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砦から馬車に揺られること数刻。
どこまでもどこまでも続いて見える
頑丈な白い城壁を抜けると、
天高く輝く王城が見えた。
光の下を支える門には、
厳重な装備を付けた番人が立っている。
一つも“ネリネ”に似ている部分はないのに、
キラキラして綺麗なはずなのに、
なぜか、胸の奥がひやりとした。
高い壁。
閉ざされた入口。
管理された光。
そこにあるのは明るい“自由”のはずなのに、
私には、
かつて過ごした地下の影と
どこか重なって見えた。
思わず俯く私の手を優しく握る一つの手。
顔をあげると、心配そうに瞬く二つの琥珀の瞳。
握り返すとその瞳はとろりと溶けた。




