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剽軽な男


「それは命知らずなこと言ったもんですね」

アハハと笑いながら面白く聞く剽軽な男の名前はケト

「私は子供じゃないってのに聞かないこいつが悪いんだよ」

ケトと対照的に少し機嫌悪く話すのはセルリアである

「しかし、奴隷市場で買ってきたような急ごしらえで本当に大丈夫なのでしょうか?」

「今回の会議は自分の弟子を連れて参加するって話で、元々弟子を連れてなかった奴は同じ血筋を連れて来いって言ってただろ?それなら私にはそのどちらも居ないんだから急ごしらえで良いんだよ」

「連れていかないと言う選択肢は無いのでしょうか?」

「連れてこないと処罰の対象になるんだよ、罰は嫌だからこんなのでも連れていこうと思うのさ」

「罰ぐらい受ければいいじゃないですか、そんなに酷い内容とかでも無いでしょうに」

「そういやお前は罰食らったことなかったんだったな…」

なにか意味深げにそう口に出す

「…そう、ですね?」

「肘と膝の先落とされた状態で、首輪つけられて犬見たいにお散歩とかした事ないだろ」

「なんですかそれ!?」

「実際にあったんだよそんな事がな、そのあとそいつは仕事が出来なくなってこの仕事引退したんだけどな そんなレベルの罰だよ」

それは何がなんでも守りたいと思うケトであったが、もう1つ気になることがケトにはあった。

「もう1つ質問があるのですが聞いても良いでしょうか」

「………なんだよ」

ケトは床に転がる麻布に視線を向ける

「そのこ………死んでないですよね?」

「HAHAHA…生きてるに決まってんだろ何言ってんだ。そもそも私に殴られたぐらいで死んでちゃ会議に出せる奴じゃないって事だろ?」

「いや、それならいいんですがさっきからピクリとも動かないから心配になってしまい」

おい起きろとセルリアは笑いながら奴隷の首根っこを掴み持ち上げる

持ち上げながら体を揺すり、頬をペちペちと叩くとふと動きが止まった

「なぁこいつ」

「どうしました?」

「もしかして死んでんのか?」

「だから言ったじゃないですか!」

「もし死んでるなら私困るんだが!?おい起きろよ!起きろっつってんだろ!!」

げしげしと転がる布の塊を蹴るセルリアとそんなに蹴ったら生きていても本当に死んでしまうと必死に止めるケトのやり取りの途中で

「ウッ…グフッゴホコボォッゴホッ!!!」

数度の蹴りの後奴隷は生き返ったように咳き込んだ

「おお見たかケト生き返ったぞ!」

まさに生き返った

奴隷の少年は数度の咳き込みの後息を整え疑問を口に出す

「ここは……何処だ?」

「ここは私の部屋だ」

「お前は、、親にねだって俺を買ったのか」

私がお前を買った(・・・・・・・・)からお前は私の奴隷だ……まぁいいさ、取り敢えず」

ここでセルリアは、ふむふむと少年の周りを歩きながら少年をジロジロと視認し始めた。そしてよしっと何かを納得すると

「お前名前は?」

「………クィレス」

渋々クィレスは名前を口にした、が

「そうかそうか!なら今からお前の名前はロートだ」

セルリアはそんなの関係無いと、聞いたそばから新しい名前を提示する

「いや、俺にはクィレスって言う名前が…」

「うるさい、呼びずらい、覚えずらい、お前の名前はこれからロートだ元の名前はもう捨てろ。今からお前が生きる世界は表の世界ではなく裏の世界だ、表を捨て裏を持たなければ生きづらくなる」

剽軽な男が説明を補ってくれる

「裏の世界でも名前が必要なのは、表の世界と裏の世界の感覚を区別する為なのです。今は分かりずらい事かと思いますが仕事を始めれば次第に分かってくると思いますよ。セルリア様は不器用ですがとてもお優しいのです。」

「そうそう私は優しい!慈悲深いんだよ!」

「優しいやつが気失ってるやつを蹴って起こすかよ」

「なんだと奴隷のくせに生意気だぞ!」

やり取りを横で見ていたケトは時計を確認する

「セルリア様そろそろお時間です」

「そうか、ケト私が帰ってくるまでにこいつを矯正しとけ」

「分かりました、それでは行ってらっしゃいませ」

ケトと呼ばれる男はキリッとした姿勢でセルリアを見送る

さてそれでは早速始めましょうとケトはロートに向き直り矯正を始めた

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