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晴れ渡る秋空の下。
騒々しい指笛の音、
まだ年若い少年がどのように敗れるかを予想し合う声。
目の前には汚らしい毛むくじゃらな芋が、
なぜか人間のように首を付けて
唾を撒き散らしながら喋っているようだった。
その中でアルドは
あの静かな地下の通路だけを思い浮かべていた。
支配人が鳴らす高い鐘の音が聞こえ、
周囲の音が遠のいていく。
芋は勢いづけて重槌を振り下ろしてくる。
少年は首を傾げそっと剣をふるうと、
グニャリとした重い感触。
鮮血と共に芋から首が離れていくのがみえた。
やはり芋は芋らしくしないと。
アルドは返り血をこれ以上無いほどに汚らしく拭い、
何も映さない瞳で芋を見続けていた。
ドッとした地鳴りに釣られて音が戻ってくる。
けたたましく高い鐘も鳴っているようだ。
支配人が煽り、
それに載せられた観客たちは頬を紅潮させ、
まるで恋する乙女かのように騒ぎ続ける。
こんなに煩いと頭が痛くなる。
ミアは大丈夫だろうか。
年若い半環は、地下にあるはずもない暖かな光を思い浮かべ続けていた。




