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全員が剣を収めた、その時。
「――で、お前。アルドだったか?」
地下通路に、場違いなほど現実的な声が落ちた。
「その血塗れの格好を何とかしろ。
鉄臭くて敵わんし、それじゃ馬車にも乗せられん。」
その言葉を聞いて、ミアは慌ただしく指を動かし始めた。
--それはアルドの血?
--けががある?
「ない。全部返り血だ。」
青年は血濡れの手を忌まわしげに振り払い、
自身の袖を掴んだ拍子に赤く染まってしまったミアの指を、まるで壊れ物でも扱うようにゆっくりと拭い取った。
「ここにはシャワー室があるそうだな。
そこで血を落としたら移動するぞ。」
「……」
無言で騎士団長達を一瞥し、
青年はミアを自身が庇える位置に囲いながら歩を進めた。
「裸を見ることになって悪いが――
お前は今、この国で一番危険な男だ。
何人か付けさせてくれ。」
「セオドア含めて何人かはアルドにつけ。それ以外は俺と地上に出る組、他の奴隷と保護対象が残っていないか確認する組に別れろ。」
その言葉に騎士たちは短く応じ、一斉に動き出した。
「鳴かないカナリヤが、化け物を封じ込める唯一のカギね……。」
と眉間に皺を寄せ白銀の外套を靡かせる長身の男は地下の通路の古びた電灯を消すと、部下と共に地上への階段を目指して歩き始めた。




