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031_婚前漫才というのはどうだろう?

シーン:淫魔イチローの怪異的なボケに対して鋭いツッコミを入れる小町、その勢いはもはや稀代の女武芸者もよもやと言われるほどの切れ味。そう、凄腕探索者として活躍していた女武芸者はその舞台をスポットライト煌めく、笑い溢れる場所へとかえて、世界に羽ばたこうとしていた!


「羽ばたきません!」シーン設定につっこむ女漫才師小町。

「年末の漫才番組、決勝戦出場を目指しましょう」どこからともなく日の丸センスを取り出し、バッと広げて朗らかに笑みを浮かべる、ボケの三冠王、淫魔イチロー。

「誰が漫才頂点大決戦とか出るというのよ!私は武芸者!もしくは凄腕の迷宮探索者なの!百歩譲っても迷宮一大運動会か、天下一武芸会(武器部門)よ!」

「そんな、共にあの朝日放送第一スタジオを目指そうと、あの春の桜に誓った日を忘れたのですか?!」

「目指してないし誓ってないしそもそも知り合ったのは昨日が最初!記憶を捏造するんじゃない!」

「流石打てば響く、しかし欲を言えばもうちょっとノリツッコミが欲しい」

「冷静にダメ出しをするんじゃない!」


改めてシーン:迷宮内の経済活動ってどうなっているのか尋ねる小町に対して返答をする迷宮怪異淫魔イチローの件(”くだり”と読ませます)。


「迷宮内通貨とかあるの?」お金を表す指文字を作りつつ尋ねる小町。

「基本日本円ですね」さらりすらりといつの間にか、指に百円硬貨を滑らせて器用に踊らせるイチロー。長くしなやかな指が遅滞なく動き、複数枚の銀色効果が増えたり消えたり踊ったり回ったり。

「き、器用ね」くるくると目をまわすように硬貨の銀を追いかける小町。

「手先の巧みさはね、こう、淫魔的に、女体を愛撫するのに必要な能力ですから。あとはこうやって手品を見せると喜ぶ女性が酒場に多かったりするんですよ、会話の切っ掛けとかに便利です」ニヤリと笑うスケこましな淫魔。

「いやそうじゃなく、どこから日本円供給してるのよ?」

「蛇の道は蛇とか言いますからね、こう、迷宮内のあれやこれや資源とか、淫魔的な保険業部の副収入(映像特典)とかの支払いで日本円が入ってきます。ああ、基本現金のみですね、信用がないので、手形とか小切手とか、口座振り込みとかは敬遠されています、迷宮怪異側も日本国の蛇さんたちも双方」持ちつ持たれつ相身互いな笑み。

「うわあ、犯罪者がいる、ここに犯罪者がおる」引いて笑う小町。

「バレなきゃ犯罪じゃないんですよ。そしてそもそも、迷宮内怪異には人権がないので法の及ぶ範囲じゃないという建前もあります。まあ、地上の日本社会隙間人はがっつり犯罪者ではありますが、具体的には脱税とかそういう感じになっていると思いますね、あとは迷宮法とかが引っ掛かってんじゃないでしょうか?」

「ダメなのでは?」

「だからひっそりとやっています。あとまあ、今更掘り返しても誰も幸せにならないところまで深く蔓延っているという側面もありますので、そのままになっているというところもありますね」

「もしかして、結構昔から迷宮内怪異と日本社会は爛れた関係だったとか?」

「勘の良い探索者は嫌い、感度の良い探索者は大好きです。まあ話のわかるように見える怪異というのは昔から存在していますし、禁忌さえ踏まなければ致命的な事故は発生しにくいですし。そもそも日本国そのもの、その大元から清濁合わせ飲む体質で作られていますから、今更ではという話でもありますね」

「それって、知っても良い話なのかな?」

「もちろん確証のない与太話ですよ?迷宮内で流通している日本円だって、もしかすると、単に迷宮が生み出している資源に過ぎないのかもしれないわけですし」

「それはそれで問題がある!」

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