050_夜空に輝く一番星、究極で最強。
シーン:望まないわけではないけれども迂闊に世間に知られると困ってしまう妊娠というものは確かに存在するわけであり、そうであるならば生まれてくる子供が健やかに安全に暮らせるように配慮することが大人の役割なのではないだろうかという真っ当っぽい意見を隠れ蓑にしつつ性欲が暴走するまま事をなした我が身のいたらなさを塗り隠すような行為に正当性を持たせるのであるけれども、そこに漂う泥縄っぽさが実のところ物語を楽しいものにしているのではなかろうかと傍観者やら観測者は感想を述べる。なんだこのシーン指定?
「なんだこのシーン指定」虚無表情をする見た目は幼女実年齢は成人女性な斧野小町(20)。
「完全に開き直っているだけですね、もう何をやってもいいやとかどうなってもいいやとか、治外法権であるとか、ここは地の果て流されて俺みたいな精神性で突き進んでいるのでしょう。間延びした物語にはよくあることです」したり顔楽屋堕ちな迷宮怪異淫魔の田沼イチロー(見た目は20代後半、実年齢は不明、ちょっとマッチョな好青年風竿役男優)。
「人の淫な気持ちを後押しして暴走させて子作りに加担させて性交中出しで食事をしつつ着床妊娠からの出産で仲魔を増やす、これが淫魔の生きる道なわけでありますが」立板に水なイチロー。
「今更ではあるがひどく残念な生き物なんじゃないか?」哀れみ小町。
「同情するなら抱いてくれ!っていう決め台詞で迫ってくる残念女淫魔がいましたね確か。ともあれ生存戦略としてはそれほど不利ではないわけでして、人間社会に寄生していた過去から現在は共生まで持っていってたりしています。ある意味適者生存していますよね我らが淫魔は」ダーウィンもびっくりな淫魔イチロー。
「進化した結果がこれというのも、なんだろう?袋小路にはまっているような印象があるのだけれども。少なくともこれからどう展開するつもりなんでしょうかね?淫魔一族」怪訝疑問発問小町。
「堕胎の定番というと望まぬ妊娠なわけですが、産むわけにはいかない立場である母体とか、妊娠に至る経緯が犯罪でしかないというものですとか、年齢的に母体が持たないとか、そうではなく体力やら体質やら肉体的な不備で出産に耐えられないというものとか、いやまあ単純に子供が欲しくないというものもあるわけでありますが。それら全ての厄介ごとに対して対応ができるのですよ、そうです淫魔ならね!」ドヤ顔淫魔。
「素直に称賛できないのは、女性を尊重しているというわけではないからということを知っているからでしょうか?」斜め見小町。
「尊重はしてますよ。女性は須く淫魔の母になってくれる可能性がございますから、大事にしなければなりませんし」大切大切とイチロー。
「母体として大切にしているわけであって、その女性個人の人権を尊重しているわけではないんだよなぁ」呆れる小町。
「基本的に自分にはないものを相手に求めるのはこれは傲慢だと思うわけですよ、ええ一般的な話として」長く節くれだった指を振りながら淫魔イチロー。
「あー、まあそうですね?」言葉を自動的に返す小町。
「具体的には、淫魔には人権がないので相手にもそれを求めないというわけなのです、お分かりですか?」証明終わりな淫魔イチロー。
「それは、それは何か違う気がするんだがなぁ!」叫べ小町。
「人権を無視するならば、人権を無視されることも覚悟するべきだ」キリリと真面目に言い放つ無駄に声がいい淫魔イチロー。
「そこまで言ったら戦争しかないだろうが!」開戦前夜だ小町。
「実際に現役の若い女性歌手やら女優さんやらが迂闊に妊娠しちゃった時なんかにもしっかりと寄り添って優しく処理して、感謝されたりするわけですから。まあ、人権がないからこそできる人助けがあるのですよ」菩薩笑み淫魔。
「良い話なのかなぁ」困惑小町。




