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午後を告げる鐘が鳴り響く中、
三人並んで露店を冷やかした。
布を広げただけの小さな屋台があり、
そこでミアは足を止めた。
琥珀色の飴菓子や、
粉砂糖をまぶした焼き菓子が
山のように並んでいる。
蜂蜜と果実を煮詰めた、指ほどの棒菓子。
焼きたてで、
割ると中からとろりと蜜が溢れる菓子パン。
色とりどりの砂糖菓子は、陽を受けて宝石みたいに光っている。
――これ、キラキラしてて綺麗……。
――全部食べられるの?
「今巷で流行っていると部下が言っていたな。
確かにこれは食べるのが勿体なくなるほど
綺麗だ。」
セオドアは記憶を思い返して答えた。
屋台の老婆が笑って、
「お嬢ちゃん、うちのお菓子は全部甘いよ。
選ぶのが一番楽しいんだ。」と言う。
ミアは困ったように、
でも目を輝かせながら、
一つ一つを見比べた。
――どれにしようかな。迷っちゃうな。
セオドアが財布に手を伸ばすより先に、
アルドが短く言う。
「全部くれ。」
屋台の女が一瞬目を丸くしてから、
楽しそうにいくつも紙に包んで差し出した。
――あ、……甘い……。
――舌がびっくりしてる……。
――でも……すごく、すごくおいしい!!
とんでもなく甘いお菓子の衝撃にミアの指は
止まらない。
粉砂糖が指についたまま、
娘はアルドの袖を引く。
――ねえ、アルドも。
差し出された菓子を、
アルドは一瞬だけ見つめてから口にする。
「……甘すぎる。」
そう言いながら眉間に皺を寄せ、
それでも、
ミアの口の端に着いた欠片を拭いとった指を舐めた。




