17/43
2-4
「もう夜も深い。
すまないが、詳しい砦の案内はまた明日させてくれ。」
軽い夜食と湯呑みのお湯は部屋まで運ぼう、と
セオドアは誠実に付け加える。
「狭くて悪いが……」
セオドアは言いかけて、
言葉を選ぶように一瞬だけ口を閉じた。
「君たち二人で使ってくれ。
申し訳ないが、扉に鍵はかけられない。
だが、夜の間は見張りをつける。
怪しい者は誰も近づかせないと誓おう。」
ミアは、ほっとしたように微笑んだ。
――ありがとう。
アルドは、ふっと鼻で笑った。
その“誓い”が、
どれほど脆いものかを知っている笑いだった。
それでも彼は、
中の気配を探ってから
無言で扉を開いた。




