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幸せな思い出  作者: 厚揚げさん
ネリネ
13/43

1-13

見慣れた闘技場に出た。

地面につく赤は変わらずそこにある。

見慣れぬ点といえば、

騒々しい観客がいないこと、

いつまで経っても高い鐘の音が聞こえないこと、

何より"ルミ"が白い光の下に立っていること。


想像通り眩しげに目を細める彼女は、

--外だ。

--アルドが白く見える。

--私も白い?

と、いつもの微笑みで指を紡ぐ。


「お前はいつも眩しい。」

--またそれ?

--アルド、地下でもそれ言ってたね。


あそこは暗かったよと忙しなく動く指。

その指をなぞるように風が吹く。

地下では決して触れることのない、

空の匂いを含む風だった。

"ルミ"の束ねた淡い髪が揺れる。

これも地下では見れなかったなと一つ嘆息した。


ミアは一瞬目を見開き、

それから恐る恐る、息を吸い込む。

--うごいてる。

--空気が、うごいてる。

「これが外だ。」

アルドはそう言いながら、

彼女の肩にずり落ちた外套を無言で直した。


世界は変わった。

もうあの地下通路での2人きりの世界はない。

だが、彼の腕が彼女に触れる距離だけは、

地下と何ひとつ変わっていなかった。


「そろそろ馬車に行くぞ。」

2人のやり取りを静かに見つめていた騎士の声で、アルドは"外"の時間に引き戻された。

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