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紅茶

なんて奴に買われてしまったのだろうか…

外の光や時間を指す物も無い空間で、いつ来るかも分からない朝を正座で待ち続ける感覚はまだ年端も行かない子供には辛いものがある

そう、クレスもといロートは13歳の子供

少し大人びているが、慣れていない体勢で居続けるのも 視覚的に変化の無い状況もロートには耐え難い

セルリアと言う赤毛の少女が居なくなったにもかかわらずロートは動くことが出来ない

言われた事に背いてバレて場合次はどうなるかわかったもんじゃない


「ロートくん、辛くないですか?お茶でも飲みます?」

こちらの気も知れず無神経に問いかけてくるのはケトと呼ばれる長身のひょろ長の男

「どうしたんですか?飲みます?それとも飲みます?」

反応の無い俺を見て不思議そうに首を傾げてくるが、動けない俺に何を求めているのか分からない

うーん、と顎に手を当て悩む男は、はっ!なるほどなるほど!とこちらに近づいてくる

「ロートくん、座れと言われていましたが 会話をしてはいけないとも、飲み物を飲んではいけないとも言われてないですね?」

確かに言われていない

「であれば、私からの質問も答えられますし お茶を飲むかどうかもロートくん次第ですね?」

「……俺を買った目的はなんだ?何をさせるために買ったんだ?」

「買った目的は今説明しても難しいでしょうからおいおい現物を見てお話しましょう」

そのまえに自己紹介を、とケトは続ける


「先程いらしたお方の名前はセルリア様 私どもの仕えるべきお嬢様、上司と言ってもいいでしょう。」

「そして、そのお嬢様に従う私の名前はケトです どうぞ覚えていただけると幸いです」

「それではロートくんの自己紹介を簡単にお願いします」

「俺は……名前は覚えてる…クレs、ロートだ」


そうだ俺は何も覚えていない…何処に居て何処から来て、どうして奴隷になったのか

気づいた時には牢の中で鎖に繋がれていた

「ではロートくん、もう一度聞きますね?お茶飲みます?

暖かい飲み物を飲んだら少しは気が落ち着くかと思いますがどうでしょうか?」

この男は俺の事を気遣ってくれているのだろう

「…貰う」

「そうですか!すぐご用意しますね!」

そう言って部屋を出て言った男は数分でティーポットとティーカップを2つ用意して戻ってきた

ティーポットからだろう 鼻をくすぐる落ち着く香りを漂わせている


「さあどうぞ」

差し出された紅茶は緊張で乾いた喉を潤すには少し物足りなく思うが、それでもすんなり体は受け入れた

飲んでみるものだ 想像したよりも渋みは感じず、子供用に甘めに入れてくれたのだろう カップの紅茶を一息に飲みきってしまった

「豪快に飲んでいただけるとは私も思いませんでした

お味はいかがですか?」

「お、美味しい…」

「それは良かったです!おかわりもありますから満足するまで飲んで下さいね!」

ロートが何も言わずともケトは2杯目の紅茶を差し出す

「飲みながらで良いので確認と質問をしたいのですがよろしいですか?」

「ロートくんはお嬢様が購入した奴隷です。その上でロートくんにはお仕事をして貰うのですが、それに合わせてロートくんのソウル(・・・)を教えて下さい」

「ソウルって言うのはなんだ?」

「そうですか ソウルと家のはですね?」

ケトが説明してくれる

要約すると、ソウルとは個人個人が生まれつき持っている特殊な能力であり ほとんどは10歳頃には発現するもの。

どんな能力になるかは生まれ育った環境と血筋が大きく影響する という話らしい

「それなら俺にはまだ無いと思う そんな特殊能力とか言うのは無い」

「そうですか、能力が発現していても気づかない事も有るのでそれもおいおい調べましょうか」


そのとき『バタンッ』と勢いよく扉が開き赤髪の少女セルリアが入ってきた

「おいロート 早速お前に仕事をくれてやる!!」

入ってくるなり焦るようにロートの体を揺さぶり話す

「今日からお前は私のガードになって私を守れ!!

いいか!?分かったら返事!!!」

いきなりの事に頭がついて行かない、と、取り敢えず返事を…

「、はっ」

「よしこれから頼んだぞ!!!」

この少女は返事を待つ気があるのだろうか?

ここで、またもや扉が開いき

「あぁぁらぁ セルちゃんみぃぃっけ♡」

グラマラスな女性が入ってきた

「うわぁぁ!!ロート!早く守れ!!!こいつは悪だ殺しても良い!!だからはやk…」

もう遅かった セルリアは部屋に入ってきた女性に抱き付かれ顔は胸に押しつぶされ息が出来ないでいるようだった。

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