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「食事内容は3食とも2種類ずつ用意されている。
今日の食事内容が黒板に書いてあるから、
それを見て食べたい方の列に並んでくれればいい。」
--ここでは、
--誰でも好きなものが食べれるんだね。
--素敵だね、でも毎日迷っちゃうね。
ネリネでは見たことない料理だよ、
これ本にのってたやつかな?
アルドはどっちがいい?
「2種類頼んで、
ミアが気に入った方を食べればいい。」
食事を楽しみにする娘とそれを受け入れる青年。
今日の朝食は二種類共、
ノクティアでは有名な家庭料理だ。
セオドアはふと、
“勝てば望みはすべて叶う”と謳われたネリネで、
彼らがどんな食事をしていたのかを思った。
青年が娘と離れて列に並ぶことを拒否したため、
二人とセオドアは別れて列に並び、
空いていた四人がけの机に席を着いた。
ほかほかと白い湯気を立てる、
二種類の皿が並ぶ。
嬉しそうに頬を紅潮させるミアを横に、
アルドは無言のまま、
片方の皿から一口だけ口に運び、
その皿を娘に渡した。
ミアは一口ずつ口に運ぶたびに、
――これ、美味しすぎるよ!!!
と指を止めない。
それでもアルドは、
次の一口を促すように、
静かにもう一方の皿を示した。
その2人を見て、
騎士の男は先程浮かんだ疑問がどうしても
声として飛び出してしまった。
「その……ネリネでは、
食事はどうしていたんだ?」
「決まってた。曜日ごとに同じだ。」
「勝てば、
ミアに甘いものを食わせてやれる。」
「ネリネでは願いは全て叶うのでは……?」
「あの反吐男が考えることはどうでもいい。」
--アルドがいいよって言うから
--世話役の皆とも食べれたの。
--子供たちも喜んでたよ。
「……そうか。」
彼も初めて口にする料理のはずなのに、
青年はそれにほとんど興味を示さなかった。
セオドアの質問にも淡々と答える姿を見て、
騎士の男は黙り込むしかなかった。




