057_比翼連理って独りで生きてられるの?
シーン:愛する人と一緒に生きてきたいという気持ちはその対象がいなくなってしまうとどうしようもなくなってしまう展開と思い出を胸に強く生きていくそれと新しい恋やら愛やらに生きるそれとかがあるわけではあるものの、どれが一番美しいかというものではなくそれなりに美しくそれなりに醜い面がそれぞれに隠されていたりあからさまであったりするものではないかな、そこをどう切り取って魅せるかに作り手の腕が光ったり光らなかったりする。まあ悲劇にして涙を誘った方が楽ではあるものの、それ一辺倒であると飽きられる上に雑多な展開として山に埋もれてしまうこともままあるわけである。が、しかし斬新であれば良いのかというとそこに共感性が一つもなければこれまた楽しませることができないかその対象の幅がかなり狭まることとなる。ただこれまた特定の誰かを楽しませるだけであるならばそのような限定的な展開も否定されるべきものではなくなるわけであり、さらに突き詰めるのであるならば作り手がそのまま受けてであるならば自分自身が楽しめるように展開させることもまた問題とはならないものである。儲からないけれどもこれはこれで幸せな時間を構築することができるわけであり充実した人生を送ったと最後に振り返ることが、できるかもしれない。みたいな葛藤を表現してもらおう。
「いや無茶振り?」女優ではない、女武芸者であり迷宮探索者の斧野小町(20)。
「そうかぁ、これが小町の日常かぁ」なぜだか納得の表情を浮かべるのは斧野小角(20)、小町の兄であり容姿がそっくりな二卵性の双子、衣装は女性寄りの中性的なものであり、髪も長い。つまりは男の娘、ちなみにメスガキ属性あり。
「で、ボビーってそろそろ死んだ?」物騒なことを軽く尋ねる小町。
「んー、まだ生きてる、頑張ってる感じ」愛する人の生き死にを結構軽薄に返答する小角。
場所は変わらず広めの居間、ソファーに腰掛けながら、だらんと弛緩しつつ、ダラダラと寝転びかげん。二人とも小柄なので深く沈み込むようにしていると足が床につかない。ソファーが大きめなのか身体が小さめなのか、あるいはその両方か、ちんまりと可愛い感じ、ぬいぐるみのような、座らせ感覚。
「親父殿も手加減してるのかな流石に?」道場で私怨混じりというか私怨しかないような心持ちで持ってして試合もしくは死合をしている二人を想像しつつ小町。
「最初から前回で命を狙ってたよ?九つ用意しておいた命が開始直後に一つはぜたから、と、今、またやられたみたい、首が落ちたかなこれは?」だらりと鼻と右目から血を流しそれを布でぬぐい、いつの間にか手に出現させた札、小さな子供の手、その大きさくらいのそれを目前にかざして、手印、あたたかな光と共に札が崩れるように消えさり、破壊された式神からの逆凪によっておった傷を癒やして消し去る小角。
「相変わらずお見事な」感心しつつ少しげんなりとした口調で小町。
「小町と違って、私は術者の面が強いからね。切った張ったはあまり得じゃないぶん小手先の技は、まあ自分で言うのもなんだけれども大したものなのよ」ちょっと胸を張る小角。平坦で膨らみもなけれども薄いシャツから除く乳首が色っぽい、さすがメスガキ的男の娘。
「ねえ、好きな人を式神化して支配下に置くのってどんな気分なのかな?」ちょっとした質問小町。
「相手の全てを自分のものにできてとても幸せな気分になるわよ?」ちょっとだけ狂っているのじゃないかなという目をしつつ、満面の笑みで応える小角。
「うーん、理解し難い」呆れる小町。
「お子様だからねぇ、小町は」笑う小角。
「結構こっちもイカれてるなぁ、好みですよええ」ツッコミ淫魔。




