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020_ピンチはチャンスではなく普通に危機。

シーン:岩国迷宮四十一層、安全地帯、時刻は変わらず宵の内、月下で舞台変わらず。三本先取の格闘(?)戦にて、女武芸者巨斧使い小町と、迷宮怪魔淫魔イチローの勝敗は、小町の二連敗でイチロー側にリーチ。後のない小町は関節を決められて降参した二試合目周力後ただちに、全裸ではない土下座を行いつつ、淫魔ウイングの使用を制限してもらうよう懇願し淫魔イチローはせっかくなら全裸土下座が良かったなと淫魔的感想を脳内に走らせるも快諾。


では、三試合目、いざ尋常に勝負。


 同じ間合いから三試合目開始、今度は迂闊に飛び込まずに、間合いを計りつつすり足で近づく小町。

 イチローも同じように、両手を前に上げ、前後にずらして出し、手の甲を小町に向ける蟷螂の形象。こちらもすり足で間合いを殺していく。

 

 静から動へ、呼吸を盗み、両手で持つ巨斧、柄の長さを利用して放して構えている棍に近い型、手をずらして巨大な刃の際まで滑らし動かし獲物の重心を利用して石突を目にも止まらないほどの速さで振り上げる。

 しっかり目にも止まらないはずの石突を目で追い躱わす淫魔イチロー、迷宮怪魔淫魔の目は相手の性感帯のわずかな変化、反応を見逃さないために、極まっている、えっとまあ、つまり戦闘時も大体は誤魔化されない。


 振り上げるはずの石突、軌道が奇妙なまでに変化するここでも回転、巨斧の頭に重心が行っていることを利用してそこを瞬時に落とし、さらに全体も重力に惹かれるまま落とし込んでいく、狙いは淫魔の下半身、いや金的ではない、避け難い腿。

 踏み込むイチロー同時に筋肉量を上昇、小町のウエストくらいあるぶっとい太腿がさらにパンプアップ、肉の鎧、しかも命中する直前に跳ねさせたが故に、柄を逆つたわり衝撃が返される。


 持ち手に反射された衝撃を感じ取るやいなや巨斧を手放す小町、それを宙に浮かせたまま半身を入れてイチローの懐に潜り込む、手足の間合いは、寝屋の、あの部屋、シーツの海で溺れていた時に把握済み。

 距離を0にするならば好都合とばかりに、肉壁へと気を使い相手の打撃を受け止めつつ、両の手で持ってして小柄な少女のような小町の頭を挟み込もうとするイチロー。


 両手を揃えて淫魔の腹、鳩尾あたりの肉壁がようをなさないところへ添える、捻らず、ただ、重力に従って落とす、体重と骨を揃えて全ての踏み込んだ衝撃を通す、坂田流無手巨斧落とし。他流派におけるいわゆる、鎧通し、発勁、通背拳、


 通った!


 通した!


 が、ば、が、がが!?


 小町の脳みそが揺れ思考が、意識が混濁し、目に火花がとび、堕ちる。


 韻魔イチローその綺麗に決まった小町の掌打を持ち前の迷宮怪魔がもつ肉体スペックのみ覚悟を決めて受け切る。そしてその肉体最奥に叩き込まれた痛みに対して、こゆるぎもなく冷静なまま両腕を精密に操り、小町の小さな頭を挟み込み、瞬きのごとくな掌打、絶妙な位置取り、隙間を残す、腕、掌、を固定、結果、左右の掌、その間で頭蓋が揺れ、脳みそへの痛打。


 イチロー菩薩のごとく笑みを浮かべる、と、その後間をおかずに吐血。

 小町の一撃は確実にイチローの内蔵を傷つけていたのだった。


 そして、 


 虚構じみた技の応酬、勝利したのは、


完全決着!勝負あり!勝者淫魔イチロー!


 審判の声を皮切りに、観客の歓声が場内を満たし、決闘場を興奮の坩堝へとかえる。


 いや、幻聴だけれども。

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