーキーンコーンカーンコーン
長かった授業が終わる鐘が鳴る。
結局あの後、りおに再会できた嬉しさに浸っていたため、全然授業に集中ができなかった。
(…まさか今世でも再会できると思わなかったなぁ。)
にやけるのを我慢しながら、次の授業の準備をしてると、ずんずんと誰かがこちらに近づいてくる気配を感じた。
顔をあげると、美少女の顔が目の前に飛び込んできて、びっくりする。
「…愛ちゃん」
「?」
「キョトンじゃないよ〜!さっきのどういうこと?瀬田くんとも知り合いなの!?」
「…ごめん萌ちゃん。…り、瀬田くんとは、昔の顔馴染みみたいな感じ?かな?」
なんて言ったらいいのかわからず、無難なことを返しておく。
(ー前世の親友だったとか口が裂けても言えないしなぁ。)
それを聞いた萌ちゃんは、ポカーンとした顔をして、ぶつぶつと何やら考え込み始めた。
「顔馴染み…。やっぱり美女はイケメンと知り合いになる運命なの…??」
「えっ?」
こちらにギリギリ聞こえるか聞こえないかの音量で呟く萌ちゃんの言葉を聞き返してると、
「…橘さんいる?」
「…あっえっ、…橘さーん!」
クラスメイトの子に名前を呼ばれたので、そちらの方向をみる。
そこには、
「愛!!!!!!」
めちゃくちゃ爽やかな笑顔で手を振るイケメンがいた。
(まぶし〜っ!!!!)
「…理央!どうしたの?」
「いや、今日放課後空いてるかなって思って。」
「え!空いてる空いてる。」
「よっしゃ。俺今日部活なくなってさ。タイゼとかいかん?」
「いこいこ!」
久々の放課後タイゼだー!!と内心ワクワクしていると、ふと視線を集めていることに気づく。
(そういえばここ、教室だった…!)
いつもは気をつけているが、りおと再会できた喜びですっかり忘れてしまっていた。
りおのほうを見ると同じ表情をしているので、りおも失念していたのだろう。
「…取り敢えず、荷物片付けたら正門集合でいい?」
「お、おう。」
「「じゃ、じゃあ。」」
お互い気まずくなりながらも、放課後会う約束をして、予鈴がなったため、各々の場所へと戻る。
萌ちゃんの方向をみると、キリッとした顔で謎にグッドサインを送ってきたので、疑問に思いつつこちらもグッドサインを送り返す。
(ー何か凄い満足そうな顔した。)
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ー放課後、
「橘さーん」
荷物の整理をしてると、またクラスメイトから呼ばれる。
(りお、早くない?)
思ったより早くきたので、まだ準備ができてないと焦ってそちらを見ると、
「はぁ………い……。」
そこには、りおではなくこうがいた。
(こう!?!)
まさかの来客に驚いて、慌ててこうの方へと向かう。
「…っこ、廣瀬くん、どうしたの?」
「……………ぞ」
「ん?」
「っ帰るぞって言ってんの。」
「え?」
「………ダメなんかよ。」
「あ、え、ううん、ダメとかじゃなくて、」
「愛〜!!!!」
「っりお!」
「…ごめん、邪魔した?…あれ、てか廣瀬じゃん。よっ。」
「……よ。」
「あ、えと、」
「……もしかして瀬田とたち…愛、今日何かあんの。」
「そ、この後タイゼ行く約束してて。な?」
「あ、うん、えと、久々に再会できたから?」
「………ふーん。」
(今、下の名前で呼んでくれたよね…?)
放課後こちらにきてくれたことといい、人前で下の名前で呼んでくれたことといい、珍しいこうの行動に驚く。
めちゃくちゃ不貞腐れてる顔をしているこうの事もお誘いしたいけど、でも今日は、やっぱりりおと2人きりで話したい。
「…ごめん廣瀬くん、今日先に瀬田くんと約束しててさ。またよかったら今度一緒に帰ろ?」
「………あ、そ」
「…ごめんな廣瀬。」
「…………別に。」
どこか寂しそうに見てるこうの背中を追いかけたくなりながらも、心の中で謝罪しながらりおと一緒にタイゼへ向かうことにした。




