046_お医者様と草津の湯で万全。
シーン:母親任せの子育てって時代に速してないのではないじゃんかというのは実は母親単独であるから問題であるわけであって、女性社会が束になってそれを行えば実のところ父親が出張るよりもよっぽど摩擦なく効率的に優しく回すことができる、実のところ男親の子育て参加を後押しする世間の風潮は、核家族化を進めることで社会の強さを弱めることになるどこぞの敵対国家とかの陰謀なのではなかろうかとボビーは訝しんだ。
「出たな、従兄弟のボビー。それはそれとして男性の育児参加の風潮って陰謀だったのですか?」怪訝、眉を顰める、見た目は幼女其の実大人な女迷宮探索者斧野小町(20)。
「女性の権利を守ろうとか確立しようとかそういう運動の成り行きでそのような男女同権とかがちょっと暴走気味になっている可能性はあるけれども、どこぞの組織が計画だってそのような風潮を作り出しているというのは、まあないと思いますね。結果的に悪平等になっているという指摘はそれほど間違ってはいないとは思いますが、母親に子育てを任せることと、それに対して父親が敬意を表さないことは別の問題なのですよね、そこを混同すると社会構造の最適化が歪んでくるわけです。詳しいことは知りませんけれども」眉に唾をつけて語る、迷宮怪異淫魔のイチロー(見た目20代後半、年齢不詳)。
「妊婦って定期的に病院で検診を受けなければならないじゃないですか?」こてんと首を曲げつつ目を見て話す小町。
「そうですね、基本的に淫魔の種付け着床妊娠母体はとことん出産に向けて安全安心精神安定な状態を維持しているとはいえ、万が一のことはあるかもしれないですから念の為に受診しておきた方が良いでしょう。あとは、出産後のあれこれの、予防接種やら子育て相談会やらその手の知識を得られる講習会も併せて開かれるわけですし、そこは新米ままさんとしては参加しておいた方が良いと思うのですよね」目を見返しつつ語る淫魔イチロー。
「その時に父親が誰だか聞かれたりして、答えられない私がいて、書類もそこだけは空欄になって、明言はしないけれどもなんとも言えないような感想を医師さんやら看護師さんやらから抱かれて、訳ありなんですねというような優しい視線やら痛ましい視線やら蔑むような視線やら事務的に対応される視線やらを受けてしまうのですよね」目の光が消えて暗くなる小町。
「事務的に接してくれるならその方が楽そうではありますが、医者さんとかは守秘義務とかがありますのでそれほど気にしなくともいいと思いますし、想像したほどには精神的な衝撃、打撃、痛撃、焦りやら不安やらは、抱かないと思いますよ?そこを軽減できてこその淫魔術、無責任種付け着床妊娠出産までにおける精神安的化術式ですので。むしろ本来は負の感情を呼び起こすような視線とか態度とかに対して快感を感じるまであるんじゃないですかね?」暗い目をさらに深く暗い目で覗き返す淫魔イチロー。
「あ、なるほど、想像したら下腹部が熱くなっていきます。うへえ、私、変態になってしまった」衝撃驚愕あたふた肩を落とす小町。
「淫魔に種付けされて喜んでしまう身体になったわけですし、今更では?」あっさりと心を切りつけ切り倒すイチロー。
「もう少し手加減をしてほしい、いや本当、私助兵衛初心者なの」枕に顔を埋めて呻くように小町。
「助兵衛さんもいやらしい状態の代名詞になってしまうとは思わなかったでしょうねえ」見当違いなところで感慨深く頷く淫魔イチロー。
「話を戻しますけれど、私としては子供の父親として貴方の名前を正式な書類に明記したいのですよ」
「戸籍ないですよ、正確には偽の戸籍ですよわたしゃ」
「そこまであからさまに露出しなければばれないんじゃないですかね?あとそれなりに社会に溶け込んでいますよね。偽戸籍を維持しているということは税金も払ってるんじゃないですか?」
「所得税、住民税、社会保険、年金、はインマー保険会社経由で納めてますね。加えて、日本放送局受信料もしっかり払ってます。それにしても、結構この国税金高いですよねぇ」
「それはもうすでに日本国民なんよ、というかインマー保険って法人税も納めているの!?どうやって成立させているのよ?」
「それはまあ、色々と?公にはできないようなあれこれが?まあ、知らない方が幸せに人生を全うすることができるとだけ、言っておけば良いかなぁと」
「相変わらず闇が深い」




